昨年、HR/HM系の名録音を連発してコレクター界に旋風を巻き起こした「GMan」コレクション。その久々の新作となる黄金時代DIOの傑作ライヴアルバムが登場です。そんな本作に吹き込まれているのは「1984年9月1日カールスルーエ公演」。英国のフェスから欧州全体を巡るフェス・ツアーに進化した“MONSTERS OF ROCK”の西ドイツ編で記録された傑作オーディエンス録音です。当時のDIOと言えば、名作『THE LAST IN LINE』を送り出した全盛期のド真ん中。まずは当時のスケジュールを振り返り、ショウのポジションを確かめてみましょう。1984年・1月4日ー7日:北米#1(3公演)・6月11日:PINKPOP FESTIVAL出演《7月2日『THE LAST IN LINE』発売》・7月17日ー8月25日:北米#2(32公演)←※公式映像・8月30日ー10月30日:欧州(44公演)←★ココ★・11月4日ー12月31日:北米#3a(30公演)1985年・1月2日ー27日:北米#3b(18公演)・8月10日:初来日(1公演)《8月13日『SACRED HEART』発売》・8月10日ー12月31日(80公演) これがDIOの絶頂である1984年/1985年の歩み。「北米#1」は“HOLY DIVER Tour”の最終日程で、その後に『THE LAST IN LINE』を制作・発表。再び大規模なワールド・ツアーに乗り出しました。本作のカールスルーエ公演は、「欧州」レッグの2公演目。“THE LAST IN LINE Tour”の象徴と言えば、公式映像『A SPECIAL FROM THE SPECTRUM』も浮かびますが、本作はその約一週間後でもありました。そんなショウを真空パックした本作は、パワフル&タイトな名録音。このショウは5枚組の大作『MONSTERS OF ROCK IN GERMANY 1984 VOL.1』の一部としてもご紹介したことがありますが、本作はそれとは異なる別録音「GMan」氏が公開したばかりの最新コレクションです。「GMan」氏とは昨年、80年代ドイツの名作を連発して話題になったテーパー。オジーや白蛇、KISS、MSG、UFO等々、多彩なコレクションが登場しましたが、中でも大人気となったのがゲイリー・ムーアの『MONSTERS OF ROCK 1984』やMOTLEY CRUEの『MONSTERS OF ROCK NUREMBERG 1984』、ACCEPTの『MONSTERS OF ROCK 1984』といった名盤群でしょうか。そのタイトルをご覧の通り、「GMan」氏は「1984年MORの名匠」として知られる人物でもあるのです。そして、本作はそんな「1984年MORコレクション」の最新弾でもある。サウンドボードと間違えるような密着感ではないものの、だからと言って遠さも感じさせない。野外会場ならではの反響ゼロのタイトさが素晴らしく、現場PAが吐き出した出音をダイレクトに録音。演奏も歌声も機微の機微まで曇りなく届くクリアさが絶大で、静かな曲間ではアンプからわずかに漏れる「ジー」という電磁ノイズまで国名に拾っているくらいです。そんなタイト・サウンドで描かれるのは、ロニー生涯の代表曲が出揃った“THE LAST IN LINE Tour”のフルショウ。前述のように公式映像『A SPECIAL FROM THE SPECTRUM』の一週間後でもありますので、比較しながら整理してみましょう。DIO(7曲)・情念の炎:Stand Up And Shout/Holy Diver/Rainbow In The Dark・ラスト・イン・ライン:One Night In The City(★)/Mystery/Egypt (The Chains Are On)/The Last In Line その他(4曲)・レインボー:Man On The Silver Mountain(★)/Long Live Rock 'n' Roll(★)・ブラック・サバス:Heaven And Hell/The Mob Rules ※注:「★」印は公式映像『A SPECIAL FROM THE SPECTRUM』で聴けなかった曲。……と、このようになっています。公式映像がフル収録ではなかったこともありますが、RAINBOWメドレーや比較的レアな「One Night In The City」もたっぷり楽しめる。さらに、まだどれが代表曲に決まっていないからこその「Mystery」「Egypt (The Chains Are On)」も美味しいのです。そして何より、一大全盛ならではのグロリアスなムードが素晴らしい。“HOLY DIVER Tour”ではサバス時代にも通じる激しい歌声で押しまくっていたロニーですが、“THE LAST IN LINE Tour”では一転。成功によって生まれた余裕か、それとも喜びの発露か。高らかに歌い上げるヴォーカリゼーションには攻撃性よりも雄大さが感じられ、さらにスケール・アップ。まさに横綱相撲のような堂々たるショウを披露しているのです。RAINBOW、BLACK SABBATH、そしてDIOの初期2枚……ロニーが生涯歌い続けたのは、ここまでの名曲群。これ以降のレパートリーはあくまで「味付け要員」でしかありませんでした。本作から流れ出るのは、そんな『THE LAST IN LINE』のレパートリーを新曲としてフレッシュに演奏するフルショウなのです。全盛時代でも数えるほどしかない大舞台フェスの現場をタイト・サウンドで味わえる新名盤。西ドイツ版MOR「1984年9月1日カールスルーエ公演」の新発掘オーディエンス録音。5枚組『MONSTERS OF ROCK IN GERMANY 1984 VOL.1』とは異なる「GMan」氏コレクションで、実にパワフル&タイトな名録音。野外会場ならではの反響ゼロのタイトさが素晴らしく、現場PAが吐き出した出音をダイレクトに記録しています。「One Night In The City」「Mystery」「Egypt (The Chains Are On)」といったレパートリーもMORの大舞台テンションで爆上げされたフルショウを現場体験できます。Wildparkstadion, Karlsruhe, Germany 1st September 1984 TRULY PERFECT SOUND (61:02) 1. Intro 2. Stand Up and Shout
3. One Night In The City 4. Mystery 5. Egypt (The Chains Are On) 6. Holy Diver 7. Drum Solo 8. Heaven and Hell 9. Guitar Solo / Heaven and Hell (Reprise) 10. The Last In Line 11. Rainbow In The Dark 12. Man On The Silver Mountain 13. Long Live Rock'n'Roll 14. The Mob Rules
Ronnie James Dio - vocals Vivian Campbell - guitars Jimmy Bain - bass Vinny Appice - drums