本家GENESISが永遠の眠りに就く中、ソロの『SECONDS OUT』再現来日も発表になった2022年のスティーヴ・ハケット。その予習にもピッタリな最新ライヴアルバムが登場です。そんな本作に吹き込まれているのは「2022年4月4日リッジフィールド公演」。その超極上オーディエンス録音です。昨年、新型コロナ禍を乗り越えてツアー活動を再開したハケットですが、今年は「バンド内でCOVID感染が出た」という理由で一時中断。御年72歳だけあってヒヤッとしたものの、どうやら無事ツアーも再開となったようです。そんな近況を確認する意味でも、まずは再調整されたツアー概要からおさらいしてみましょう。2022年“SECONDS OUT + MORE!”・3月6日ー17日:欧州#1(9公演)・4月2日ー5月19日:北米#1(32公演)←★ココ★・6月17日ー26日:オセアニア(6公演)・7月8日ー10日:日本(3公演)・7月20日ー8月1日:欧州#2(9公演)*8月12日:Cropredy Festival出演*8月17日ー30日:STEVE & DJABE(4公演)“FOXTROT at FIFTY + HACKETT HIGHLIGHTS”・9月9日ー10月12日:英国(25公演)“SECONDS OUT + MORE!”・11月29日ー12月4日:北米#2(4公演)2023年*1月21日+22日:英国(アコ2公演)*4月14日ー16日:ドイツ(オケ共演)※注:「・」印は通常GENESIS REVISITED公演で、「*」はそれ以外の公演。これが現在までに公表されている2022年/2023年のスケジュール。当初は3月半ばから全米ツアーが始まる予定でしたが、前述の理由で冒頭の数公演が年末の「北米#2」へと延期になりました。ともあれ時期こそズレたものの、4月に入ってから全米ツアーは無事にスタート。本作のリッジフィールド公演は、その序盤となる「北米#1」3公演目のコンサートでした。んなショウを真空パックした本作は、まさに極上。オーディエンス録音ほど技術の進歩をビビッドに感じられるものはなく、毎年更新され続ける最先端サウンドはタメ息が漏れるもの。しかし、そんな中でもハケット録音は常に最先端を行っている。そもそもオーディエンス録音という文化自体がプログレと同世代のものですし、音質へのこだわりはロック界でも随一。しかも、ハケットは本家GENESISやロジャー・ウォーターズとは違って大会場ではなく、観客もじっくりと聴き込むタイプ。高音質の条件が自然と揃い、オーディエンス最先端の美音になりやすいのです。実際、本作は2022年の最先端サウンド。もはや世界標準ともなっている名機「Schoeps MK41s」を使用し、前から3列目というポジションも絶妙。楽器1つひとつが綺麗にセパレートしながら距離感ゼロで迫り、無意識下に拾われているホール鳴りが得も言われぬ艶と厚み、そしてダナミズムを醸し出している。いわゆる「まるでサウンドボード」でありつつ、客録だけの「シンフォニックな降り注ぎ感」も併せ持っている。超微細なヴァイヴまで美しいベースサウンドのリッチな事と言ったら……。もう、文句の付けようがない絶世の美録音なのです。そんな最先端の超極上サウンドで描かれるのは、来る日本公演が待ちきれなくなる素晴らしきフルショウ。『SECONDS OUT』再現ツアーは昨年から始まっているわけですが、来日前ですのでここで今一度整理し直してみましょう。第一部:ソロ・侍祭の旅:Shadow Of The Hierophant・虹色の朝:Clocks - The Angel of Mons/Every Day・SURRENDER OF SILENCE:Held In The Shadows/The Devil's Cathedral 第二部:『SECONDS OUT』再現・怪奇骨董音楽箱:The Musical Box・フォックストロット:Supper's Ready・月影の騎士:Firth Of Fifth/I Know What I Like (In Your Wardrobe)/The Cinema Show/Aisle Of Plenty・眩惑のブロードウェイ:The Carpet Crawlers/The Lamb Lies Down On Broadway・トリック・オブ・ザ・テイル:Squonk/Robbery, Assault & Battery/Dance on a Volcano/Los Endos・静寂の嵐:Afterglow ……と、このようになっています。もはや毎度おなじみの「第一部=ソロ/第二部=GENESIS」の二部構成で、第一部は最新作『SURRENDER OF SILENCE』の新曲もフィーチュアしています。そして、第二部こそがお楽しみの『SECONDS OUT』再現。かの伝統ライヴアルバムは複数ツアーから組まれた編集作であって当時のステージを正確に表現したものではありませんでした。ここで再現されているのも当時のライヴではなく、あくまでも音楽作品『SECONDS OUT』。「ライヴ通りではなかったライヴアルバムをライヴ演奏する」という不思議、かつ最高な体験ができるのです。とにもかくにも「超」の付く極上サウンド。2022年に人類がたどり着いた空間録音の粋で最新ハケットの『SECONDS OUT』再現が楽しめる1本です。常にチェックを怠らないコア・コレクター諸兄は餅論のこと、オーディエンス録音の最先端を体験したい方にも、3ヶ月後に迫った来日の予習したい方にも最適。いかように聴いても素晴らしい新名盤。「2022年4月4日リッジフィールド公演」の超極上オーディエンス録音。3列目というポジションから名機「Schoeps MK41s」を使用したサウンド猛烈にオンで、楽器1つひとつが綺麗にセパレートしながら距離感ゼロで迫る。いわゆる「まるでサウンドボード」でありつつ、客録だけの「シンフォニックな降り注ぎ感」も併せ持つ名録音です。GENESISの名ライヴ盤『SECONDS OUT』を再現する最新ステージを極上フル体験できます。
Ridgefield Playhouse, Ridgefield, CT, USA 4th April 2022 TRULY PERFECT SOUND
Disc 1(69:05) Set I 1. Clocks - The Angel of Mons 2. Held in the Shadows 3. Every Day 4. The Devil's Cathedral 5. Shadow of the Hierophant Set II 6. Squonk 7. The Carpet Crawlers 8. Robbery, Assault & Battery 9. Afterglow 10. Firth of Fifth
Disc 2(76:38) 1. I Know What I Like (In Your Wardrobe) 2. The Lamb Lies Down on Broadway 3. The Musical Box 4. Supper's Ready 5. The Cinema Show 6. Aisle of Plenty 7. Member Introduction 8. Dance on a Volcano 9. Drum Solo 10. Los Endos / Slogans / Los Endos
Steve Hackett - guitar, vocals Jonas Reingold - bass, 12-string guitar, vocals Roger King - keyboards Rob Townsend - windwinds, percussion, keyboards, vocals Criag Blundell - drums, vocals Nad Sylvan - vocals, percussion