メタル黄金期、最後のパラダイスをプロショットで収めた豪華セットがリリース決定です! 本作が撮影されたのは「1991年1月21日リオ・デ・ジャネイロ」。世界的な巨大ロックフェス“ROCK IN RIO II”の5日目です。本作の第2回目は、第1回の1985年から6年の間を空けての開催。9日間で40組が出演したわけですが、そのラインナップはプリンス、NXS、NEW KIDS ON THE BLOCK、ジョージ・マイケル等々、かなり雑多でした。そんな総合ロック祭の中で「5日目」だけが異様なムード。他日とイメージが異なり、今をトキめくヘヴィメタル・バンドのラッシュだったのです。特に核となっていたのが、JUDAS PRIEST/MEGADETH/QUEENSRYCHEの3連発。本作は、そんなROCK IN RIOを鋼鉄色に染め変えた「5日目」の3組を過去最高クオリティのマルチカメラ・プロショットで総まとめした1本なのです。しかも、この3組はバンドの状況も最高。なにしろ、当時の彼らは『PAINKILLER』『RUST IN PEACE』『EMPIRE』といった超名盤をリリース。いずれも頂点的なバンド・ポテンシャルがプロショット映像で繰り広げられるのです。それでは、各ディスクをご紹介していきましょう。
【ディスク1:JUDAS PRIEST】
まず登場するのは、我らが鋼鉄神JUDAS PRIEST。現場の出演順ではトリのGUNS N' ROSESの前に鎮座する準トリだったわけですが、本作では主役のトップに配しました。そのクオリティは絶品。90年代の南米だけにオフィシャル級とはいかないわけですが、近年になって発掘されたマスターは幾多の既発とは別次元。ダビング痕による歪みもなく、線ノイズなく、鮮やかな発色は当時そのまま。そのクオリティで描かれるショウがまた、極めつけの重金属パラダイス。なにしろ、かの超名盤『PAINKILLER』時代ですから、プリースト史上でも濃厚な金属光沢。それでいて、再結成以降とは違ってロブもオリジナル・キーで叫びに叫ぶのですから……。この“PAINKILLER TOUR”というと、先日発掘された最高峰『IRVINE 1991』も大好評ですが、そこでは観られない「Grinder」「Beyond The Realms Of Death」「Victim Of Changes」も演奏しています。実際のところ、その『IRVINE 1991』、メガデスとのカップリング・ギフト『DETROIT 1990』、そして本作のリオの3本こそ「PAINKILLER TOURの3大プロショット」と言われるもの。当店ではリオのみ扱ってきませんでしたが、その最後の1本の過去最高クオリティ版を収録いたしました。
【ディスク2:MEGADETH】
続くは、マーティ・フリードマン&ニック・メンザを迎え、黄金期に突入したばかりのMEGADETH。アメリカ・ツアーではプリーストの前座を務めていました(そのため、オーバーンヒルズ公演のプロショット『DETROIT 1990』もカップリング)が、ROCK IN RIOでも同日に出演していました。これまた大人気『RUST IN PEACE』時代の貴重なプロショットのため、幾多の既発を生んできた有名映像。しかし、本作のクオリティは、そんな既発を一掃する素晴らしいもの。既発ではダビングを重ねた劣化が激しく、メンバーが2重にブレるものも珍しくありませんでした。しかし、本作のマスターは鮮明&クリアで、見違えるように美しい。複数の放送から可能な限り多くの曲を収録しているため、クオリティが完全に一定しているわけではなく、冒頭「Hangar 18」ではマスター起因の歪みが少々入ってしまいます。しかし、基本の画質はオフィシャル作品にも引けを取らないもので、テープ歪みも2曲目以降は激減。貴重極まる『RUST IN PEACE』時代の光景がたっぷりと味わえます。その『RUST IN PEACE』時代のパフォーマンスこそ、MEGADETH史上唯一にして無二のパラダイス。マーティ&ニックを得て演奏力が激しくレベルアップしつつ、間口を広げた『COUNTDOWN TO EXTINCTION』以降とは違った爆走天国。「巧くなったから速くしようぜ」と言わんばかりの爆走は走れど走れどアンサンブルが崩れない。ややこしいリフと複雑な展開を次々とこなしつつ、スタジオ盤とは次元の違う猛スピードで駆け抜けるのです。猛スピードのスラッシュバンド、複雑な曲のメタルバンドはいくらもいますが、ここまで激しく鋭く、それでいて余裕や安定感まで感じさせるほど緻密に疾駆するメタルは(このツアーの)MEGADETHだけでしょう。
