名作『第七の予言』を全英No.1に送り込み、80年代の絶頂を極めていた1988年のIRON MAIDEN。その現場を極上体験できる新名盤の誕生です。そんな本作に吹き込まれているのは「1988年10月5日ドランメン公演(ノルウェー)」。その極太オーディエンス録音です。『第七の予言』時代と言えば、『MAIDEN ENGLAND』や『BBC ARCHIVES』で公式化されたモンスターズ・オブ・ロックが象徴でありつつ、それらがあまりにも有名なせいかオーディエンス録音はあまり流通してきませんでした。本作は、そんな「意外な穴場」を現場体験するのに最適な新発掘ライヴアルバムです。その気になる中身の前に、まずはショウのポジション。“SEVENTH TOUR OF A SEVENTH TOUR”の全体像から振り返ってみましょう。《4月11日『SEVENTH SON OF A SEVENTH SON』発売》・4月28日+29日:西ドイツ(2公演)・5月8日ー8月10日:北米(60公演)・8月17日+20日:英国#1(2公演)←※MONSTERS OF ROCK・8月27日ー10月5日:欧州(20公演) ←★ココ★・11月18日ー12月12日:英国#2(16公演)←※MAIDEN ENGLAND これが1988年のIRON MAIDEN。ざっくり「北米」と「英国+欧州」に分かれており、公式作品は2つの「英国」日程から制作されました。本作のドランメン公演はその合間に行われた大陸ヨーロッパ編。「欧州」レッグの最終日にあたるコンサートでした。大陸ヨーロッパ編と言えば、名盤『SEVENTH SON OF STOCKHOLM』が定番として君臨しておりますが、本作はその3公演後でもあります。そんなショウで記録された本作は、ごく最近になって発掘された新マスター。2ndジェネ・マスターではあるものの。芯の極太感も細やかなディテールも『SEVENTH SON OF STOCKHOLM』に匹敵する素晴らしさ! 音色的にサウンドボードと間違える事はありませんが、それが距離感になっていないから凄い。スティーヴ・ハリスのベースは1音1音がバッキバキですし、ニコの歌心ドラミングもキリッ際立っていてリズムが見事な構築感を湛えている。その幾何学的なリズムの構造物の中をツイン・ハーモニーが駆け巡り、重なり合いこそすれ混じり合わないセパレート感が絶大。ヘヴィメタルの象徴でありながらいかなるメタル・バンドとも異なっていた「80年代メイデンのうま味」がものの見事に味わえる。そんなくっきりサウンドで描かれるのは、象徴作『MAIDEN ENGLAND』とも異なる“SEVENTH TOUR OF A SEVENTH TOUR”のフルショウ。さすがにセットは直近の『SEVENTH SON OF STOCKHOLM』と同一ではありますが、良い機会でもありますのでここで整理しておきましょう。ディアノ時代(4曲)・Wrathchild(*)/Iron Maiden/Running Free/Sanctuary 魔力の刻印(4曲)・The Prisoner/The Number Of The Beast/Hallowed Be Thy Name/Run To The Hills 第七の予言(6曲)・Moonchild/The Evil That Men Do/Infinite Dreams(★)/Can I Play With Madness/The Clairvoyant/Seventh Son Of A Seventh Son その他
・頭脳改革:The Trooper(*)・サムホエア・イン・タイム:Heaven Can Wait/Wasted Years ※注:「*」印は公式『MAIDEN ENGLAND』で聴けなかった曲。「★」印は1988年の限定曲。……と、このようになっています。『MAIDEN ENGLAND』では『死霊復活』との兼ね合いを考えてか、微妙にレアな復活曲を盛り込んでいましたが、“SEVENTH TOUR OF A SEVENTH TOUR”の標準形はむしろ本作の方。現代視点からすると『パワースレイヴ』から一切なかったり、『第七の予言』から「The Prophecy」「Only the Good Die Young」以外の全曲を大盤振る舞いするバランス感覚がフレッシュに感じられる。特に美味しいのは「Infinite Dreams」。当時は「審判の日パート2」とも囁かれ、ライヴシングルまでカットされた名曲ですが、実はその後にライヴ演奏されたことが一切ない。「1988年限定の象徴曲」を極上サウンドで現場体験できるのです。80年代をかけて追及した「ドラマティック路線」の終着作だった『第七の予言』。「やるべき価値のあることは、やり過ぎる価値がある」とはデヴィッド・カヴァデールの言ですが、その言葉通りに「やり切った時代」でもありました。本作に真空パックされているのは、そんな極めつけツアーの現場なのです。残念ながら日本では体験できなかった“SEVENTH TOUR OF A SEVENTH TOUR”を本生100%リアルに味わえるライヴアルバム。「1988年10月5日ドランメン公演(ノルウェー)」の強力オーディエンス録音。最近になって発掘された2ndジェネ・マスターで、芯の極太感も細やかなディテールも『SEVENTH SON OF STOCKHOLM』にも匹敵する素晴らしさ! 音色にオーディエンスらしさは刻まれているものの、それがまったく距離感になっていないダイレクト・サウンドです。その後のツアーでは一切演奏されていない名曲「Infinite Dreams」も現場体験できる新名盤です。Drammenshallen, Drammen, Norway 5th October 1988 TRULY PERFECT SOUND
Disc 1(53:18) 01. Moonchild 02. The Evil That Men Do 03. The Prisoner 04. Wrathchild 05. Infinite Dreams 06. The Trooper 07. Can I Play With Madness 08. Heaven Can Wait 09. Wasted Years 10. The Clairvoyant
Disc 2(47:37) 1. MC / Audience 2. Seventh Son of a Seventh Son 3. The Number of the Beast 4. Hallowed Be Thy Name 5. Iron Maiden 6. Band Introductions 7. Run to the Hills 8. Running Free 9. Sanctuary
Bruce Dickinson - Vocals Steve Harris - Bass Dave Murray - Guitar Adrian Smith - Guitar Nicko McBrain - Drums