二度と戻らない“黄金の5人”が揃った最後の“35TH ANNIVERSARY TOUR”。その超・極上プロショットが復刻です。そんな本作に収められているのは「2004年7月8日ルガノ公演」。スイス伝統の音楽祭“LUGANO ESTIVAL JAZZ”に出演した際のマルチカメラ・プロショットです。さまざまな英雄が行き交うYES史において“黄金の5人”と言えば、「アンダーソン/スクワイア/ハウ/ウェイクマン/ホワイト」。何度も離合集散を繰り返した5人でしたが、彼らが最後に手を組んだのは2002年-2004年のこと。まずは、その歩みの中でショウのポジションを振り返っておきましょう。
●2002年:リック・ウェイクマン合流・7月17日-8月25日:北米#1(26公演)・10月24日-12月8日:北米#2(29公演)●2003年:“FULL CIRCLE TOUR”・6月3日-7月22日:欧州#1(32公演)・9月12日-27日:日本/オセアニア他(9公演)・10月4日:ARROWFEST 2003
●2004年・1月26日-28日:アンプラグド・ショウ(3公演)“35TH ANNIVERSARY TOUR”・4月15日-5月15日:北米#3(18公演)←※公式映像・6月2日-7月12日:欧州#2(23公演)←★ココ★・8月17日-9月22日:北米#4(23公演)《ジョン&リック離脱》
これが“黄金の5人”最後の3年間。3つのツアーを実施しましたが、その最後は結成35周年を祝うアニバーサリー。このツアーはオフィシャル作品『SONGS FROM TSONGAS』としても残されていますが、それは5月の北米公演。それに対し、本作のルガノ公演は約2ヶ月後となる「欧州#2」20公演目のコンサートでした。そんなショウを伝える本作は、まさに「超」の付く極上マルチカメラ・プロショット。時代柄アナログエアチェック……かと思いきや、さにあらず。イタリアのTV局によるデジタル・マスターであり、劣化ナシの超ビビッド・クオリティなのです。実際、このマスターが登場した際には専門も大激賛。「画質と音質は完全にプロ並み」「オフィシャル盤DVDの『35周年コンサート』よりクオリティが高いかもしれない」「TV番組にしては良く出来すぎた内容」「ミックスも全体的に良好であり、ひひとりひとりのプレイを聴き漏らすこともないし、バック・ヴォーカルのヴォリュームも多きめなので、クリス・スクワイアやスティーヴ・ハウの渾身のヴォリュームも(上手い下手は別として)楽しむことができる」「オフィシャル以上の感動を与えてくれる逸品である」「史上最高傑作!」……と、言葉の限りを尽くして賞賛されたのです。もはや追加することなどないほどですが、あえて付け加えるならカメラワークの素晴らしさ。この放送から15年の間に進歩したものといえば、画質・音質以上に撮影技術。現在では人間がカメラに張り付く事はなく、コンピュータ制御によって自由自在なカメラワークができるようになっている。この当時もその技術は実用化されていたのですが、今の目で見るとくの放送がカメラの動きに試行錯誤が感じられます。ところが、本作は現代の眼にも見事であり、ダイナミックに動きまくる。今となってはあり得ない“黄金音5人”のフルショウを現代感覚で観られるプロショットなのです。その映像美で描かれるのは「もう1つの35周年コンサート」「SONGS FROM LUGANO」となるもの。同じツアーだけにセットは酷似していますが、細部が異なっており、大曲「Ritual (Nous Sommes du Soleil)」がない等、やや小粒感がある。しかし、その代わり(?)に披露されるレパートリーも美味しく、スクワイアのソロ「Whitefish」が演奏(ニヤッと笑う表情がカッコイイ……)され、公式映像ではアコースティックの一部だった「Roundabout」もアンコール・ラストにフル演奏されるのです。そして、それ以上なのが演奏そのもの。このショウは街中に特設された野外ステージなのですが、生憎の雨模様。開演当初は天候のせいか7000人の観客もあまり盛り上がっていないのですが、それを挽回しようとしたのか演奏には覇気がこもる。いつものように緻密で複雑な曲想を、いつにも増してパワフルに描いていくYES。アランのビートは1打1打が力強く、スクワイアのバキバキとノリが良い。ハウやリックにしてもいつも以上に鮮やかにフレーズを決めまくれば、ジョンも「One, two, three, four!」と観客を煽っていく。さらにショウが進むほどに天候も回復したのか、観客もどんどん反応が良くなっていくのです。そんなフルショウの後には、リック・ウェイクマンによるバックステージの様子もボーナス収録されていますが、それ以上に本編ライヴが圧倒的すぎる。これこそ“黄金の5人”最後期の大熱演。専門誌からも「オフィシャル以上」「史上最高傑作!」と激賛されたフルショウを放送局のデジタル・マスターによって描く超・極上プロショットです。15年を経ても超える物のない2時間20分の頂。
Live at Lugano Estival Jazz, Switzerland 8th July 2004 PRO-SHOT
1. Intro. 2. Firebird Suite 3. Going For The One 4. Sweet Dreams 5. I've Seen All Good People 6. Mind Drive part 1 7. South Side Of The Sky 8. Footprints 9. Mind Drive part 2 10. Yours Is No Disgrace 11. Second Initial
12. Wakeman Solo 13. Long Distance Runaround 14. Whitefish 15. Owner Of A Lonely Heart 16. Rhythm Of Love 17. And You And I 18. Starship Trooper 19. Roundabout Bonus Track : Rick Wakeman at Back Stage
Jon Anderson - Vocals Steve Howe - Guitars Chris Squire - Bass Rick Wakeman - Keyboards Alan White - Drums
PRO-SHOT COLOUR NTSC Approx. 140min.