「80年代オーディエンスの最高傑作」とも囁かれているクラプトンの超名盤『BOLOGNA 1985』。もうご体験いただけましたでしょうか。あの衝撃を受け継ぐ「超名盤のU2篇」ともなる姉妹作が登場です。そんな本作に吹き込まれているのは「1985年2月5日ボローニャ公演」。その超絶級オーディエンス録音です。1985年と言えば、BAND AID参加やライヴエイド出演もあってブレイクスルーの足がかりを掴んだ『THE UNFORGETTABLE FIRE』時代。まずは、そんな当時のスケジュールを振り返り、ショウのポジションを確かめておきましょう。1984年・8月29日ー9月24日:オセアニア(19公演)《10月1日『THE UNFORGETTABLE FIRE』発売》・10月18日ー11月21日:欧州#1(21公演)《11月24日+25日:BAND AIDセッション》・12月1日ー16日:北米#1(10公演)1985年・1月23日ー2月10日:欧州#2(13公演)←★ココ★・2月25日ー5月4日:北米#2(40公演)・5月25日ー7月7日:欧州#3(8公演)←※DUBLIN 1985・7月13日:Live Aid出演・8月25日:Lark By The Lee Festival出演 これが1984年/1985年のU2。ライヴエイドはワールド・ツアーの終了間際の特別公演でもあったわけですが、本作はその約半年前。「欧州#2」の10公演目にあたるコンサートでした。そんなショウで記録された本作は「超」の付く極上オーディエンス。クラプトン編と同じ録音家コレクションというだけでなく、実は会場も同一。サウンドも酷似しており、空気感は猛烈にクリアですし、演奏音は芯も極太で素晴らしくオン。音色的にサウンドボードと間違える事はありませんが、ダイレクト感もディテールも間違えてあげたくなる。クラプトン編の解説では「下手なサウンドボードなどふっ飛ばすレベル」「イタリアにもマーク・ミラード並みのテーパーがいた」と絶賛されていましたが、そっくりそのまま本作にも当てはまるのです。とは言いつつ、クラプトン編とまったく違う個性もある。それは観客の熱狂。1985年と言えばクラプトンは既に大御所だったわけですが、U2は新進気鋭の若手であり、1985年が初イタリアでもあった。その演奏は野心に熱く燃え上がり、観客も苛烈な熱狂で迎えている。こう書くと「周囲がうるさい耳障り録音」と思われるかも知れませんが、そうではありません。方々から悲鳴や口笛が飛び交いはするものの、それは極太な演奏音に蹂躙されるバランスであり、会場中が歌い出す大合唱もボノの歌声にしっかりと付き従う。キッチリとした主従関係がまったくブレず、現場の熱さだけが超リアルに伝わってくるのです。そんな灼熱&クリアな極上サウンドで描かれるのは、瑞々しいひたむきさが胸を締め付ける若武者たちのフルショウ。“THE UNFORGETTABLE FIRE Tour”というと、当店では名門キニーの傑作『DUBLIN 1985(Wardour-258)』が定番なのですが、本作はレッグが異なるせいかセットも似て非なるもの。ここで比較しながら整理してみましょう。?(6曲)・MLK/The Unforgettable Fire/Wire/A Sort Of Homecoming/Bad/Pride (In The Name Of Love) その他(11曲+α)・ボーイ:I Will Follow/The Cry/The Electric Co.・アイリッシュ・オクトーバー:October/Gloria・WAR(闘):Seconds/Sunday Bloody Sunday/New Year's Day/40・シングル:11 O'Clock Tick Tock/Trash, Trampoline And The Party Girl(★)・カバー:Knockin' On Heaven's Door(★)※注:「★」印はキニー録音の名作『DUBLIN 1985(Wardour-258)』で聴けなかった曲。……と、このようになっています。「The Electric Co.」や「Bad 」に盛り込まれる名曲フレーズのセレクトも違うわけですが、それ以上なのが「Trash, Trampoline And The Party Girl」やボブ・ディランのカバー「Knockin' On Heaven's Door」。どちらもメドレーや断片フレーズではなく、1曲ずつしっかりと演奏されています。特に驚きなのは「Trash, Trampoline And The Party Girl」での大合唱。もちろん全世界的にはそれほどレアでもないわけですが、本作の現場は初のイタリア・ツアーであり、当時は他国ライヴの状況など知る由もない。それにも関わらず、会場中がシングルB面曲を歌いきっている。もちろん、他の代表曲群は言わずもがな。いかに当時のU2が求められていたのか、それを肌感覚で味わえるドキュメント・アルバムでもあるのです。「イタリアのミラード」とさえ言われている、知られざるボローニャの達人テーパー。その大元マスターから起こされたライヴアルバムです。衝撃のクラプトン篇にも酷似するサウンド・クオリティでありつつ、熱く熱く燃え上がるショウはそれ以上ですらある。こんな秘奥にふっと出くわしてしまうからオーディエンス録音は止められない。コレクター冥利に尽きる新名盤。「1985年2月5日ボローニャ公演」の超絶級オーディエンス録音。エリック・クラプトンの超名盤『BOLOGNA 1985』と同会場・同一録音家コレクションで、サウンドも酷似。空気感は猛烈にクリアですし、演奏音は芯も極太で素晴らしくオン。「下手なサウンドボードなどふっ飛ばすレベル」「イタリアにもマーク・ミラード並みのテーパーがいた」と絶賛されたクラプトン篇に匹敵します。しかも、若々しいライヴの熱さはクラプトン篇以上。ブレイク寸前の現場を超極上体験できる文化遺産アルバムです。Teatro Tenda, Bologna, Italy 5th February 1985 TRULY PERFECT SOUND
Disc 1(45:48) 1. 11 O'Clock Tick Tock 2. I Will Follow 3. Seconds 4. MLK 5. The Unforgettable Fire 6. Wire 7. Sunday Bloody Sunday 8. The Cry / The Electric Co. 9. A Sort Of Homecoming 10. Knockin' On Heaven's Door
Disc 2(47:47) 1. Bad 2. October 3. New Year's Day 4. Pride (In The Name Of Love) 5. Trash, Trampoline And The Party Girl 6. Gloria 7. 40