「脅威の天才ギタリストとNo.1ベーシストが遂に初競演!」と喧伝され、洋楽ファンの耳目を一気に集めた1978年の来日公演。BB&Aでの初来日から5年ぶりに還ってきた日本武道館の夜を真空パックしたオリジナル録音が世界初公開です。そんな本作に吹き込まれているのは「1978年11月30日:日本武道館」公演。その新発掘オーディエンス録音です。常に日本人気の高いジェフ・ベックですが、スタンリー・クラークを他動させた1978年は格別。その模様は、当店でも数々の名作でアーカイヴしてきました。久々の新発掘でもありますので、まずは日程でコレクションを整理しながらショウのポジションを確かめてみましょう。・11月20日:茨城県民文化センター・11月22日:石川厚生年金会館・11月23日:倉敷市民会館・11月24日:大阪府立体育館・11月26日『DEFINITIVE NAGOYA 1978』・11月28日『CAT MOVES(福岡)』・11月29日『OSAKA 1978 2ND NIGHT』・11月30日:日本武道館 ←★本作★・12月1日『BUDOKAN 1978 2ND NIGHT』・12月2日『BUDOKAN 1978 FINAL NIGHT』※各日とも代表作のみ。以上、全10公演。1975年の前回来日では体調不良でわずか3公演に終わってしまったわけですが、そのリベンジとばかりに長大なツアーを計画。そのハイライトは東京の3連続公演であり、本作が記録されたのはその初日。BB&Aの初日公演から5年6ヶ月と16日ぶりに日本武道館のステージに立った記念碑的な夜でした。そんなショウを真空パックした本作は、密着感も素晴らしいダイレクト録音。再生するとやや騒がしい場内に聞き覚えを感じるかも知れませんが、実はここは別録音による補完パート。1曲目の「Darkness/Earth In Search Of A Sun」が始まってからが新マスターなのですが、ここで一気に力強くなる。独自ルートでもたらされたオリジナル・マスターなのですが、どうやらPA卓付近で録音されたらしく、ぶっとい芯が距離感もなく耳元に飛び込んでくる。リアルな手拍子や帰国子女と思しき女性の声援が聞こえるのでオーディエンス感もしっかりとありますが、こと演奏音に集中するとサウンドボードと間違えそうなダイレクト感なのです。そして同時に鮮やかでもある。あまりにも力強いために重低音がややビビリ気味になるきらいもあるものの、無音部の闇は深く、空気感はクリスタル・クリア。そのド真ん中で踊るギターもベースも輪郭がクッキリと切り立ち、複雑に重なり合っても決して混じり合わない。1楽器のフレーズが1本の糸のようにピンと張っており、それが幾重にも組み上げられたアンサンブルはまるで綾取りのよう。そんなクッキリ感と立体感の両立した名録音なのです。その鮮やかサウンドで描かれるのは、1公演1公演を重ねる毎に練度を上げていった1978年のフルショウ。スタンリーとの競演はアンサンブルだけでなくセット面でも色濃い。良い機会でもありますので、ここで整理しておきましょう。ジェフ・ベック側・ブロウ・バイ・ブロウ:Freeway Jam/Diamond Dust/Scatterbrain/'Cause We've Ended As Lovers・その他:Darkness/Earth In Search Of A Sun/Star Cycle/Cat Moves/Goodbye Pork Pie Hat/Blue Wind/Superstition スタンリー・クラーク側・School Days/Journey To Love/Lopsy Lu/Rock 'N' Roll Jelly ……と、このようになっています。スタンリーの4曲は当然競演ツアー限定ですが、開演を告げる「Darkness/Earth In Search Of A Sun」も70年代限定。さらに言えば、コージー・パウエルの『TILT』に収録される事になる「Cat Moves」は、日本限定のレア曲でした。そして、そんなセットを綴る演奏こそが素晴らしい。折に触れて繰り返してきましたが、1978年は来日直前にメンバーが入れ替わっており、ジャパン・ツアー中に練度を増していった。本作は8公演目という事もあってだいぶこなれてきており、ハイライトである日本武道館に臨むテンションも相まって充実度がグンと上がっている。丁寧に弾き込むような「Darkness」「Star Cycle」も素晴らしく、緩急の効いた「Goodbye Pork Pie Hat」、繊細な「Diamond Dust」など聴き応え満点。「Superstition」ではエンディングが怪しくなるなど完璧とまでは行きませんが、ツアー全体を通しても指折りの快演なのです。また、そんなショウを目の当たりにした会場ムードも実にイイ。先述したように、間近席に女性客がいるのですが、彼女の言葉が実にリアル。演奏をしっかり味わっているので演奏中に騒ぐわけではないのですが、曲間でときおり話す言葉がとても楽しそうなのです。1つ例に挙げるなら「Rock 'n' Roll Jelly」でしょうか。この日はスタンリーが日本語をぼえて「イチ・ニ・サン・シー」とカウントしだしたことでも知られているのですが、女性客も笑いながら一緒にカウント。勢い余って「5」まで数えてしまうのも微笑ましいのです。不本意に終わった1975年のリベンジを見事に果たしたジェフ・ベック。スタンリーを迎えた歴史的ツアーを本生100%のリアル・サウンドでフル体験できるライヴアルバムです。人知れず45年近くも眠っていた日本洋楽史の秘宝。「1978年11月30日:日本武道館」公演の新発掘オーディエンス録音。PA卓付近で録音されたらしく、ぶっとい芯が距離感もなく耳元に飛び込んでくる。無音部の闇は深く、空気感はクリスタル・クリア。そのド真ん中で踊るギターもベースも輪郭がクッキリと切り立ち、スタンリー・クラークとのアンサンブルも複雑に重なり合っても決して混じり合わない。来日8公演目にしてこなれてきた演奏をフル体験できる新名盤の誕生です。Live at Budokan, Tokyo, Japan 30th November 1978 TRULY PERFECT SOUND(from Original Masters)
Disc 1 (46:32) 1. Intro. 2. Darkness/Earth In Search Of A Sun 3. Star Cycle 4. Freeway Jam 5. Cat Moves 6. Goodbye Pork Pie Hat 7. Stanley Clarke Solo/School Days 8. Journey To Love 9. Lopsy Lu
Disc 2 (38:53) 1. Diamond Dust 2. Scatterbrain 3. Drum Solo/Scatterbrain(reprise) 4. Rock 'n' Roll Jelly 5. 'Cause We've Ended As Lovers 6. Blue Wind 7. Superstition Jeff Beck - Guitar Stanley Clarke - Bass Tony Hymas - Keyboards Simon Phillips - Drums