一大全盛の真っ直中で出演したビッグ・フェス“DAY ON THE GREEN”。その完全体ライヴアルバムが登場です。そんな本作に刻まれているのは、もちろん「1985年8月31日オークランド公演」。そのステレオ・サウンドボード録音です。『LOVE AT FIRST STING』時代と言えば、アルバムがマルチ・プラチナムに輝いただけでなく、『WORLD WIDE LIVE』もヒットし、二度の来日も実現した全盛期。まずは、その歩みを振り返ってフェスのポジションも確かめてみましょう。1984年・1月23日ー2月29日:欧州#1(27公演)・3月17日ー25日:北米#1a(6公演)《3月27日『LOVE AT FIRST STING』発売》・3月27日ー7月18日:北米#1b(80公演)・7月30日ー8月12日:アジア/日本#1(9公演)・8月14日ー9月2日:北米#2(13公演)・10月26日ー12月3日:欧州#2(26公演)1985年・1月15日+19日:ROCK IN RIO(2公演)・1月28日ー2月7日:日本#2(8公演)《6月20日『WORLD WIDE LIVE』発売》・6月22日:ネブワース公演・8月24日ー9月2日:北米#3(4公演)←★ココ★ 1986年・8月16日ー9月5日:欧州#3(7公演)これが1984年ー1986年のSCORPIONS。1984年は『CRAZY WORLD』時代の1991年と並んでキャリア最多のライヴをこなしたわけですが、さらに翌年も翌々年も追加。しかも、その中には日本のSUPER ROCK '84や第一回ROCK IN RIO、ネブワース・フェスなど、歴史的なフェスへの出演が相次いでおり、まさに絶頂の時代でした。そして、“DAY ON THE GREEN”はそんな巨大フェスの北米版とも言うべきもの。2日間のうち第1日目は“ヘヴィメタル・デイ”で、METALLICAやRATT、Y&T、イングヴェイ・マルムスティーン、VICTORYといった錚々たるメンツを従えてSCORPIONSがトリを務めたのです(ちなみに2日目はポップ・デイで、WHAM!やTHE POINTER SISTERS、KATRINA AND THE WAVESが出演しました)。そして、このステージは極上のプロ記録が残された事でも歴史的。一部が公式化されたMETALLICAも有名ですが、一番の衝撃はやはりトリのSCORPIONS。2013年には70分の長尺プロショットも登場し、当店でもプレスDVD『DAY ON THE GREEN 1985』に君臨しています。しかし、このプロショットも完全ではありませんでした。ドラムソロやそれに続く2曲「Another Piece Of Meat」「Dynamite」が未収録で、最終の「Can't Get Enough」もギターソロ「Six Strings Sting」がカット。決定的なクオリティだけに「あとちょっと」の歯がゆさも残るものでした。本作は、そんな歯がゆさを晴らす完全版。サウンドボードで欠けていた2曲+αを極上オーディエンス録音で補完し、当日フルショウを楽しめるライヴアルバムなのです(厳密に言いますと、オーディエンス録音にもライヴ最後の「ジャン!」だけ欠けており、数秒(3秒くらい?)足りていませんが)。そんな待望のフルショウは、どんなものなのか。ここでセットも整理しておきましょう。ラヴドライヴ・Loving You Sunday Morning/Coast To Coast/Holiday/Another Piece Of Meat(AUD録音)/Can't Get Enough(一部AUD補完)アニマル・マグネティズム・Make It Real/The Zoo ブラックアウト・Blackout/Can't Live Without You/Dynamite(AUD録音)/No One Like You 禁断の刺青・Coming Home/Bad Boys Running Wild/Big City Nights/Still Loving You/Rock You Like A Hurricane ……と、このようになっています。ざっくばらんに言って『WORLD WIDE LIVE』と同一ながら巨大フェスに臨むテンションの高さと一気貫通の流れは絶大。そして驚きなのは、その自然な流れを損なわない補填オーディエンス録音の極上ぶり。このショウのプロショットをご覧になった方なら芯も丸出しなド直結感と強烈無比なダイレクト感をご存知だと思いますが、それがオーディエンス録音に切り替わっても変わらない。もちろん、ヘッドフォンで「そろそろ変わるぞ」と待ち構えていても分からない……と言ったら大袈裟ですが、スピーカーで普通に流していたら「あれ? いつの間にか声援が入ってる」という感じ。野外フェスだけに反響ゼロでPA出音をダイレクトに拾っているのでしょうが、「まるでサウンドボード」なド密着録音で本物サウンドボードを繋いでいるわけです。天才ウリ・ジョン・ロートを失い、神マイケル・シェンカーも切ったSCORPIONS。なぜ彼らは独出身というハンデも乗り越えて世界的な超大物になり得たのでしょう。耳障りの良い音になったから? そんなバンドは世界中に腐るほどいましたが、その中で蠍団が突出していたのはライヴに他なりません。世界中の巨大フェスを席巻し、HR/HMのアイコンにまで登り詰めた『LOVE AT FIRST STING』時代。本作は、その中でもハイライトの1つだった「DAY ON THE GREENの夜」をフル体験できるライヴアルバムなのです。もはやSCORPIONSという1バンドではなく「HR/HMの魅力」そのものにまで迫る大傑作。「1985年8月31日DAY ON THE GREEN」公演のステレオ・サウンドボード録音。かつて発掘されたプロショット音声には収録されていなかったドラムソロや「Another Piece Of Meat」「Dynamite」、さらには最終曲「Can't Get Enough」内のギターソロ「Six Strings Sting」を当日オーディエンス録音で補完した完全版。驚きなのは、補填オーディエンス録音の極上ぶり。芯も丸出しなド直結サウンドボードと並べても違和感がほとんどない。野外フェスだけに反響ゼロでPA出音をダイレクトに拾っているのでしょうが、それにしても極太。一大全盛期に巨哀フェスのトリを務めたハイライト公演をフル体験できる歴史的ライヴアルバムの誕生です。Oakland-Alameda County Coliseum, Oakland, CA, USA 31st August 1985
Disc 1 (47:02) 1. Intro ※0:00~1:00AUD録音 2. Coming Home 3. Blackout 4. Bad Boys Running Wild 5. Loving You Sunday Morning 6. Make It Real 7. Big City Nights 8. Coast To Coast 9. Holiday 10. Still Loving You 11. Rock You Like A Hurricane
Disc 2 (48:18) 1. Can't Live Without You 2. Drum Solo ※AUD録音 3. Another Piece Of Meat ※AUD録音 4. Dynamite ※AUD録音 5. The Zoo 6. No One Like You 7. Can't Get Enough (Incl. Six Strings Sting) ※0:00~2:45SBD,2:45~9:41AUD録音,9:42~10:43SBD 9:41でAUD録音がテープ切れ。9:42からはSBDの終演後MCが入る 8. MC Klaus Meine - Vocal Matthias Jabs - Guitar Rudolf Schenker - Guitar Francis Buchholz - Bass Herman Rarebell - Drums STEREO SOUNDBOARD RECORDING