DEEP PURPLEは「MACHINE HEAD」のレコーディングを終えた後、1972年1月中盤から後半にかけて、約2週間の北米ツアーを行います。これは前年10月、ギランの体調不良によりたった3公演でキャンセルされた「FIREBALL」ツアーの埋め合わせで、1月13日のフロリダ公演から1月31日のアイダホ公演まで、全16公演が行われました。このうち1月28日に行われたカリフォルニア州サン・バーナディーノ"スウィング・オーディトリアム"公演を収録した本作「KING OF SCREAM」は、40年近く昔のオーディエンス録音ソースながら、その絶品のサウンドがマニアの間で「サウンドボード録音にも匹敵する超高音質」と話題になり、前回のリリース直後にたちまち完売・廃盤となっていました。その後同音源のリール・マスター・バージョンである「SAN BERNARDINO 1972 Master Reel Version」もリリースされましたが、皆さんの声を受け、今回特別に入荷が実現しました!サウンドチェックを兼ねたオープニング・イントロの2分間から、本作は素晴らしいサウンドを楽しめます("Master Reel Version"で気になったヒスノイズも、この盤では軽減されています)。'72年としては珍しい「Speed King」でのオープニング(この頃バンドはヨーロッパですでに「Highway Star」を演奏。「Speed King」のオープニングはこの時期が最後で、これも本作のポイントです)から、バンドの演奏は壮絶の一言! 鮮度抜群のサウンドがとにかく圧倒的な上に、さらに当時としては異例なほどに優れた安定感と、ライン録音級の分離感は驚異的と言うほかありません! リッチーのギターとジョンのキーボードはもちろん、ロジャーのベースが本当に一音単位で聴き分けられる音には、いかなるPURPLEマニアも息を飲む事でしょう(よほど志向性の高い高感度マイクで録音されたと思われます)。若きギランの超人的スクリーム、ペイスが繰り出す嵐のようなドラミングも、ライヴ序盤からいきなり絶好調です。続く「Strange Kind Of Woman」では、ややオフ気味だったヴォーカルもしっかり聴こえるようになり、ほとんど完璧と言えるサウンド・バランスを実現。いわゆる"発掘物のオフィシャル盤"レベルのサウンドになっています。リッチーのソロはもちろん、後半で飛び出すヴォーカルとギターの掛け合いも、まるでライン音源のようなリアルさで楽しめます(なお、この「Strange Kind Of Woman」は2:52でマスターに起因するカットが入ります)。リッチーのギターソロにジョンのオルガン・ソロが正面から取っ組み合う「Child In Time」は圧巻のクオリティ。前半のクリアなヴォーカル・パートに始まり、20分を越えるスリリングな演奏は、聴き手をライヴへと引っ張り込んでしまうでしょう。ギター→オルガン→ギターとソロを繋げつつ、一寸先にどんなプレイが繰り出されるかまったく予断を許さないインタープレイは、何度聴いても飽きる事が無いとすら思えます。ドラムソロをフィーチャーした「The Mule」も、この素晴らしい録音のおかげで、40年前とは思えないベストなオーディエンス・サウンドを満喫できます。ライヴのクライマックス「Space Truckin'」も、バンドが渾然一体となって爆発するスリリングな演奏がリアルに蘇ります。ファンは感動すると同時に、第二期のエネルギッシュなプレイを前にして、思わず呆然となってしまうでしょう!残念ながら同曲はギターソロの途中でテープ切れし、録音は終了します(それでも20分以上収録しています)が、77分35秒のライヴ全編を貫くクオリティの高さは目を見張るほど(それでもライヴは正味5曲というのだから驚き)! 抜群の音質に加え、いよいよ成熟期に達した第二期の壮絶な演奏、さらにDEEP PURPLEライヴの代名詞である「LIVE IN JAPAN」に通じる過渡期的な演奏曲目など、本作は全てのDEEP PURPLEファンが聴かねばならない必携の一本だと断言します!Live at Swing Auditorium, San Bernardino, CA. USA 28th January 1972 TRULY PERFECT SOUND
1. Intro. 2. Speed King 3. Strange Kind Of Woman 4. Child In Time 5. The Mule incl. Drums Solo 6. Space Truckin' Ian Gillan - Vocals Ritchie Blackmore - Guitar Roger Glover - Bass Jon Lord - Keyboards Ian Paice - Drum