ネットでもコレクターの間でも全く出回っていない戟レアな初登場音源が遂に!ある意味エヴァンスとは対極に位置する孤高のピアニストのポール・ブレイがゲイリー・ピーコック、バリー・アルトシュルとのトリオで1976年に来日した模様は、7月25日合歓の郷野外ホールで行われたヤマハ・ミュージック・フェスティバルでのステージを収録した、ブレイ自身のレーベルのインプロヴァイジング・アーティスツから1977年にリリースされた名盤「ジャパン・スーツ」で聴けますが、そこに収録されているのはタイトル・ナンバー1曲のみでした。今回ここに、同トリオによる1976年8月1日東京のスタジオで人知れず行われた貴重なライヴを、何と4トラック・オープンリール・マスターからダイレクトに収録された超極上高音質ステレオ・サウンドボードにて収録した至高のアイテムとして初登場してしまいました!公式盤同様に、何やらぬ緊張感と雰囲気を伴った日本の琴を彷彿させるブレイのピアノから始まる「ジャパン・スーツ」で演奏はスタートしますが、公式盤の合歓でのライヴより一切の無駄を排したコンパクトな演奏になっており、ベースのピーコックとドラムスのアルトシュルとでエヴァンス同様後続のピアニスト達に多大な影響を与えたピアノ・トリオでの演奏を無限大に拡げる革新的なプレイに始終し、一瞬にして聴く者の心を鷲掴みしてしまいます。演奏はブレイを中心に展開して行きますが、あくまで三者が互いを意識しつつも自由な発想で挑みながらも邂逅していく様のスリリングな演奏は、私ごときが到底言葉には言い表すことは出来ません…続く2曲は公式盤でも聴けないナンバーで、「ミーティング」では名盤「オープン・トゥ・ラヴ」を思い起こさせるピアニストとしてのブレイのあらゆる可能性を示唆する長いソロが聴け、ブレイの官能的ともいうべきリリシズムに満ちた世界が広がり、とりわけ中盤からのこの世のものとは思えない美しいメロディーと静寂の中でうち震えるピアノの響きはECMファンなども聴き逃せません!ラストの「キョウト・キックス」では、やはり三者のインタープレイによるトライアングルが抜群で、降りてくるまで待つ、何も浮かばなければ弾かないというスタイルのブレイがノリまくり信じられないような美しいメロディーを呼び起こします。ブレイを刺激し、時にリードするピーコックの技とアルトシュルの単なるリズムを超越したサポートの素晴らしさも光ります!
Live at Unknown Studio,Tokyo August.1.1976 1. Japan Suite 2. Meeting 3. Kyoto Kicks Paul Bley - Piano Gary Peacock - Bass Barry Altschul - Drums,Percussion