1975年に実現した伝説の初来日と、大名盤『オペラ座の夜』を引っさげて帰ってきた1976年の再来日。そんな当時の薫りがスピーカーから噴き出すラジオ・アルバムが登場です。そんな本作に収められているのは、5種の放送録音。「1975年の3種+1976年の2種」をコンパイルしており、QUEENの曲を流しつつも、メンバー4人の初々しい肉声インタビューをフィーチュアしています。1975年分は『INTERVIEWS IN JAPAN 1975』で大好評となりましたが、本作はさらに1976年分も追加した拡張盤です。それでは、各放送ごとにご紹介していきましょう。【伝説の初来日(1975年)を伝える3番組】収録/放送日不明のラジオ・メッセージ(約15秒)現在、初日公演の『BUDOKAN 1975 1ST NIGHT』や再来日の『BUDOKAN 1976 3RD NIGHT』といった新名盤が話題となっていますが、本作は同じ録音家が秘蔵していた初公開マスター。従来から知られてきた放送も過去最高峰クオリティで楽しめます。しかも、誰も聴いた事がないのはクオリティだけではない。冒頭にはこれまで知られてこなかったラジオ音声も収録しています。これが十数秒ではありますが、フレディの日本語も初々しいお宝なのです。短いですので、内容を書き出しておきましょう。「ジャパンホウソウ(ニッポン放送)ヲオキキノミナサン Oh This is Freddie Mercury, Hi! My Japanese Friends. We, Queen looking for track concerts in Japan. We hope you will enjoy our concerts. Please anticipate」1975年4月26日放送『若いこだま』(約33分)続いて登場するのが本作の目玉。70年代に某放送協会で放送されていたリクエスト番組『若いこだま』。『ヤングジョッキー』と共に『サウンドストリート』の前身となった番組でした。QUEEN初来日の際には、LED ZEPPELINでもお馴染みの某DJがパーソナリティを務め、曲とメンバー4人のインタビューを流していきます。まずメンバー登場の前にDJがQUEEN人気について語るのですが、ここからもう強烈な時代感。某DJも「とにかく凄まじい人気で、人気あると走っていましたが、ここまでとは……」と絶句気味。インタビューのためにホテルに向かった際にも群がる洋楽女子たちに圧倒されて「渋谷さん! これからインタビューするんだったら絶対(メンバーに)会わせて!!とか女の子に迫られて非常にビックリしました」と面食らっている。特に面白いのは、名古屋公演のエピソード(インタビューは4月20日ですが、スタジオでの番組収録は後日だったようです)。「名古屋公演では非常にけたたましい演奏をして、何しろ失神した女の子が30人、それに下着が2枚ほど落ちていたり、とにかくクツは散乱してるわ、とにかく大変な騒ぎだったらしいです」と語る。内容も凄いですが、「下着が2枚」とやけに具体的なのも可笑しい。そして何より、某DJの声色に衝撃の大きさがうかがえるのです。そして、曲を挟んでインタビュー。もちろん通訳を交えるので内容もバッチリ分かります。空港の出迎え騒ぎなど初来日らしい話題も多いのですが、それ以外にも当時だからこそのムードが随所から溢れ出す。例えば、「ヴォーカリストのフレディ・マーキュリーさんに訊きたいんだけれども」と切り出したり、「プラントやボンゾが好きだ」と答えるメンバーにDJがニヤニヤしたり、ブライアンやロジャーには音楽的な事を聞くのにフレディには衣装だけで終わらせたり、そのロジャーがディスコ・ミュージックに辛辣だったり。その後のイメージが根付いている私たちには、ギャップの面白さがじわじわとくるのです。また、ブライアンの「レッド・スペシャル」についてのくだりも新鮮。ブライアンが「2年間くらいかかって丁寧に仕上げた。見た感じでは買ったギターと区別が付かないと思う」と語っているのですが、当時は「買ったギターと同じ」が褒め言葉だった。「自作だけどショボくないよ!」という視点で語られているのです。最後の質問は「次のアルバムのアイディアはもうあるの?」なのですが、その「次のアルバム」こそが『オペラ座の夜』。そう思うだけで歴史の重みに押しつぶされそうなインタビューなのです。1975年4月28日放送『スター千一夜』(約10分)三番目に収録されているのは、伝説的なTV番組『スター千一夜』。音声だけですが、局スタジオに4人を招いてのトークです。故荻島真一さんの声も懐かしいわけですが、「若者に人気の外人さん」扱いも新鮮。冒頭から「今日はですね、日本のヤング……ヤング・ロックファンに一番人気があると言われている……えー、ロック、貴公子、ロックの貴公子とか第2のビートルズと言われていますQUEENの皆さんを今晩はお招きしました」とつっかえつっかえ。質問の内容も好きな食べ物や日本のファンの印象などのド定番が多く、海外バンドを持てあましている感じです。また、ここでも「レッド・スペシャル」のくだりは面白い。「保険が100万?」の質問に「保険はかけられなかったよ」と返されるのですが、ここで荻島氏が思わず「日本の雑誌に書いてあったんだけど……」と漏らす。口調から荻島氏自身はQUEENに興味ないのは明らかですが、事前に勉強してインタビューに臨んでいる真面目さも微笑ましいのです。【オペラ座の夜時代の再来日(1976年)の2番組】1976年4月3日放送『若いこだま』(約11分)翌1976年の再来日でも『若いこだま』に出演しました。ただし、こちらではDJを務めているのは大貫憲○氏。メンバーに「人気の理由は何?」「ライバルはどのバンド?」「ANGELって知ってる?」などの質問もぶつける(回答は聞いてのお楽しみです)のですが、それ以上に面白いのはDJの大○氏かも知れません。どうも番組のパーソナリティを務めるのが初めてらしく、異様に緊張。コメント一言一言がたどたどしく、進行もギクシャクしている。聴いているだけで痛々しいのですが、特にキツいのがQUEENまで巻き込んだギャグ。メンバーに「大貫憲○って知ってる?」と質問し、「あぁ、もちろんさ!」と答えさせる。それを受けて………「まさか知ってるとは本当に思いませんでしたよ。