ギタリストの中のギタリスト、アル・ディ・メオラ。その忘れられし幻の名作オフィシャル映像が復刻です。その映像作とは、1992年に公式リリースされた『PALLADIUM 1992』。現存するベスト・マスターからDVD化された1枚です。この映像が撮影されたのは、1992年のニューヨーク。伝統の名会場“パラディウム”でのショウを収録した公式マルチカメラ・プロショットです。当時、“AL DI MEOLA PROJECT”名義の公式作品としてVHS/レーザーディスクでリリースされたのですが、すぐに廃盤。現在に至るまでDVD化されることもなく、26年に渡って眠ってきたオフィシャルの名作なのです。本作は、その名作を精緻人デジタル化したもの。プレス数が少なかったのか、レーザーディスクでさえミント・クオリティは難しいと言われているほど幻中の幻作品なのですが、本作では海外のコア・マニアが現存する2つの極上マスターを駆使。完全形として復刻したものなのです。その映像美は、まさに最高峰。90年代のオフィシャル撮影ですから公式級なのは当たり前ですが、さらにマスター鮮度が絶品。走行ムラどころか白線ノイズ1本すらない映像美は実に滑らかで、チリ1つ感じられないほどに艶やか。もちろん、2つのマスターを使用しているためにシーン毎に厳密にはクオリティ差が発生しているはずなのですが、接続も極めて自然に仕上げられているためにいつマスターが変わったのか分からない。当然、音声も超極上のステレオ・サウンドボードで、アル・ディ・メオラを含むアンサンブルの妙技が細部まで超鮮明に堪能できるのです。そんなクオリティで描かれるショウこそが極めて素晴らしい。一言で言ってしまえば『KISS MY AXE』+『WORLD SINFONIA』。もちろん、アコースティックの『WORLD SINFONIA』とエレクトリックの『KISS MY AXE』ではまるで世界が異なり、本作の軸となっているのは『KISS MY AXE』の方。そもそもバンドが『KISS MY AXE』をベースにしており、アルバムにも参加したバリー・マイルス、レイチェル・Z、トニー・シャー、リッチー・モラレス、ガンビ・オーティスが顔を揃えている。それはセットにしても同じでして、演奏される7曲のうち6曲までが『KISS MY AXE』の収録曲。あの名作の本生版として楽しめるのです。それだけ『KISS MY AXE』カラーが濃厚な中で、唯一異彩を放っているのが中盤に配されたアコースティック・セクションの「Tango Suite」。もちろん『WORLD SINFONIA』のナンバーですが、これがたかが1曲ではありつつ、されど1曲。実はこれが約16分にも及ぶ熱演でして、『WORLD SINFONIA』でもパートナーを務めたクリス・キャリントンとの妙技がたっぷりと味わえるのです。1991年にアコースティックの『WORLD SINFONIA』とエレキの『KISS MY AXE』を立て続けに発表したアル・ディ・メオラ。その名盤2作の世界をステージに持ち込んだオフィシャルの映像傑作です。16年の刻が過ぎ、今や公式再発も望めない映像ではありますが、その芳醇な音楽世界は歴史の闇に埋もれさせるにはあまりにももったいない。その想いを共にする海外マニアが精魂を傾けてDVD化した1枚。
Live at the Palladium, New York, USA 1992 PRO-SHOT(56:02)
1. Introduction 2. Kiss My Axe 4. One Night Last June 5. Phantom 6. Tango Suite 7. The Embrace 8. Southbound Traveler
Al Di Meola - Guitars Barry Miles - Keyboards Richie Morales - Drums Rachel Z - Keyboards Gumbi Ortiz - Congas, percussion Tony Scherr - Bass Chris Carrington - Guitar
PRO-SHOT COLOUR NTSC Approx.56min.