世界中のプログレ・マニアを湧かせている“ROYAL AFFAIR TOUR”のヘッドライナーとしてツアーを先導しているYES。その超極上映像が登場です。そんな本作に収められているのは「2019年6月12日ベツレヘム公演」。その一部始終をフル収録したオーディエンス・ショットです。このショウは先日もASIAとのカップリング4枚組『BETHLEHEM 2019』でもレポートしました。そこには映像編も収録されていましたが、YESはわずか2曲だけでした。本作は、その完全版映像なのです。“ROYAL AFFAIR TOUR”の概要は同時リリースとなる『WHITE PLAINS 2019』の解説に譲るとして、ここではYES自体の活動からショウのポジションを振り返ってみましょう。●2019年・2月4日-9日:CRUISE TO THE EDGE・2月19日-24日:日本(5公演)“ROYAL AFFAIR TOUR”・6月12日-7月28日:北米(28公演)←★ココ★●2020年・3月27日-4月1日:CRUISE TO THE EDGE
これが現在までに公表されている2018年/2019年のスケジュール。今年2月の来日公演も記憶に新しいところですが、今回の“ROYAL AFFAIR”はその直後にあたる「北米」ツアー。2019年はこのカップリングツアーがメインであり、その後は来年の“CRUISE TO THE EDGE”が予定されています。そんな中で本作のベツレヘム公演は“ROYAL AFFAIR”の初日となるコンサートでした。そんなショウで撮影された本作は、「超」を際限なく並べたくなる極上クオリティ。ASIAとのカップリング4枚組『BETHLEHEM 2019』と同じく「Tapehead2」氏による撮影マスター。当時は「The Gates of Delirium」「Imagine」だけを公開していたものの、その後になってフルショウ分が公開されたのです。その4枚組でつまみ食いされた方なら「アレの完全版!」だけで心を決められていると思いますが、未体験の方に改めてご紹介しますと、この映像はステージ左寄り(ハウ寄り)から斜めに撮影されたオーディエンス・ショットなのですが、その角度以上の詳しいポジションが分からない。何しろ、観客の姿がまったく入らず、視界全部をステージだけが占領。大騒ぎする客層ではないとは言え、その直視ぶりは通常のオーディエンス撮影とは次元が違い、まるで客の入っていないリハーサルを撮影しているかのようです。そして、そのステージを描く最新デジタルの高画質ぶりも圧倒的。各メンバーのプラチナ・ブロンドの1本1本まで鮮やかなだけでなく、衣装の繊維やモニター・スピーカーの編み目までクッキリ。ステージには各所にスクリーンが設置されて色とりどりのイメージCGが流されているのですが、そのLEDの粒まで分かるほど。しかも、その広い視野からグイグイとズームしていくのです。そして、サウンドもその絶景に相応しい……どころでは済まないから凄い。距離感をまったく感じさせない極太の芯が耳元に飛びこみ、ディテールまで超鮮明。ホール鳴りもヘッドフォンで耳を澄ませてやっと気づく程度の極々うっすらとしたもので、丸出しのPA音を艶やかに彩りこそすれ、曇りや濁りは一切起こさない。4枚組『BETHLEHEM 2019』では衝撃のライヴアルバムとしてご紹介したわけですが、まさに「まるでサウンドボード」と呼ぶに相応しい超絶級サウンドなのです。そんな超絶景&超絶サウンドで描かれるショウは、現在世界中のマニアを湧かせている激レア・セット。オープニングから『TIME AND A WORD』の「No Opportunity Necessary, No Experience Needed」が飛び出し、先日の日本公演でも聴けなかった「America」や「Going For The One」を畳みかけ。さらに久々の「Onward」やら18年ぶり(!)の「The Gates Of Delirium」やら15年ぶりの「Rhythm Of Love」やら。特に「Rhythm Of Love」のオリジナルに関わったのはアラン・ホワイトだけであり、誰も予想していなかったサプライズなのです。そのアランもポイント。ショウの大半はジェイ・シェレンがドラムを務めているのですが、この「Rhythm Of Love」から終演までの4曲はアランにスイッチしている。そして、その4曲の中には、なんとジョン・レノンの「Imagine」も披露しているのです。もちろん、この歴史的名曲のオリジナル・ドラマーはアラン。YESとしてはこの日が全世界初演であり、ちょっと試すような遊びではなく、しっかりとフル演奏しています。また、GTRの「Sketches In The Sun」も美味しい。この曲は本作のベツレヘム公演と次のニューヨーク公演の2回だけでセット落ちしており、その後はハウの「Cactus Boogie」や「Clap」に入れ替えられてしまいました。しかも珍しいだけでなく、この曲が入る事で本作の全12曲はすべて異なるアルバムからのセレクトということになる。特に時系列ではないものの、1曲1曲で長いキャリアを飛び交い、トータルで歴史を総括するようなショウなのです。とにもかくにも超絶なる映像美、異様な次元のサウンド。そのクオリティで「Sketches In The Sun」も美味しい“ROYAL AFFAIR TOUR”初日を体験できる映像作品です。恐らく2019年の最高傑作になるであろう1枚。
Live at Sands Bethlehem Event Center, Bethlehem, PA, USA 12th June 2019 AMAZING SHOT!!!!
1. Firebird Intro 2. No Opportunity Necessary, No Experience Needed 3. America 4. Going for the One 5. I've Seen All Good People 6. Sketches in the Sun 7. Siberian Khatru 8. Onward 3. Tempus Fugit 9. Rhythm of Love 10. The Gates of Delirium 11. Imagine 12. Roundabout
Steve Howe - guitar, vocals Geoff Downes - keyboards, vocals Jon Davison - vocals, acoustic guitar, percussion, keyboards Billy Sherwood - bass, vocals Jay Schellen - drums, percussion Alan White - drums
COLOUR NTSC Approx.108min.