“THE NEW WORLD TOUR 1993”の極上オーディエンス・ショットがリリース決定です。このツアーにはシャーロット公演を筆頭に日本公演や南米などのプロショットはいくつかありましたが、本生100%のオーディエンス・ショットというと、あまり良いものに恵まれてきませんでした。しかし、本作は最近になってネットに登場した極上ショット。観客の1人となって素晴らしき“THE NEW WORLD TOUR”の世界に浸りきれる逸品なのです。そんな本作が撮影されたのは「1993年6月13日フィラデルフィア公演」。良い機会ですので、ここで“THE NEW WORLD TOUR”の全容から振り返ってみましょう。
・1993年2月18日-23日:欧州#1(4公演)・1993年3月5日-27日:オセアニア(10公演)・1993年4月14日-6月15日:北米(22公演) ←★ココ★ 《2ヶ月半後》 ・1993年9月3日-10月27日:欧州#2(28公演)・1993年11月12日-19日:日本(5公演)・1993年11月25日+27日:メキシコ(2公演)・1993年12月3日-16日:南米(6公演)
これが“THE NEW WORLD TOUR”の全77公演。本作に収められたフィラデルフィア公演は、北米レッグ最終盤のショウでした。「北米レッグ」と言えば、このツアーでもっとも有名なシャーロット公演のプロショット『LIVE IN THE NEW WORLD: CHARLOTTE 1993』は最終日。本作は、そのシャーロット公演の“1つ前”のコンサートでもあるのです。
まさに“大定番映像のオーディエンス版”とも言えるわけですが、本作自体のクオリティも定番化必至。ステージ中央を真っ正面に据えた遠景ショットなのですが、その映像美はバツグン。当時のビデオカメラ撮影だけにズームにすると安定感が心配になりそうですが、本作では最初から無理なズームに挑まず、ひたすら安定して全景を映し続けている。そのため「ポールの表情まで分かる」とはいきませんが、遮蔽物もなく真っ直ぐステージを見据え、視界いっぱいにステージだけが広がる。まさに“特等席体験”をさせてくれる映像なのです。残念ながらショウ中盤のアコースティックセットの3曲「Michelle」「Biker Like an Icon」「Here, There and Everywhere」は未収録なのですが、どうやらそこでポジションを移動したらしく、その後はステージ左側からの見下ろしショットに代わる。しかし、遮蔽物なしの鮮やかさや安定感に変化はなく、一層近いポジションになってクリアさは向上。さらに時折カメラに振ったかと思うと、そこに現れるのはポールが大写しになったステージ・スクリーン! 「Live and Let Die」の爆発もスペクタクルたっぷりの全景で押さえています(ここで画面に演出加工が入るのですが、その時代感がまた凄いです)。そんな本作は、マスター鮮度も素晴らしい。ダビング痕がまったく見当たらず、線ノイズの1本すらなく、発色も鮮やか。撮影機材にこそ時代を感じますが、当時の機材で昨日録ったような鮮度がたっぷりと味わえます。サウンドもまた、その光景に相応しい。こちらも遮蔽物がないからこその真っ直ぐ感でレーザービームのように届くクリアさ。映像美、サウンド共に堂々とツアーを代表する見事な記録なのです。そのクオリティで描かれるのは、先ほどもご紹介した通り、シャーロット公演の名演に肉薄するショウ。基本のセットリストはシャーロット公演に準じますが、そのプロショットでは観られない「Coming Up」やビートルズの「And I Love Her」「Fixing A Hole」も観ることができます。“THE NEW WORLD TOUR 1993”の新定番になるであろう素晴らしいクオリティ。そして、馴染みまくった大定番プロショットのオーディエンス版としても楽しめる“1公演前”映像です。プロショットとは違う“体験感”で23年前に連れて行ってくれる1枚。
Live at Veterans Stadium, Philadelphia, PA. USA 13th June 1993
Disc 1 (64:10)
1. Drive My Car 2. Coming Up 3. Looking For Changes 4. Another Day 5. All My Loving 6. Let Me Roll It 7. Peace in the Neighborhood 8. Off The Ground 9. Can't Buy Me Love 10. Robbie's Bit (Thanks Chet) 11. Good Rockin' Tonight 12. We Can Work It Out 13. And I Love Her 14. Every Night 15. Hope of Deliverance
16. Yesterday 17. My Love 18. Lady Madonna 19. Live and Let Die
Disc 2(60:47)
1. Let It Be 2. Magical Mystery Tour 3. C'mon People 4. The Long and Winding Road 5. Paperback Writer 6. Fixing a Hole 7. Penny Lane 8. Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band 9. Band on the Run 10. I Saw Her Standing There 11. Hey Jude
Paul McCartney: Lead Vocals, Bass, Guitar, Piano Linda McCartney: Keyboards, Backing Vocals Hamish Stuart: Guitar, Bass, Backing Vocals Robbie McIntosh: Guitar, Backing Vocals Paul "Wix" Wickens: Keyboards, Accordion, Backing Vocals Blair Cunningham: Drums
COLOUR NTSC Approx. 125min.