ワシントンの次のショーは5月31日のポートランドでした。この日もセットリストには変化がなかったものの、オープニングは世界中のマニアを騒然とさせたサプライズが起こったのです。ステージにはバンドメンバー以外が使うテレキャスターがセッティングされており、オープニングナンバーの「Watching The River Flow」が始まると、他ならぬディランがそのテレキャスターを肩に下げたものだから会場は騒然。今回リリースされる音源からも、会場がどよめく様子がはっきりと伝わってきます。そして彼は久しぶりにリードギターを弾き始める。そう、あの「ディラン節」が炸裂しまくり。こちらのオーディエンス録音も同時リリースのワシントンと同じテーパーによるものなのですが、これまた素晴らしい音質ですので、久々にディランの弾いたフレーズもばっちり。ところが…そうは問屋が卸さない(笑)。3分近くリードギターを弾きまくったディランはテレキャスターを下ろし、いつものピアノへと移ります。その展開に驚く臨場感がこれまたばっちり伝わってくるのも面白い。しかしギターパート込みの演奏となりましたので、この日の「Watching The River Flow」はいつもより長い演奏となったのでした。とはいえディラン自身も演奏の途中で少しギターを弾いたのが楽しかったのでしょう。この後も「False Prophet」の演奏が後半に差し掛かると再びテレキャスターを下げてリードギターを弾き始める(ここで「ワーッ」と歓声が沸くのがイイ!)のですが、ブルースな曲調ですのでディランのプレイも冴えわたる。この日の音源はワシントンほどディランの歌声の音像が抜きんでたバランスではないのですが、それでも演奏全体の音像は非常にオンな極上レベル。そんな安心して聞きこめる録音状態ですので、先のサプライズ・オープニングの後もディランはエンジン全開であることがよーく分かる。久々にステージでギターを弾いてくれたインパクトが強すぎてライブ前半にトピックが集中してしまいましたが、この日もディランは絶好調。そしてディランは現在進行中のツアーでも時折オープニングでギターを弾いており、この「ちょこっとリードギター」モードは続く気配をみせています。そんな分岐点となった話題のギター・ステージを最高の音質&最速でお届け!Arlene Schnitzer Concert Hall, Portland, Oregon, USA 31st May 2022 TRULY PERFECT SOUND
Disc 1(57:17) 1. Intro 2. Watching The River Flow★ディランがギターを弾きました!!(冒頭から3分近いリードギター演奏)★「ええっ!!」場内騒然→感動で聴き入る。→ピアノに戻ると、その展開に、また観客が騒めく ざわざわざわ・・・3. Most Likely You Go Your Way (And I'll Go Mine)
4. I Contain Multitudes 5. False Prophet★後半(5分目~)、再びディランがギターをプレイ ★観客は今度は大人の拍手と喝さい 6. When I Paint My Masterpiece 7. Black Rider 8. I'll Be Your Baby Tonight 9. My Own Version of You 10. Crossing The Rubicon 11. To Be Alone With You
Disc 2(45:23) 1. Key West (Philosopher Pirate) 2. Gotta Serve Somebody 3. I've Made Up My Mind To Give Myself To You 4. Melancholy Mood 5. Mother of Muses 6. Goodbye Jimmy Reed 7. Band Introductions 8. Every Grain of Sand 9. Outro