やっぱり向こうでも僕の名前がきっと新聞かなんかに出ているんじゃないかなと。ホントこんなこと自分で言うといやらしいんですけどね。有名なのかなって。まあホントに見ず知らずの人がそういう風に言うんだからしょうがないすね、やっぱりこれはね。えー、へへへ」(嬉し恥ずかし、ちょっと照れながら)当時の大○氏は25歳。もし今聴いたら、若さ故の過ちを認めたくないかも知れませんね。1976年4月10日放送『全米トップ40』(約5分)最後に収録されているのは、米国カウントダウン番組の日本語版でもあった『アメリカントップ40』です。ここでも面白いのはDJ。BAY CITY ROLLERSのファンとして知られる事になるチャッピーさんが務めているのですが、どうやら前週にQUEENのインタビュー・テープを紛失して放送できなかった模様。相当焦ったらしく、「テープなくした後は、毎日のようにホテル・パシフィックに張り込んでおりまして、デンスケ(!)を抱えてQUEENの後を追いかけていたんですよ」と語っている。もっとも、テープは無事に発見。インタビューも肉声で聞けます。質問の内容は例によって他愛のないものですが、ちょっと面白いのがフレディ。自宅に日本庭園を設けていることでも知られますが、この時からすでにアンティーク家具を買い込んでいるエピソードを明かしています。そして、最後は「それではQUEENが終わってBAY CITY ROLLERに移るわけですけれど……」というチャッピーさんの声で録音も終わるのですが、その声が妙に嬉しそう。思えば、1976年と言えばBAY CITY ROLLERSの初来日も実現した年であり、この放送は『青春に捧げるメロディー』リリースの半年前。そんな当時の薫りが隅々から匂い立つ1枚なのです。以上、59分34秒の歴史ドキュメンタリー。『BUDOKAN 1975 1ST NIGHT』『BUDOKAN 1976 3RD NIGHT』といったライヴアルバムがコンサート会場の真空パックだとすれば、本作は洋楽ファンの私室を封じ込めた1枚です。日本洋楽史の事件でもあった初来日の1975年、その余波が残りつつ、すでに大物扱いに変貌していた1976年。そんな時代の薫りがスピーカーから吹き出してくるタイムマシン・アルバム。伝説の初来日(1975年)と再来日(1976年)に放送された日本番組を集成したラジオ・アルバムです。「1975年の3種+1976年の2種」をコンパイルしており、爆発的な日本人気に面食らっているメンバーや番組DJ、フレディの初々しい日本語も激レアなメッセージなどなど、「1975年/1976年の洋楽」の薫りがスピーカーから吹き出すドキュメンタリー・アルバムの傑作です。歴史的名盤「BUDOKAN 1975 1ST NIGHT」「BUDOKAN 1976 3RD NIGHT」のテーパーが、当時、自身で録音し、これまで大切に保管してきたテープ・コレクションからダイレクトにデジタル化(75/76ともに)。A collection of various Queen interview tracks recorded and aired in Spring 1975 & 1976 (59:34)
TOKYO 1975 1. Freddie Mercury's Radio Message to Japanese fan sWAKAI KODAMA (Young Echoes) Radio Special feat. exclusive Interviews in Japan Recorded on 20th April 1975 (東京公演の翌日収録と言ってる)Aired on 26th April 1975 NHKラジオ第1放送(AMです)『若いこだま』DJは渋○陽一さん 4/26 土曜放送 2. Introduction 3. Keep Yourself Alive 4. DJ #1 5. Interview #1 6. Modern Times Rock 'n' Roll 7. Son & Daughter 8. Interview #2 9. Stone Cold Crazy 10. DJ #2 11. Interview #3 12. Killer Queen 13. Interview #4 14. Misfire
STAR SEN-ICHIYA (Star in One Thousand and One Nights) TV Programme feat. exclusive Interviews in Japan Recorded on 20th April 1975 (東京公演の翌日収録と言ってる) Aired on 28th April 1975 司会は故荻島真一さん 通訳はお見事。4/28 月曜放送 15. Introduction 16. Son & Daughter
17. Interview TOKYO 1976WAKAI KODAMA (Young Echoes) Radio Special feat. exclusive Interviews in Japan NHKラジオ第1放送(AMです)『若いこだま』DJは大○憲章さん 4/3 土曜放送 18. Interview 19. DJ Talks 20. Interview 21. '39 / Sweet Lady 22. DJ Talks「クイーンは非常に良い人たちでした。だいぶスターっていう貫禄も付いたし。そのくせ厭味ったらしいところがなくて。女の子たちが一生懸命、熱上げるのも、それに相応しい人たちだと僕は改めて思ったんです・・・」 AMERICAN TOP 40 ★とても面白い内容です。 ラジオ関東(現ラジオ日本)、『全米トップ40』 DJは 山○さゆり(チャッピー)さん
Radio Special feat. exclusive Interviews recorded on 30th March 1976 Aired on 10th April 1976 (先週の放送ではインタビューテープを紛失したため放送できず、後に発見されたので、週遅れでインタビュー特集を放送) 23. Introduction (Brighton Rock) 24. Interview 25. DJ Talks (Killer Queen)