本作に吹き込まれているのは「1983年3月24日グラスゴウ公演」。その極上オーディエンス録音……です、たぶん。いきなり弱腰になって恐縮ですが、それほどまでに本作は音が良い。実のところ、同じ研究家から提供されたマスターでして、間違いなくオーディエンス録音と太鼓判も押されているのですが、それでもなお耳を疑う。実際、この録音はかつて完全版サウンドボードとしても流通した事があるのです(もっとも、その当時のマスターは過剰にイコライズされて耳に痛いほど音圧が強調されていたのですが、本作はさらにナチュラル。さすが研究家のお墨付きマスターです)。正真正銘のオフィシャル級サウンドボードである別CDが存在するので「やっぱり客録か」となりますが、もし本作単体であったらFM放送と信じたいに違いない極上録音なのです。そして、そのダイレクト・サウンドで描かれるのが別CDを凌駕するフルショウ。どれほど増量なのか、さっそくセットを比較しながら整理してみましょう。
アイリッシュ・オクトーバー(5曲)・Gloria/I Threw A Brick Through A Window/I Fall Down/October/Tomorrow WAR(闘)(6曲)・Seconds(★)/Surrender/New Year's Day/Sunday Bloody Sunday/Two Hearts Beat As One/"40"(★)その他(7曲+α)・ボーイ:A Day Without Me/The Cry-The Electric Co./Twilight(★)/Out of Control/I Will Follow(★)・シングル:Party Girl/11 O'clock Tick Tock(★)※注:「★」印は別CDでは聴けない曲。……と、このようになっています。実に5曲分が増えている。しかも、それらの曲はショウの各所に散っている。つまり、別CDの元となったFM放送はショウの一部分というより、曲単位で選りすぐったベスト的な放送だったわけです。そして、その放送で重視されたのは『OCTOBER』であり、逆に新作『WAR』や『BOY』からはカットは多め。せっかくの新作プロモーションで新曲を削るのもよく分かりませんし、必殺の「I Will Follow」もカットされている。珍しい曲が多いのは有り難いですが、放送当時の状況を考えると意図が読めない放送だった事も透けてくるのです。そんな放送の裏読み以上なのが、フルショウの醍醐味。ブレイクスルーを果たしたとは言え、まだまだ後の大物感は身につけておらず、その生演奏は若武者ライヴバンドそのもの。そんな“WAR Tour”をサウンドボードに匹敵する極上サウンドでフル体験できる。貴重なサウンドボードの最高峰クオリティ更新盤である別CDと、ライン録音ばりのフル・ライヴアルバムである本作。Tiffany's, Glasgow, Scotland 24th March 1983 TRULY PERFECT SOUND (79:59)
01. Gloria 02. I Threw A Brick Through A Window 03. A Day Without Me 04. Seconds★ 05. Surrender 06. New Year's Day 07. Sunday Bloody Sunday 08. The Cry - The Electric Co. 09. I Fall Down 10. October 11. Tomorrow 12. Two Hearts Beat As One 13. Twilight★ 14. Out Of Control
15. Party Girl 16. 11 O'clock Tick Tock★ 17. I Will Follow★ 18. "40"★