人気絶頂にありながらサウンドボードが一切存在しない永遠の秘境“1984 Tour”。その最高峰と呼ばれた伝説の名録音がアップグレード。マスター・サウンド2CDで登場です。そんな本作に刻まれているのは「1984年7月3日マディソン公演」。その極上オーディエンス録音です。『1984』時代のライヴアルバム……これはまさに永遠の夢。VAN HALENにとって……いえ、アメリカン・ロックそのものの絶頂でありながら公式ライヴアルバムどころか放送サウンドボードの1つも残されなかった。その悔しさ、歯がゆさ故に多くのファンがコレクター界に足を踏み入れ、「一番のオーディエンス録音」を追い求める餓鬼道へと堕ちていった。ロック史に空いた大きな大きな落とし穴です。そんな「一番のオーディエンス録音」は候補がいくつもあるわけですが、本作はその最有力録音。しかも、カセット・マスターからダイレクトにデジタル化された最高峰盤なのです。その気になる内容の前に、まずはショウのポジション。アメリカンHRの頂点でもあったツアー・スケジュールから紐解いてみましょう。《1月9日『1984』発売》“1984 Tour”・1月18日ー2月23日:北米#1(25公演)・3月7日ー4月6日:北米#2(22公演)・4月14日ー5月22日:北米#3(24公演)←※SAN DIEGO 1984 1ST NIGHT・6月2日ー7月16日:北米#4(30公演)←★ココ★
“MONSTERS OF ROCK Tour”・8月18日ー9月7日:欧州(7公演)←※STOCKHOLM 1984他【長尺フルセットの全米レッグ】これが1984年のVAN HALEN。単独の全米ツアー“1984 Tour”と欧州のフェスツアー“MONSTERS OF ROCK Tour”に大別され、それぞれから頂点候補の名録音が発掘されています。しかし、特に重要とされるのは“1984 Tour”の方。“MONSTERS OF ROCK Tour”はフェス形式だけに出演時間がやや短め。上記の『STOCKHOLM 1984』は例外的に2枚組ですが、ほとんどがCD1枚物だったりします。それに対し、“1984 Tour”は単独ツアーだけに堂々のフルセット。“1984 Tour”のナンバー1録音こそがVAN HALENの……いや、アメリカンHRのNo.1ライヴアルバムたり得るのです。そして、本作のマディソン公演は“1984 Tour”の方。その最終盤である「北米#4」の21公演目にあたるコンサートでした。【「オーディエンスだけの美」を極めた最高傑作】そんなショウで記録された本作は、まさに輝きの極上録音。“MONSTERS OF ROCK Tour”は野外フェスのために反響ゼロの骨太サウンドが多いのですが、本作はそれとは真逆。ホール鳴りが演奏に厚みと凄まじいダイナミズムを生み出している。もちろん、鳴りによってディテールが隠されたら元も子もありませんが、本作にその心配はなし。空気感が透き通っており、重低音のヴァイヴから高音の伸びまで超鮮やか。むしろ、鳴りがあるからこそキラキラと輝いて聞こえるのです。さらに聴き逃せないのが芯に突進力。厚めの鳴りをブチ破ってくる芯はどこまでも力強く、その密度が演奏の細部の細部までパンパンに充ち満ちている。おかげで鳴りがあってもスカスカ感がまるでなく、逆に突き破ってくるからこその爽快感すら漂わせている。本作は「まるでサウンドボード」よりは「オーディエンスだからこそのダイナミック・サウンド」というタイプの名録音です。そして、その美点を最大限にまで引き出しているのが、マスター・クオリティ。実のところ、この録音自体は以前から知られていましたが、マスター・ダイレクトではありませんでした。本作のようなタイプの場合、たとえ1stジェネでもダビング痕が残ると大きく聞き劣ってしまう。わずかでもディテールが潰れればキラキラとした輝きが失われ、ホンの少しでも鳴りが歪めば濁りとなって一気に汚くなってしまう。それでも従来は「こういう物」として聞いてきましたが、大元マスターは、丸っきり異なる別次元の美を記録していたのです。【マスター・サウンドで甦る頂点の現場】そんな輝きのマスター・サウンドで描かれるのは、アメリカンHRの至極となるフルショウ。前述のように“MONSTERS OF ROCK Tour”よりも長いフルセットですので、比較しながら整理しておきましょう。1984・Hot For Teacher/House Of Pain/I'll Wait/Girl Gone Bad(★)/1984/Jump/Panama クラシックス・炎の導火線:On Fire/Runnin' With The Devil/Jamie's Cryin’(★)/You Really Got Me/Ain't Talkin' 'Bout Love(★)・暗黒の掟:Everybody Wants Some!!・戒厳令:Unchained
・ダイヴァーダウン:Little Guitars/Cathedral(★)/(Oh) Pretty Woman ※注:「★」印は“MONSTERS OF ROCK Tour”では演奏していない曲。この豪華絢爛のセットに、全盛真っ直中のブッちぎれた演奏、そして会場中が爆発するような大熱狂。まさに志向のライヴ、究極の現場です。本作は、ロック史上でも2つのない「極みの刹那」を極上サウンドで真空パックしているのです。「長いけどホール鳴りが避けられない米国録音」「野外のタイト・サウンドだけど短い欧州録音」……『1984』時代は、これまで一長一短で王者が決まりませんでした。しかし、本作は「鳴り」を欠点ではなく、最大の武器に転化することで一気にトップに躍り出た。マスター・サウンドだからこそ成し得た「オーディエンスの美」を極めた最高傑作なのです。もし「サウンドボード感」にこだわるならヨーロッパ録音の探求も必須ですが、シンプルに「良い音のフル・ライヴアルバム」であれば本作が最終回答となるでしょう。「1984年7月3日マディソン公演」の極上オーディエンス録音。以前から知られる名録音で、本作はその大元カセット・マスターからダイレクトにデジタル化された最高峰盤。空気感が透き通っており、重低音のヴァイヴから高音の伸びまで超鮮やかでホール鳴りが演奏に厚みと凄まじいダイナミズム、さらにキラキラとした輝きまで宿らせています。フェスツアーだった欧州レッグでは演奏しなかった「Girl Gone Bad」「Jamie's Cryin’」「Ain't Talkin' 'Bout Love」も美味しいフルセットを味わえる最高傑作の誕生です。Dane County Veterans Memorial Coliseum, Madison, WI, USA 3rd July 1984 TRULY PERFECT SOUND
Disc 1 (67:47) 1. Intro 2. Unchained 3. Hot For Teacher 4. Drum Solo 5. On Fire 6. Runnin' With the Devil 7. Little Guitars 8. Cathedral 9. House of Pain 10. Bass Solo 11. Jamie's Cryin' 12. I'll Wait 13. Everybody Wants Some 14. Girl Gone Bad
Disc 2 (42:37) 1. 1984 2. Jump 3. Guitar Solo 4. Oh, Pretty Woman 5. Panama 6. You Really Got Me 7. Ain't Talkin' 'bout Love David Lee Roth - Lead Vocals Eddie Van Halen - Guitars, Vocals Michael Anthony - Bass, Vocals Alex Van Halen - Drums