『TIDAL』の大ヒットで時代の寵児となっていた1997年のフィオナ・アップル。当時19歳の歌声が脳みそに流し込まれるサウンドボード・アルバムが登場です。そんな本作に記録されているのは「1997年3月17日サンフランシスコ公演」。そのステレオ・サウンドボード録音です。彼女は『TIDAL』での衝撃デビューと共に一気にスターダムへと登り詰めたわけで、本作に記録されているのはその最中のステージ。まずは、当時のスケジュールを振り返ってショウのポジションを確かめてみましょう。1996年・2月16日/5月6日/6月19日(プロモ)《7月23日『TIDAL』発売》・9月10日ー19日:北米#1(3公演)・9月30日ー10月8日:欧州#1(3公演)・10月15日ー26日:北米#2(8公演)・12月1日+5日:北米#3(2公演)1997年・1月23日ー2月19日:北米#4(9公演)・3月16日ー4月22日:北米#5(18公演)←★ココ★・5月18日ー6月1日:欧州#2(11公演)・6月7日ー12月12日:北米#6(59公演)これが1996年/1997年のフィオナ・アップル。デビュー以前のライヴ記録はなく、いかに彼女の登場が衝撃的だったのかが分かるスケジュールでもあります。そんな中で本作のサンフランシスコ公演はツアー活動が活発化してきた「北米#5」。その2公演目にあたるコンサートでした。そんなステージで記録された本作は、まさに「超」付きの極上サウンドボード。実はビル・グラハムのWolfgang's Vault経由で発掘された流出マスターでして、そのコレクションでも特上となる逸品。ヘッドフォンでアラ探ししながら聴いても収録・ミックス・マスター鮮度のすべてにスキがない。なんとか曲間でハウリングが起きる箇所もありましたが、そんな欠点にもならない事しか見つけられないくらいに完璧。まさに「完全オフィシャル級」としか言いようのないクオリティです。そのパーフェクト・サウンドで描かれるのは「生演奏版TIDAL」となるショウ。いつもならここでセット分析をするところですが、本作にはその必要もない。曲順こそ異なるものの、『TIDAL』の全10曲を一気呵成に披露しており、そのアンコール・ラストにジミ・ヘンドリックスのカバー「Angel」が追加されたスタイルなのです。もちろん、選曲は『TIDAL』そのものであっても、そのセットを綴る演奏・歌声はまるで違う。あの名曲群がステージ・テンションで格上げされ、19歳だったフィオナのヴォーカルもより瑞々しく、より力強く、そしてより生々しい。目の前の観客にメッセージを送るような真摯な響きが宿り、穏やかな囁き声は耳元をくすぐり、若々しい咆哮はひたむきさが胸に突き刺さる。さらに言えば、生々しいのは歌声だけではない。1曲1曲を追える毎に人気絶頂の喝采が沸き立つのですが、それが照れくさそうに笑い、まだまだ不慣れ感も滲ませながら熱心員語りかけている。本作はそんなMCの一言一言も息づかいまで鮮やかで、思わずくすぐったくなる超ド密着サウンドボードなのです。まさに「生演奏版TIDAL」。それこそオフィシャル名盤『TIDAL』と同価値……いや、それ以上に19歳のフィオナを肌感覚で感じられるサウンドボード・アルバムの大傑作です。もはや彼女の最高傑作と言っても過言ではない絶対の1枚。衝撃デビューの直後「1997年3月17日サンフランシスコ公演」のステレオ・サウンドボード録音。Wolfgang's Vault経由で発掘された流出マスターは超極上で、収録・ミックス・マスター鮮度のすべてが完璧。まさに「完全オフィシャル級」としか言いようのないクオリティです。ショウは『TIDAL』の全10曲を一気呵成に披露し、アンコール・ラストにジミ・ヘンドリックスのカバー「Angel」を追加したスタイル。ステージ・テンションと生々しい歌声で格上げされた「生演奏版TIDAL」となる絶対作です。
Fillmore, San Francisco, CA, USA 17th March 1997 STEREO SBD (68:11) 01. The Child Is Gone 02. Sullen Girl 03. MC 04. Sleep to Dream 05. The First Taste 06. Slow Like Honey 07. Shadowboxer 08. Pale September 09. Criminal 10. Carrion 11. Never Is a Promise 12. Angel
STEREO SOUNDBOARD RECORDING