マイク・ミラードのオーディエンス・マスター最新作は彼の最初の録音であったザ・フー1973年LAフォーラムのピッチ修正版というフェイント(笑)と同時に1979年のロッド・スチュワートが公開されています。例によって抜群のミラード・クオリティが炸裂の素晴らしい音質。というのもロッドがスターダムの絶頂にあった1979年の「BLONDES 'AVE MORE FUN」ツアーと言えば、まず日本公演からの名作オーディエンス「REFLECTION OF LIFE」が既にリリース済み。それに今回ミラードが録音してくれた6月のLAフォーラムはツアーの千秋楽であり、その一つ(日付は不明)がライブビデオとして撮影され、後に「LIVE AT THE LOS ANGELES FORUM」としてリリース、さらに現在はライブ・ベストこと「LIVE 1976-1998」に6月21日からのテイクがいくつか採用されているといった現状。そして今回の音源に関してはミラードがライブに遅刻してしまい「Hot Legs」と「Born Loose」の二曲を録音しそびれてしまったという点がリリースとなった要因。そういえば77年のミラード録音「L.A. FORUM 1977」はさらに不完全な状態でしたので、70年代ロッドのステージとミラードは何故だか相性が悪かったようです。とはいえ音質は今回も本当に素晴らしい。カーマイン・アピスとフィル・チェンという黄金リズムセクションの音も迫力満点なバランスで聞く者に迫ってくる。それに…安心してください、同じ6月のLAフォーラムでも先のライブビデオやライブベストとは完全に別の日の記録でもある。例えばビデオの「Maggie May」で比べてもらえれば出だしでロッドが語りかける様子などがまるで違うので分かりやすい。そもそも今回の音源は前年から始まった「BLONDES 'AVE MORE FUN」ツアーの最終日という歴史的な一日の記録。それが安定のミラード・クオリティで聞けるとなれば、冒頭二曲の未収録など取るに足らない。そんな熱狂のツアー最終日、ロッドをして「ここはホームだからね」というほどフォーラムへの愛着を見せる興奮の臨場感を先のライブビデオ以上に伝えてくれるのはミラード録音の面目躍如。正に絶頂にあったロッドの肉欲的なステージを生々しいまでに捉えてくれるのもミラードならではであり、それでいていくつかの曲で起こる客席とのコール・アンド・レスポンスにおいて周囲の盛り上がりがストレスとならずに聞き込めるというのも彼の録音ならではの絶妙さ。何よりライブビデオの方も完全収録からは程遠く、それでいてライブベストの方は数曲の抜粋。トータルでは今回の音源が最長である点も見逃せない。そして「(I Know) I'm Losing You」には「Layla」がインクルードされ、フィナーレは「I’m Sexy」をもう一度演奏するという79年の黄金パターンもばっちり。特に後者のパターンで幕を閉じるエンディングは例のビデオでも見られなかった場面ですし、やはり各種オフィシャル群では捉え切れていない79年ショーの全貌をリアルに伝えてくれるという点で今回もミラードは凄かった。音質も演奏も抜群 The Forum, Inglewood, CA, USA 28th June 1979 TRULY PERFECT SOUND
Disc 1 (55:26) 1. Tonight's The Night (Gonna Be Alright) 2. You Wear It Well 3. The Wild Side Of Life 4. Get Back 5. You're In My Heart (The Final Acclaim) 6. (If Loving You Is Wrong) I Don't Want To Be Right 7. Big Bayou 8. I Just Want To Make Love To You 9. Blondes (Have More Fun)
10. Do Ya Think I'm Sexy? Disc 2 (59:14) 1. Maggie May 2. (I Know) I'm Losing You 3. Standing In The Shadows Of Love 4. Layla / Guitar Solo 5. Bass Solo / Drum Solo 6. Standing In The Shadows Of Love 7. Sweet Little Rock 'n Roller 8. Twistin' The Night Away 9. Stay With Me
10. Do Ya Think I"m Sexy? (Reprise)