【ディスク3:QUEENSRYCHE】
最後は、これまた代表作『EMPIRE』で全盛期の輝きに包まれていたプログレメタルの王QUEENSRYCHE。これもMEGADETHと同じく複数放送から最長を目指して編集されているので一定ではありませんが、基本クオリティは3バンドの中でも格別に美しい……いえ、このレベルはそれどころではない。“ROCK IN RIO II”の全映像を見渡してもトップクラス、いわゆる「南米クオリティ」とはかけ離れた映像美なのです。そして、その中身がまたQUEENSRYCHEの頂点。ジェフ・テイト&クリス・デガーモもそろった“黄金の5人”が一堂に会し、『THE WARNING』から『EMPIRE』までの超名曲ばかりを繰り広げる。ショウの核になっているのは名盤『OPERATION: MINDCRIME』のダイジェスト版で、あの近未来世界がリオに広がる大観衆の海を揺らす。他のプロショットでは味わえない大スペクタクルが画面いっぱいに広がるのです。各バンドの大定番プロショットばかりですが、いずれも既発とは次元の違うマスターで最高峰を更新する極上品。そして、そんな3つの映像を畳みかけるからこその醍醐味が押し寄せる逸品です。この直後、湾岸戦争に端を発する業界不況とグランジ旋風のダブルパンチに見舞われ、急速に勢いを失っていったヘヴィメタル。ハッキリ言えば、IRON MAIDENが“METAL 2000 TOUR”で復活の狼煙を上げるまでの10年間、メタル・シーンは死んでいました。しかし、本作にはその暗黒時代に突入する間際の、最後の輝きが詰まっているのです。しかも、本作の3組は、その最前線にも立っていた。JUDAS PRIESTはより“メタルの核”を追求し、MEGADETHは独自のインテレクチュアル・メタルを創造し、QUEENSRYCHEもプログレスの歩みを早めようとしていた。単にメインストリームの輝きを放つだけでなく、“未来”へと突き進もうするヘヴィメタル。その輝きに充ち満ちた1本。。
Maracana Stadium, Rio de Janeiro. Brazil 23rd January 1991 PRO-SHOT
Disc 1 (73:20) JUDAS PRIEST
1. Intro. 2. Hell Bent For Leather 3. Grinder 4. The Hellion/Eletric Eye 5. All Guns Blazing 6. Metal Gods 7. The Ripper 8. Beyond The Realms Of Death 9. Victim Of Changes 10. Painkiller 11. The Green Manalishi 12. Breaking The Law 13. Living After Midnight 14. You’ve Got Another Thing Comin'?
Disc 2 (52:01) MEGADETH
1. Hangar 18 2. Tornado of Souls 3. Skull Beneath the Skin 4. The Conjuring 5. In My Darkest Hour 6. Lucretia 7. Devil's Island 8. Take No Prisoners 9. Holy Wars... The Punishment Due 10. Anarchy in the U.K. 11. Peace Sells 12. MTV Headbanger’s Ball Interview
Disc 3 (44:47) QUEENSRYCHE
1. Resistance 2. Walk In The Shadows 3. Best I Can 4. Empire 5. Anarchy-X 6. Revolution Calling 7. Operation: Mindcrime 8. Eyes Of A Stranger 9. Take Hold Of The Flame 10. Interview To Headbangers Ball 11. I Don't Believe In Love
PRO-SHOT COLOUR NTSC Approx.170min.