ジョン・サイクス時代の最高峰と呼ばれたサウンドボード・アルバムがブラッシュアップ。「GRAF ZEPPELIN」の高精細マスタリングを経たCDが誕生です!そんな本作に刻まれているのは「1985年1月19日リオ・デ・ジャネイロ公演」。伝説の“第一回RIOCK IN RIO”で記録されたサウンドボード録音です。当時のWHITESNAKEは英国ロックの猛者たちが集いつつ、激しくメンバーチェンジを繰り返していた時期でもある。まずは『SLIDE IT IN』時代の全景からショウのポジションを確かめておきましょう。1984年《1月30日『SLIDE IT IN(UK Mix)』発売》・2月17日ー4月5日:欧州#1a(28公演)《4月7日:メル・ギャレイ負傷》・4月8日ー16日:欧州#1b(6公演)《4月16日『SLIDE IT IN(US Mix)』発売/ジョン・ロード脱退》・6月30日:ST. GALLEN FESTIVAL出演・7月17日ー30日:北米#1(8公演) ←※DEFINITIVE SPOKANE・8月4日ー16日:日本(8公演) ←※SUPER ROCK '84・9月12日ー11月30日:北米#2(53公演)1985年・1月11日+19日:ROCK IN RIO出演(2公演)←★ココ★《コージー・パウエル脱退》これが1984年/1985年のWHITESNAKE。当初はアルバムと同じく6人編成でツアーを開始しましたが、時を経るごとにメル・ギャレイ、ジョン・ロードが脱落。初夏にいたる頃には4人編成となっていました。その後、日本のスーパーロック '84へも参加しつつ、DIOやQUIET RIOTの前座として苛酷な全米ツアーにも臨んでいきました。そして、そんなツアー終了後に特別公演として参加したのが“ROCK IN RIO”。集1回で2公演が行われ、本作はその2公演目を記録したライヴアルバムです。また、当時はすでに人間関係の破綻していたコージー・パウエルが脱退を宣告しており、ラスト・ステージと分かった上での参加でもありました。そんなショウは、TV放送プロショットが残された事でも知られますが、本作はそれとは異なるFMサウンドボード音源。TV放送ではカットされた「Don't Break My Heart Again」「We Wish You Well」も収録した完全版で、サウンドもTV放送を超越。特に名盤『ROCK IN RIO '85(Langley-299)』はベスト・マスターとして君臨してきました。本作は、そのベスト・マスターを「GRAF ZEPPELIN」が磨き直した最高峰更新盤なのです。実際、そのサウンドは過去最高。「GRAF ZEPPELIN」マスタリングは原音をド派手に飾り立てるものではなく、あくまでピッチ/位相の調整やノイズ処理などの精度を高める手法。前回もピッチや位相に違和感はなかったものの、さらに厳密に整えられています。その手法ゆえに違いが分かりづらい事もあるのですが、今回は聴いて一発で異なる違いが生まれました。一番分かりやすいのは低音のパンチで、ベースやバスドラがグッと力強くなっているのです。従来盤は鮮明ではあってもアタックが弱々しく、鳴りもボケで締まりのない音でした。しかし、本作では輪郭もキリッとしたアタックが綺麗にヌケ、ビシッと締まっている。特にコージーは「ドラム缶を引っぱたくようなドラミング」と形容されるだけに、キレの良さはかなり重要なのです。誤解のないように繰り返しますが、これは無闇な迫力稼ぎとは次元が違う話です。あくまでも「バンドの出音を再現する」というコンセプトに則った調整であり、高音から重低音まで帯域調整が施されている。その結果、耳に付きやすく違いが現れたのが低音というだけなのです。そんなパワフル・サウンドで描かれるのは、最強の4人「カヴァデール/サイクス/パウエル/マーレイ」が鎬を削るフルショウ。現在、4人時代のライヴアルバムと言えば、公式作『LIVE IN '84: BACK TO THE BONE』内の『SNAKESKIN BOOTS』が基準になりますので、ここで比較しながら内容を整理しておきましょう。スライド・イット・イン(4曲)・Guilty Of Love/Love Ain't No Stranger/Slow An' Easy/Slide It In(★)クラシック・スネイク(5曲)・スネイクバイト:(Ain't No Love) In The Heart Of The City(★)・ラヴハンター:Walking In The Shadow Of The Blues・フール・フォー・ユア・ラヴィング:Ready An' Willing・カム・アンド・ゲット・イット:Don't Break My Heart Again(★)・セインツ・アンド・シナーズ:Crying In The Rain※注:「★」印は公式『SNAKESKIN BOOTS』で聴けない曲。 ……と、このようになっています。公式『SNAKESKIN BOOTS』はノークレジットなために断言できないものの、おおよそ“7月24日スポケイン公演”とも言われています。本作は、そこで聴けなかった3曲も楽しめる。特に「Don't Break My Heart Again」は同日のTV放送でもカットされていた1曲なのです。そんなフルショウだけでなく、本作はさらに美味しいボーナストラックも2種収録しています、まず1つめは「Stereo Mix Digest」。FM放送はかなりモノラル的なサウンドボードでしたが、最近になって鮮やかなステレオ音源も発掘されました。ただし、まだショウ全景ではなく、各曲をダイジェスト編集して約9分まとめたものしか公開されていない。ここでは、将来のフルバージョン発掘を期待してダイジェストのまま収録しています。2つめは音楽番組"WHISTLE TEST"。フルの本放送とは違って「Love Ain't No Stranger」とカヴァデールのインタビューだけですが、このインタビューが意外と面白い。コージーの脱退についても触れられ、インタビュアが「これが彼の最後のコンサートになってしまったんですね?」と質問するとカヴァデールが「本当に残念なんだけど」と答えている。文字にすると普通ですが、肉声ではわざとらしくオーバーで、思わず「本当は思ってないだろ?」とツッコミたくなる。さらに「ELPのPになってしまうそうですね」とも訊かれ、吹き出しながら「お互い、違う道を歩むことになったわけだけど、彼の幸運を祈るよ」と返す。思いっきり白々しい社交辞令なわけですが、ここでも生の音声だからこそ本音のニュアンスが透けてくるのです。最強の布陣でありながら前座公演が多かった4人編成時代。“ROCK IN RIO”もフェスだけに単独フルセットとはいきませんが、それでも約1時間に渡って最強アンサンブルを楽しめる魅力は何物にも代えられません。本作は、その醍醐味を「GRAF ZEPPELIN」の高精細マスタリングでグイッと引き上げた1枚。「1985年1月19日RIOCK IN RIO(2公演目)」の極上サウンドボード録音。TV放送ではカットされた「Don't Break My Heart Again」も収録した完全版のFM放送サウンドボードです。かつてLangleyレーベルから発掘されたベスト・マスターを「GRAF ZEPPELIN」が入念マスタリング。ピッチ/位相の精度もアップしており、帯域調整で鮮やかになった低音もダイナミック。さらに公式クオリティのステレオ音源(約8分のダイジェスト)や別放送版の「Love Ain't No Stranger」もボーナス収録。サイクス/コージー/マーレイの最終公演を最高峰クオリティで特集した決定盤ライヴアルバムです。Rock In Rio Festival, Rio De Janeiro, Brazil 19th January 1985 SBD(UPGRADE) (74:48)
01. Intro 02. Walking In The Shadow Of The Blues 03. Guilty Of Love 04. Ready An' Willing 05. Love Ain't No Stranger 06. Crying In The Rain 07. Guitar Solo / Crying In The Rain (Reprise) 08. (Ain't No Love) In The Heart Of The City 09. Slow An' Easy 10. Slide It In
11. Don't Break My Heart Again 12. We Wish You Well Bonus Tracks 13. Stereo Mix Digest "WHISTLE TEST" 14. Love Ain't No Stranger (Rock In Rio 19th January 1985) 15. David Coverdale Interview SOUNDBOARD RECORDING
David Coverdale - Lead Vocals John Sykes - Lead Guitars Neil Murray - Bass Cozy Powell - Drums Richard Bailey - Keyboards