一般的な人気面で頂点を極めていた“BIG GENERATOR TOUR 1987-1988”の極上映像が登場です。ヒット曲でチャートを賑わせていた時期にも関わらず映像の少ない“90125 YES”ですが、本作はその極上体験をさせてくれる逸品です。本作が撮影されたのは「1988年1月24日ハリウッド公演」。何より素晴らしいのは、そのアングル。ステージ右側(トレヴァー・ラビン側)2階席からの見下ろしショットですが、最前列だったのか観客の腕も頭も一切映り込まない。視界全体が“90125 YES”に占領される極上視野なのです。そして、安定感もバツグン。さすがに隠し撮りだけに(思いっきり引くと画面端に隠し穴の影が見える)三脚ほどの不動の安定感は望めませんが、フリーハンドにしては驚異的にブレない。しかも、各メンバーのフレーズに合わせて果敢に、素早くズームするのですが、機材の限界に挑戦したアップでもその安定感が変わらないのです。そんな撮影者の努力とセンスを現代に伝える画質も素晴らしい。1988年ですから当然アナログ・ビデオ撮影なのですが、1genマスターVHSからデジタル化された映像美は劣化も最小限。1回とは言え、アナログ・ダビングを経ているだけに、画面端にごく僅かな歪みや輪郭の甘さがあるのですが、ノイズの類はいっっさいなく艶やかな画質が美しい。サウンドも同じく鮮度バツグン。遮蔽物ゼロの視野と同じく晴れ渡ったクリア・サウンドで、各楽器の輪郭までハッキリ。そこに(いつの時代も変わらない)美しいコーラスが会場隅々にまで行き渡っていくのです。そんなクオリティで体験する“BIG GENERATOR TOUR”の素晴らしいこと……。このツアーからは決定盤プロショット『PHILADELPHIA 1987 1ST NIGHT』もご紹介しましたが、ツアー初期の1987年だったフィラデルフィア公演とは異なり、本作はツアーも中盤にあたる1988年。かのプロショットでは観られなかった「Rhythm Of Love」「Big Generator」も追加され、一層“大成功期”のムードが濃厚。そうかと思いきや、『海洋地形学の物語』から「Nous Sommes Du Solei」も披露されるなど、アクセントに富んだショウがたっぷりと味わえるのです。そして、こうしたクラシックスでも大いに盛り上がるから当時のYES人気は本物。プロショット『PHILADELPHIA 1987 1ST NIGHT』でもジョン・アンダーソンが大声援に胸を詰まらせるシーンがありましたが、それは本作でも味わえる。精緻を極める「Heart Of The Sunrise」が疾走した後、大観衆から贈られる惜しみない大喝采の渦。ジョンは、この日も目頭を押さえながら客席を見渡すのです。ただ、そこに映し出される感動の質はちょっと違う。『PHILADELPHIA 1987 1ST NIGHT』では、ツアー冒頭の新鮮さからか「なんでことだ……」という“衝撃”が感じられましたが、それに対して本作では「あぁ、ハリウッドでも……」という感じ“噛みしめ”とでも言えば良いでしょうか。毎晩、毎晩、行く先々での歓待を全身に浴びていたであろうジョン。新鮮さではフィラデルフィア公演ほどの驚きはありませんが、本作は本生100%映像だからこそ、現場に立ち会っているからこその感動が胸に迫るのです。プロショットはまたひと味違う“その場にいる”感。オーディエンス・ショットだからこその醍醐味を、極上の視野・画質・音質で味わわせてくれる傑作映像です。“90125 YES”の真価を味わう意味でも、「成功」の二文字を噛みしめる彼らに出会うためにも最高の1本。
Live at Hollywood Sportatorium, Hollywood, Florida, USA 24th January 1988 AMAZING SHOT (121:29)
1. Rhythm Of Love 2. Hold On 3. Heart Of The Sunrise 4. Big Generator 5. Changes 6. Shoot High Aim Low 7. Holy Lamb 8. Si / Solly's Beard 9. Make It Easy / Owner Of A Lonely Heart 10. Yours Is No Disgrace 11. Nous Sommes Du Solei 12. Amazing Grace 13. And You And I 14. Wurm 15. Love Will Find A Way
16. I've Seen All Good People 17. Roundabout
Jon Anderson - Vocals Trevor Rabin - Guitars, Vocal Chris Squire - Bass, Vocal Tony Kaye - Keyboards Alan White - Drums
COLOUR NTSC Approx.122min.