『LOVE AT FIRST STING』の大ヒットで全盛の真っ直中にいたSCORPIONSと、デビュー間もない若かりし日のBON JOVI。欧米を代表するメロディックHRのステージを分け合うビッグなライヴアルバム3枚組が登場です。そんな本作に吹き込まれているのは「1984年6月16日アレンタウン公演」。その極太オーディエンス録音です。「ボン・ジョヴィ+蠍団」と言えば、まず思い浮かぶのは“SUPER ROCK '84”。本作はその近辺のショウであり、同じように2組の他、RATTやTWISTED SISTERも出演するフェス形式のイベントでした(有名フェス“GREAT ALLENTOWN FAIR”と会場は同じですが別イベントです)。ここではヘッドライナーのSCORPIONSのスケジュールを基に、当時の様子を紐解いてみましょう。1984年・1月23日ー2月29日:欧州#1(27公演)・3月17日ー25日:北米#1a(6公演)《3月27日『LOVE AT FIRST STING』発売》・3月27日ー7月18日:北米#1b(80公演) ←★ココ★・7月30日ー8月12日:アジア/日本#1(9公演)←※SUPER ROCK '84・8月14日ー9月2日:北米#2(13公演)・10月26日ー12月3日:欧州#2(26公演)1985年・1月15日+19日:ROCK IN RIO(2公演)・1月28日ー2月7日:日本#2(8公演)《6月20日『WORLD WIDE LIVE』発売》・6月22日:ネブワース公演・8月24日ー9月2日:北米#3(4公演)←※DAY ON THE GREEN 1985 1986年・8月16日ー9月5日:欧州#3(7公演)これが『LOVE AT FIRST STING』にまつわる全盛のスケジュール。期間にしても場数にしても膨大で、まさに一大全盛期でした。そんな中で世紀の日本フェス“SUPER ROCK '84”は1984年8月に実現したわけですが、本作のアレンタウン公演はその約2ヶ月前。「北米#1b」の58公演目にあたるコンサートでした。そんなショウで記録された本作は、今話題沸騰中の新発掘録音。かの名門“Krw_co”が発表したマスターでして、何より素晴らしいのは芯。とにかく極太で力強く、ダイレクト感たっぷり。エッジに丸みもありますし、音色的にサウンドボードと間違えるタイプでもないのですが、かと言っていかにもオーディエンス的なスカスカ感は皆無。演奏も歌声も真っ直ぐ耳元まで飛び込んでくる猛烈タイト・サウンドなのです。その要因はテーパーの機材と技術にあるのでしょうが、それと同時に環境の力も大きかった模様。と言いますのも、本作の現場となった“アレンタウン・フェアグラウンド”は、東京ドーム10個分という広大な野外スペース。そこに設営されたステージにも壁がなく、極めて開放的な会場なのです。それだけに音を曇らせる反響が最初から存在せず、PAの吐き出す出音をダイレクトに拾っているのです。そんな直球サウンドで描かれるのは、灼熱の日本公演が甦る熱演。当店では両雄の公式映像『SUPER ROCK '84 IN JAPAN』も復刻しておりますので、比較しながら整理してみましょう。BON JOVI(Disc 1)・夜明けのランナウェイ:Breakout/Come Back(★)/Roulette(★)/Shot Through The Heart(★)/Get Ready/Runaway
SCORPIONS(Disc 2-3)・ラヴドライヴ:Loving You Sunday Morning(★)/Coast To Coast/Holiday(★)/Another Piece Of Meat(★)/Can't Get Enough・電獣:Make It Real/The Zoo・蠍魔宮:Blackout/Can't Live Without You/Dynamite/No One Like You(★)・禁断の刺青:Coming Home/Bad Boys Running Wild/Big City Nights/Still Loving You(★)/Rock You Like A Hurricane ※注:「★」印は公式映像『SUPER ROCK '84 IN JAPAN』で聴けなかった曲。 ……と、このようになっています。公式映像『SUPER ROCK '84 IN JAPAN』が不完全ということもありますが、これだけのレパートリーが山盛り。特にBON JOVI篇は全曲が『夜明けのランナウェイ』であり、今では望むべくもない激レア曲だらけなのです。それ以上に胸アツなのが、むせ返るような若気。SCORPIONSは一大全盛のツアーも100公演ほどこなしたパフォーマンスはすでに王者の風格をたたえ、まさに「WORLD WIDE LIVEの現場体験」。そして、BON JOVI。そのフレッシュな生演奏はひたすらひたむきで、ありったけの情熱をぶちまける。「世界のBON JOVI」に慣れきった耳には客ノセの計算もない瑞々しい歌声と初めましてのMCがあまりにも眩しいのです。そう、これが「1984年」でした。シンプルにレアな名曲の宝庫としても美味しい本作ではありますが、それ以上に超ダイレクト・サウンドで溢れ出す熱量が胸を焦がしてくれるのです。一足先に世界を獲ったSCORPIONSと、世界に挑みかかる若武者BON JOVI。両者の燃え上がる「本生」を真空パックした3枚組。「1984年6月16日アレンタウン公演」の極太オーディエンス録音。名門Krw_coが発表した新発掘マスターで、野外会場ならではの反響ゼロの芯が極太で力強く、ダイレクト感たっぷり。公式映像『SUPER ROCK '84 IN JAPAN』でも聴けない初期レパートリーが山盛りのBON JOVI、「WORLD WIDE LIVEの現場体験」そのものなSCORPIONS。1984年でしかあり得ない輝きの現場を超タイト・サウンドでお腹いっぱい味わえる胸アツな3枚組です。Fairgrounds, Allentown, PA, USA 16th June 1984 TRULY PERFECT SOUND Disc 1(39:31) BON JOVI 1 Breakout 2 Come Back 3 Roulette 4 Shot Through The Heart 5 Guitar Solo 6 Get Ready 7 Runaway Jon Bon Jovi - Vocal, Guitar Richie Sambora - Guitar, Vocal
David Rashbaum - Keyboards, Vocal Alec John Such - Bass, Vocal Tico Torres - Drums SCORPIONS Disc 2(30:50) 1. Intro 2. Coming Home 3. Blackout 4. Bad Boys Running Wild 5. Loving You Sunday Morning 6. Make It Real 7. Big City Nights 8. Coast To Coast Disc 3(61:06) 1. Audience / MC
2. Holiday 3. Still Loving You 4. Rock You Like A Hurricane 5. Can't Live Without You 6. Another Piece Of Meat 7. Dynamite 8. The Zoo 9. No One Like You 10. Can't Get Enough / Six String Sting Klaus Meine - vocals Matthias Jabs - guitar Rudolf Schenker - guitar Francis Buchholz - bass Herman Rarebell - drums