いよいよ、強烈無比な公式アーカイヴ『THE EARLY YEARS 1965-1972』が公開されようとしています。すでに予約済みで到着が待ちきれない方も、27枚組のボリュームに気後れされている方も含め、さながら秋の初期フロイド祭りのようなムードさえ漂っています。本作に収められているのは、本国イギリスで放送されたBBCの音楽組“BEGINNINGS: 1967-1972”。つい先頃、「2016年10月21日」に放送されたばかりのフロイド特番です。タイトル通り、極初期のライヴ映像を1時間に渡ってこれでもか!と放送する番組で、余計なコメントや解説もなく、ただひたすら極初期の彼らをBBC秘蔵マスター&最新デジタル放送の超美麗画質でたっぷりと見ることができます。その番組コンセプトから言っても、放送時期からしても公式アーカイヴ『THE EARLY YEARS 1965?1972』を意識しているのは明らかですが、その告知や宣伝は一切ありません。まだ『THE EARLY YEARS 1965?1972』がリリースされていないのでマスター重複の断言は避けますが、恐らくは抜粋だと思われます。その中身は、めくるめく初期フロイドの極楽。もちろん、25時間に及ぶ巨大なオフィシャル・ボックスのスペクタクルはないわけですが、逆に1時間番組ならではの濃縮感が素晴らしい。本家イギリスBBCの編集だけに、美味しいところを正確に理解しており、選択・編集センスもバツグン。“時代の匂い”に浸るには、1つひとつの素材をじっくり観られるボックスには及ばないのでしょうが、1時間枠に濃縮されることで“時代の流れ”が感じ取れるのです。本作から立ち上る時代感覚は、60年代末当時だけの話ではありません。もちろん、本作に詰まっているのは当時の映像だけですが、それが実現した“現代”の匂いなのです。いかに時間が経過しようと忘れられることなく、デイヴ・ギルモアやロジャー・ウォーターズがPINK FLOYDナンバーで世界を沸かし、この巨大なアーカイヴ事業までもが実現する“2016年”。そして、大御所BBCが特番まで組む“今”を味わい尽くせる1本なのです。歴史的な公式アーカイヴに合わせて放送されたBBC特番。いかにPINK FLOYDが愛され、その音楽を世界が求めているのか。それを言葉にすることなく、60年代末の映像と音楽、そして特番の存在感で描いていく1時間。胸焦がれる“今”だからこそ感慨が深く染み渡る1枚。
BBC Four broadcast 21st October 2016
1. Astronomy Domine (1967) (Look Of The Week BBC TV) 2. Jugband Blues (1968) (Filmed in 1967 for London Line) 3. Paintbox (1968) (Discorama, French TV) 4. Improvisation (1968) (The Sound Of Change, BBCTV) 5. It Would Be So Nice (Extract) (1968 Release) (Rome Goes Pop, BBC TV)
6. Flaming (1968) (Tous En Scene, French TV) 7. Let There Be More Light (1968) (Surprise Party, French TV) 8. Set The Controls For The Heart Of The Sun (1969) (Forum Musique, French TV) 9. Careful With That Axe Eugene (1969) (Essencer Pop & Blues Festival, German TV)
10. Green Is The Colour (1970) (KQED TV, San Francisco) 11. Atom Heart Mother (Choir & Orchestra) (1971) (German TV, Musikforum Ossiachersee) 12. Atom Hearty Mother (Band Only) (1970) (St. Tropez) 13. Improvisations For "Show Roland Petit" (1970) (French TV first broadcast 1971)
14. What's....Uh The Deal (1971) (Obscured by Clouds Sessions-France)
PRO-SHOT COLOUR NTSC Approx. 59min.