本作に封じられているのは「1981年10月30日アムステルダム公演」。本編解説で言うところの「欧州#2」の25公演目で記録されたサウンドボード録音です。この日はラリー20歳の誕生日前日だった事でも知られるわけですが、それ以上にFM放送された事で記憶されるショウ。本作は、そのFMサウンドボードの最高峰更新盤なのです。実際、そのクオリティは鮮やかクッキリ。ピークでやや詰まった感触もあるので「完全オフィシャル級」と断じるのに迷いますが、キリッとした輪郭や極太な芯のダイレクト感、そして何より美細部まで鮮やかなディテールは「オフィシャル級」以外の何物でもない。しかし、それでも本作が永久保存の栄誉を逃した。その理由は何と言っても短さ。放送枠のせいか、約25分という収録時間はフルショウとはほど遠いのです。その一方でムダに短いわけでもないのがポイントでここで、比較しながら整理してみましょう。・ボーイ:The Cry-The Electric Co./Stories For Boys(★)/I Will Follow・アイリッシュ・オクトーバー:I Fall Down/October/Fire(★)・シングル:11 O'clock Tick Tock※注:「★」印はCD『MALIBU NIGHT CLUB, LIDO BEACH 1981』で聴けない曲。……と、このようになっています。「Stories For Boys」「Fire」は聴けないだけでなく、このツアーまでで演奏されなくなる貴重曲なのです。それよりは(25分と言えども)ショウの流れの中で味わっていただきたい……短いながらも、研究家だからこそ知り得た過去最高峰サウンドが眩しい1枚です。“OCTOBER Tour”のサウンドボード・コレクションを一層豊かにしてくれる傑作。Paradiso Amsterdam, Netherlands, 30th October 1981 SBD (25:22)
1. Intro 2. The Cry / The Electric Co. 3. I Fall Down 4. October 5. Stories For Boys 6. I Will Follow 7. Fire 8. 11 O'Clock Tick Tock FM RADIO REBROADCAST