日本から果敢に1976年のグリーク・シアターに参戦してくれたテーパーは前日の同会場におけるザ・バンドのステージも録音してくれていたのです。これがまた翌日に匹敵する素晴らしい音質で捉えられていました。ですが、ネットのおかげで現在のように予備知識を仕込むことなく現地に飛ぶのが当たり前だった昭和。ライブがどんな構成かも知らずに録音された結果「The Night They Drove Old Dixie Down」はテープチェンジに当たってしまってほとんど収録されず、「The W.S. Walcott Medicine Show」もまた同様の理由によって演奏の途中から収録。そしてフィナーレ「Rag Mama Rag」になるとテープ終了につき演奏の序盤で録音が停止。これだけならまだしも、一番惜しまれるのが「Stage Fright」からマイクが下を向いてしまい音像が遠くなってしまうということ。この状態が「Life Is a Carnival」の序盤まで続いてしまうのが残念。先の理由から生じたカットは仕方ないにしても、この音像の変化さえなければ本当にもったいない。実を言うとこちらの音源もまた以前から海外経由でトレーダー間に広まっており、翌日と同じように音質ががっくり落ちていた。おまけに先のような録音上の問題も抱えていたことが災いとなってトレーダー間でも敬遠されがちな音源であり、翌日ほど流通していないという状況でもあったのです。そんな初日の録音ですら今回はマスターカセットが提供されたことで音質が飛躍的に向上。改めて先の問題さえなければ…ということを確信させてくれる音の良さ。よって翌日のアッパー版音源の初回納品分に同梱されるレア音源としては申し分ないものですし、先の理由から今まで聞かれたことのないマニアがほとんどではないでしょうか。その点では非常にゴージャスなレア音源だとも言えましょう。演奏自体はこの日も絶好調なのですが、唯一リチャードが歌っていた「Tears Of Rage」は翌日と比べるとかなり荒っぽい調子で歌われており、あまりに雰囲気が違う様を聞き比べるのも楽しいかと。Live at Greek Theatre, Los Angeles, CA, USA 24th August 1976 PERFECT SOUND(from Original Masters)*UPGRADE (77:24) 1. Intro 2. Baby Don't You Do It 3. The Shape I'm In 4. It Makes No Difference 5. The Weight 6. King Harvest (Has Surely Come) 7. The Night They Drove Old Dixie Down 8. Across the Great Divide 9. Ophelia 10. Up on Cripple Creek
11. Twilight 12. The W.S. Walcott Medicine Show 13. Tears of Rage 14. Stage Fright 15. The Genetic Method / Chest Fever 16. life is a carnival 17. Ring Your Bell 18. Rag Mama Rag