「BUILT TO DESTORY」発表に伴うヨーロッパツアーは、11月のロンドン"ハマースミス・オデオン"公演を収録した公式ライヴ作品「ROCK WILL NEVER DIE」が存在するだけでなく、コレクターズ・アイテムも驚くべき充実を示しています。中でも関係者流出のカセット・マスターをダイレクト使用したステレオ・サウンドボード音源は大定番。M.S.G.がIRON MAIDENの「PIECE OF MIND」リリースに伴う"WORLD PIECE TOUR"のスペシャル・ゲストとしてサーキットしたドイツツアーからは、複数の素晴らしい公式級ライン・ソースを楽しめます。特に本作「WURTZBURG 1983」は、同種のサウンドボード音源「NUREMBERG 1983」にも優るのではないかと、マニアの高い評価を受けている一本です。音質はもとより、"リマスター・バージョン"と"テープ・オリジナル・バージョン"の2種類の音源を収めた内容も話題となりリリースされた直後から(専門誌を含めて)大きな話題となりました。カセット・マスターから再度音を起こし、最新の技術と機材でナチュラルなリマスターを施されたクオリティは、過去の「WURTZBURG 1983」を越える素晴らしさ。前回の"リマスター・バージョン"と"テープ・オリジナル・バージョン"の中間といえるサウンドで、ナチュラルさと派手さの両側面から聴き手にライヴを堪能させます!サウンドのクリアネスと公式感覚溢れるバランスは、「これ以上無い」と思わせる極上レベル。マイケルのギターが目の前で奏でられるようなド迫力とダイレクト感は、公式ライヴ作品すら凌ぐ聴き応えに満ちています!「Captain Nemo」そして「Rock My Nights Away」で始まるパフォーマンスは、'80年代のM.S.G.でも最良と言える安定感と一体感。ツアー開始から約2ヶ月を経過した事もあり、バンド・アンサンブルのまとまりから各メンバーのプレイまで、全て高いレベルでバランスが取れています。ゲイリー・バーデンのヴォーカルもなかなか好調です。とりわけマイケルのギターは序盤から絶好調。「Rock My Nights Away」や「Are You Ready To Rock」などはソロ・バッキングとも冴え渡り、聴く者全てを興奮させる圧倒的な迫力に満ちています。実際にマイケルがこれほど気持ちよく躍動的にプレイしているテイクは、そう多くはないと思わせるほど。繊細さとハードさが入り乱れる「Cry for the Nations」と「On And On」、問答無用の「Into The Arena」では、終始大迫力の演奏を楽しむことができます。ライン・ダイレクトのため歓声はオフ気味ですが、ゲイリーのマイクを通して聞こえる歓声からは、オーディエンスも熱狂的なムードで盛り上がっているのが理解できます。IRON MAIDENのサポート出演という事から、セットは'84年1月の来日公演と比べてややコンパクトに抑えられていますが、主要曲の多くは網羅されています。直前に脱退したデレク・セント・ホルムズに代わり、オリジナル同様ゲイリー・バーデンが独唱する「I'm Gonna Make You Mine」や「Still Love That Little Devil」のサウンドボード・テイクは聴き所でしょう(残念ながら「Still Love That Little Devil」中盤にはカセット・リバースによるカットがあります)。アンコールではアンディ・ナイの印象的なキーボードに導かれ、「Doctor Doctor」が炸裂! エンディングではマイケルのギターとオーディエンスの掛け合いが交わされ、約70分のライヴを白熱のうちに締めくくります!最高レベルのステレオ・サウンドボード!!お薦めです。
Live at Carl-Diem-Halle, Wurtzburg, Germany 3rd December 1983 STEREO SBD(Remastered Edition)
1. Intro. 2. Captain Nemo 3. Rock My Nights Away 4. Are You Ready To Rock 5. Cry for the Nations 6. On And On 7. Attack Of The Mad Axeman 8. Into The Arena 9. Courvoisier Concerto 10. Rock Will Never Die 11. I'm Gonna Make You Mine 12. Still Love That Little Devil
13. Armed and Ready 14. Doctor Doctor Michael Schenker - Guitar Gary Barden - Vocal Chris Glen - Bass Ted McKenna - Drums Andy Nye - Keyboards STEREO SOUNDBOARD RECORDING