初のソロ・ツアーを前にしてジェフ・ベックとのコラボレーションを深化させようとしていた1987年のミック・ジャガー。そのリハーサル現場を教えてくれる極上サウンドボード・アルバムがリリース決定です。そんな本作に収められているのは「1987年9月ニューヨーク」で行われたスタジオ・リハーサル。そのステレオ・サウンドボード録音です。『SHE'S THE BOSS』に続き、『PRIMITIVE COOL』でも共演を果たしたミックとジェフ。彼らはPV撮影にまつわるライヴも行ったわけですが、翌年の日本/オセアニア・ツアーにジェフは不参加。ジョー・サトリアーニに交代しました。そんな流れの中で、本作はいつ録音されたのか。時系列で整理してみましょう。1987年《5月『PRIMITIVE COOL』完成→9月14日発売》・9月:リハーサル ←★本作★・10月20日『LIVE AT COUNTRY CLUB 1987(LA公演)』1988年・1月20日:ロックの殿堂セレモニー・3月15日ー28日:日本(8公演)・8月11日:ニカシオ公演・8月17日:ロッテルダム公演・9月17日ー10月23日:豪州(18公演)・10月30日:ジャカルタ公演・11月3日+5日:ニュージーランド(2公演)これが1987年/1988年のミック。1987年5月にはアルバム『PRIMITIVE COOL』が完成しており、9月にリリース。PV撮影に伴う特別公演はサウンドボード・アルバム『LIVE AT COUNTRY CLUB 1987』にもなっているわけですが、本作のリハーサルはその約1ヶ月前だったと思われます。そんな現場で録音された本作は、まさに超極上のステレオ・サウンドボード。『LIVE AT COUNTRY CLUB 1987』もオフィシャル級のサウンドボードでしたが、本作も負けていない。完全直結の超ド密着サウンドはそんじょそこらのサウンドボードなど比較にもならず、猛烈にパンするステレオ感も絶大。ギターは弦の振動レベルならヴォーカルはマイクの網を通る息づかいまで感じられ、ダビング痕のまったくない艶やかさは紛れもなくマスター・クオリティなのです。そして、その内容も衝撃的。約23分という短いサウンドボードではあるものの、収録された3トラックが特濃。2つの未発表曲「Danger Up Ahead」「Gangster's Moll」とブルース・ジャムなのですが、そのどれもが『LIVE AT COUNTRY CLUB 1987』では聴けなかったものです。「Danger Up Ahead」はミックの初期ソロで唯一の未発表曲と言われる秘宝ですし、「Gangster's Moll」もストーンズのアウトテイク曲。後者は『EMOTIONAL RESCUE』のデモ版に比べると歌詞も異なりますし、何よりキースとジェフの個性の違いが強烈でもあります。そして、ジェフが爆発すると言えば、ブルース・ジャム。最後にちょっと歌が入るもものの、基本はインスト演奏。ただし、インストでもミックは不在ではなく豪快にハープ・ブロウを聴かせ、そこにいかにもジェフらしい悪戯ギターが絡んでいく。未発表曲も興味深くはありますが、即興ジャムだからこそカリスマ達の音楽センスも相性もモロ出しになる。両者の個性が心に深く刻まれている方ほど、ぞくぞく来るスリルを味わえる至福の10分間なのです。生き様自体が英国ロック史でもあるミック・ジャガーとジェフ・ベック。カリスマ2人の才能が交差するスタジオ現場が脳内に広がる秘宝サウンドボード・アルバムです。貴重な未発表曲もジャムも完全オフィシャル級クオリティで味わえる1枚。ミックとジェフが共演するリハーサル・アルバムがリリース。完全オフィシャル級の超極上サウンドボードで、未発表曲「Danger Up Ahead」「Gangster's Moll」やブルース・ジャムが楽しめます。New York City, NY, USA September 1987 STEREO SBD (22:32)
1. Blues Jam and Danger Up Ahead 2. Danger Up Ahead 3. Gangster's Moll Rehearsal Sessions for 'Primitive Cool' album. Mick Jagger - vocal Jeff Beck - guitar G.E. Smith - guitar Tim Stevens - bass Anton Fig - drums STEREO SOUNDBOARD RECORDING