帝王オジー・オズボーンに認められ、全米にワイルドなLAメタルを叩きつけていった1984年のMOTLEY CRUE。その苛烈な現場を体験できる新発掘ライヴアルバムが登場です。そんな本作に吹き込まれているのは「1984年3月13日アルバカーキ公演」。その灼熱オーディエンス録音です。“SHOUT AT THE DEVIL Tour”と言えば、USフェスティバルやMONSTERS OF ROCKといった伝説フェスへの出演が相次いだ時期でサウンドボード名盤『SAN ANTONIO 1983』もお馴染み。それらも引っくるめ、まずは当時のスケジュールからポジションをイメージしてみましょう。1983年・3月26日ー4月3日:北米#1(6公演)・5月29日:USフェスティバル出演 ←※US FESTIVAL 1983・9月3日ー17日:北米#2(3公演)《9月26日『SHOUT AT THE DEVIL』発売》・10月31日ー12月16日:北米#3(28公演)←※SAN ANTONIO 1983 1984年・1月10日ー3月24日:北米#4(52公演)←★ココ★・4月12日ー6月15日:北米#5(38公演)
・8月18日ー9月7日:欧州#1(7公演)←※MONSTERS OF ROCK 1984シリーズ・10月15日ー11月19日:欧州#2(23公演)これが1983年/1984年のMOTLEY CRUE。100公演を優に超える徹底的な全米ツアーを行ったわけですが、その中でも「北米#4」はオジーの“BARK AT THE MOON Tour”の前座でもあった。本作のアルバカーキ公演は、その44公演目にあたるコンサートでした。そんなショウで記録された本作は、まさに灼熱の強力オーディエンス。「灼熱」の意味は熱狂と熱演の両面。音質的には芯も力強くグイグイと迫ってくるタイプでして、ニッキー・シックスのベースさえアタック音もブリブリと鮮やか。ただ、それと同時に芯の勢いに引きずられるようにホール鳴りが熱風となってスピーカーから吹き出してくる。いや、もちろん物理的には室温と同じなのですが、演奏の苛烈ぶりも相まって顔面に「熱」や「圧」を感じるのです。そして、その演奏を囲む熱狂も凄い。演奏中は一心不乱に頭を振っているのか静かなのですが、曲が終わるや間欠泉のように凄まじい大歓声が吹き上がる。観客たちはオジー目当てに来場したのかも知れませんが、本作の盛り上がりはヘッドライナーそのもの。それも、必殺のヒット曲が畳みかけられるアンコールかのような凄まじさ。「アルバカーキって南米だっけ!?」などと、一般常識まで疑いたくなるカオスな熱狂が渦巻いているのです。もちろん本当はヒット・パレードではなく、美味しい初期レパートリーが濃縮還元されたショウ。最後に、その内容も整理しておきましょう。華麗なる激情(3曲)・Take Me To The Top(*)/Piece Of Your Action/Live Wire シャウト・アット・ザ・デヴィル(6曲)・Shout At The Devil/Knock ‘Em Dead, Kid/Too Young To Fall In Love(★)/Red Hot(★)/Looks That Kill/Helter Skelter ※注:「★」印は“US FESTIVAL 1983”では演奏しなかった曲。「*」印は“SHOUT AT THE DEVIL Tour”までのレア曲。とにもかくにも熱い。熱すぎる。1984年のMOTLEY CRUEがいかに衝撃的な存在だったかを肌感覚で実感できるライヴアルバムです。残念ながらメイン・アクトのオジー編は録音されなかったようですが、こんなに盛り上がって食われなかったのか!?と心配になる灼熱の1枚です。LAメタル……いや、HR/HMに最も勢いがあった“1984年”を薫り。「1984年3月13日アルバカーキ公演」の灼熱オーディエンス録音。芯も力強くグイグイと迫ってくる名録音で、ニッキー・シックスのベースさえアタック音もブリブリと鮮やか。それと同時に芯の勢いに引きずられるようにホール鳴りが熱風となってスピーカーから吹き出してくる。メイン・アクトのオジー・オズボーンが食われるんじゃないかと心配になるほどの盛り上がりで、1984年のMOTLEY CRUEがいかに衝撃的な存在だったかを肌感覚で実感できるライヴアルバムです。 Tingley Coliseum, Albuquerque, NM, USA 13th March 1984 PERFECT SOUND (48:46)
1. In The Beginning 2. Shout at the Devil 3. Take you to the Top 4. Knock 'Em Dead, Kid 5. Too Young to fall in Love 6. Red Hot 7. Guitar Solo 8. Piece of your Action 9. Looks that Kill 10. Live Wire 11. Helter Skelter