ザ・ドアーズ1969年の極上ライブ音源のリリースを記念し69年の歴史的な一夜を収めた貴重ライブ音源を用意いたしました。前年に全米での人気が爆発したドアーズはその証明とばかりに69年を迎えると早々にマディソン・スクエア・ガーデンでの公演が実現します。前年の秋にクリームがロック・アーティスト単体でのMSG公演を初めて実現させましたが、自国アメリカのアーティストが単体でMSG公演を行ったのが人気絶頂にあったドアーズだったのです。その一か月前にはLAフォーラムでの凱旋公演を大成功させていた彼らですが、遂にマディソン・スクエア・ガーデンへ進出ということからサウンドの増強を目指して初めてサポート・メンバーを導入。ベースに名セッション・プレイヤーであるハーベイ・ブルックスが、さらにホーン・セクションも加わることで当時製作が進行中だったアルバム「THE SOFT PARADE」のモードをステージで再現しようとしたのでした。この日はオープニングこそ最新ヒットの「Touch Me」で幕を開けたものの、何と次に披露されたのがリリース前の「The Soft Parade」という攻めまくりの構成。現存するオーディエンス録音は残念ながら本曲の途中からの録音となっており、オープニング「Touch Me」は収録されていません。しかしながら、それまでのドアーズとは違った厚みのあるライブ・サウンドはサポート・ミュージシャンの存在感が功を奏しており、LAフォーラムではメンバーだけで演奏されていた「Tell All The People」も後にリリースされるバージョンを彷彿とさせるゴージャスな雰囲気をステージから放っています。このようにライブ前半が新曲ずくめというだけでなく、MSGに集まったファンにとっては聖歌に等しい「Light My Fire」をライブの中盤でさらっと披露してみせるなど、当時の彼らの自信と人気が見事に反映されたステージとなっているのです。あの忌まわしきマイアミ騒動がなければ、ドアーズのライブはこのスタイルを継承してアリーナをツアーして回ったのかもしれません。この日はモノラルの音源が一種類存在するのみで、その音質は典型的なビンテージ・オーディエンス。おまけに大会場ライブという事から音像にも距離感があるのですが、それでも演奏やモリソンの声のバランスは意外なほど良好で、MSGにおけるロックコンサート創世記の記録でありながら、当日の会場での音響が意外なほど優れていたことを偲ばせます。さらにドアーズが一度だけ実現させたMSG公演を捉えた唯一の音源であることから、あの悪名高きオフィシャル「BOOT YER BUTT!」ボックスにも当日の演奏曲から半分ほど採用されたほど。ところがモリソンのヒトラーに関する朗読から続いた「When The Music Is Over」をカット、よりによって詩のパートだけを収録するといった首をかしげるような編集だったという。そして「BOOT YER BUTT!」に収録されてしまったことで、現在ネット上ではそれとダブるテイクを削除した不完全版も流通してしまっていますが、もちろん今回は音源のすべてを収録。Madison Square Garden, New York, NY, USA 24th January 1969 TRULY AMAZING SOUND (68:37)
1. The Soft Parade 2. Tell All The People 3. Love Me Two Times 4. Who Scared You 5. Spanish Caravan 6. Wild Child 7. Light My Fire 8. MC 9. Back Door Man 10. Five To One 11. MC 12. Adolf Hitler Poem 13. When The Music's Over
Jim Morrison - vocals Ray Manzarek - keyboards Robby Krieger - guitar John Densmore - drums Harvey Brooks - Bass George Bohanon - Trombone Curtis Amy - Saxophone