ソロ作『FULL MOON FEVER』の成功を受け、『INTO THE GREAT WIDE OPEN』もマルチ・プラチナムに輝いた1991年のトム・ペティ。その現場を極上体験できる絶対名手のオリジナル・マスターが発掘です。そんな本作に吹き込まれているのは「1991年11月9日コスタメサ公演」。歴史的名手マイク・ミラードが遺した超極上オーディエンス録音です。本稿に身を留められた方なら「トム・ペティ」「ミラード」「コスタメサ」が揃ったところで『COSTA MESA 1990: MIKE MILLARD ORIGINAL MASTER TAPES』を思い浮かべるかも知れません。トム・ペティの最高傑作とも言われた名盤なわけですが、本作はその続篇ともいうべきライヴアルバムなのです。本作はあくまで“INTO THE GREAT WIDE OPEN Tour”の記録ではあるものの、姉妹作の位置関係をイメージする為にも、少し広めに活動概要を俯瞰してみましょう。1989年《4月24日『FULL MOON FEVER』発売》・7月5日ー9月13日:北米#1(45公演)←※LOS ANGELES 1989
・10月28日:BRIDGE SCHOOL BENEFIT出演 1990年・1月26日ー3月6日:北米#2(26公演)←※COSTA MESA 1990 1991年《7月2日『INTO THE GREAT WIDE OPEN』発売》・8月21日ー9月28日:北米#3(22公演)・10月8日ー11月27日:北米#4(30公演)←★ココ★ これが1989年ー1991年のトム・ペティ。『FULL MOON FEVER』時代というと2つのミラード作品『LOS ANGELES 1989』『COSTA MESA 1990』が知られており、「同じバンドを二度録音したがらない」と言われるミラードにしては珍しい。いかに当時のミラードがトムに信奉していたが滲み出るコレクションです。特に名盤の後者『COSTA MESA 1990』は、本作と会場まで同じ。まさに同録音家・同会場と環境の揃った姉妹篇なのです。実際、本作は姉作に負けない……と言いますが、その美貌までそっくりな年子の妹作。並べて再生すると本作の方がわずかにホール鳴りが厚めにも感じますが、それも微差。しかも、その鳴りを貫いて届く芯は力強くエッジもシャープ。くっきりとした輪郭とダイナミックな厚みが共存しており、好みによっては姉作『COSTA MESA 1990』よりも気に入られるかも知れません。サラッと姉妹比較で語ってしまいましたが、これは実は凄い事。何しろ、当店でトム・ペティのプレス・タイトルと言えば(ディランとの共演モノを除けば)『COSTA MESA 1990』の1本きり。まさに最高傑作たる名作中の名作であり、それとそっくりな姉妹というのは「まるでサウンドボード」さえ超える最大級の賛辞なのです。そんな極上サウンドで描かれるのは、姉作ともひと味違うフルショウ。ここで比較しながら整理してみましょう。イントゥ・ザ・グレイト・ワイド・オープン(7曲)・Kings Highway(★)/Too Good To Be True(★)/Out In The Cold(★)/Learning To Fly(★)/Into The Great Wide Open(★)/Built To Last(★)/Makin' Some Noise(★)フル・ムーン・フィーヴァー(5曲)・I Won't Back Down/Free Fallin'/Yer So Bad/Love Is A Long Road/Runnin' Down A Dream その他(13曲+α)・70年代:Mystery Man(★)/Breakdown/American Girl(★)/Listen To Her Heart/Here Comes My Girl(★)/Refugee・80年代:The Waiting/You Got Lucky/Straight Into Darkness/Don't Come Around Here No More・その他:Psychotic Reaction(★)/I'm Tired Joey Boy(★)/Ben's Boogie/Lonely Weekends ※注:「★」印は『COSTA MESA 1990(Zion-162)』で聴けなかった曲。……と、このようになっています。ツアーが異なるのでセットが違うのも当然で、新作『INTO THE GREAT WIDE OPEN』から大量に盛り込まれています。それだけではなく、クラシックスでも『COSTA MESA 1990』で聴けないレパートリーが5曲セレクトされており、COUNT FIVEの「Psychotic Reaction」やヴァン・モリソンの「I'm Tired Joey Boy」といったカバーや、指折り数えるほどしか演奏していない「Mystery Man」などのレア曲も楽しめるのです。トム・ペティの最高傑作『COSTA MESA 1990』と同会場で記録された、年子の姉妹篇です。姉譲りの極上サウンドで『INTO THE GREAT WIDE OPEN』レパートリーやレア曲も楽しめる新名盤。トムをこよなく愛したミラードだからこその成し得た絶世の美姉妹。「1991年11月9日コスタメサ公演」の極上オーディエンス録音。絶対名手ミラードの大元マスターから起こされた銘品で、同じくミラード作の名盤『COSTA MESA 1990』と同会場の姉妹作です。姉作はトム・ペティの最高傑作とも言われた超名盤だったわけですが、本作も負けていないから凄い。姉作譲りのダイレクト感に鳴りのダイナミズムも併せ持ち、『INTO THE GREAT WIDE OPEN』の新曲群や「Psychotic Reaction」「I'm Tired Joey Boy」「Mystery Man」などのレア曲も楽しめます。Pacific Amphitheatre, Costa Mesa, CA, USA 9th November 1991 TRULY PERFECT SOUND Disc 1 (64:53) 1. Intro 2. Kings Highway 3. Too Good To Be True 4. I Won't Back Down 5. Free Fallin' 6. Out In The Cold 7. Psychotic Reaction (Count Five cover) 8. Ben's Boogie 9. Don't Come Around Here No More 10. Learning To Fly 11. Listen To Her Heart 12. Mystery Man 13. Here Comes My Girl Disc 2 (63:55) 1. Breakdown 2. Into The Great Wide Open 3. I'm Tired Joey Boy (Van Morrison cover) 4. Yer So Bad 5. You Got Lucky 6. Straight Into Darkness 7. Love Is A Long Road 8. Refugee 9. Runnin' Down A Dream 10. The Waiting 11. American Girl 12. Built To Last 13. Lonely Weekends 14. Makin' Some Noise