極上映像『FLOW FESTIVAL 2019』も大好評真っ最中のTHE CURE。そんな彼らの最新作にして、更なる超絶級のプロショットが登場です。そんな本作が撮影されたのは「2019年8月23日サン=クルー公演」。フランスの名物フェス“ROCK EN SEINE”に出演した際のマルチカメラ・プロショットです。衝撃なのは完全オフィシャル級だった『FLOW FESTIVAL 2019』さえも凌駕する異常なクオリティなのですが、まずはショウのポジション。2019年のツアー・スケジュールを俯瞰して確かめてみましょう。
・3月16日+21日:南アフリカ(2公演)・3月29日:ロックの殿堂セレモニー・5月24日-30日:豪州(5公演)・6月8日-7月25日:欧州#1(17公演)・7月28日:FUJI ROCK出演・8月3日-23日:欧州#2(6公演)←★ココ★・8月31日:PASADENA DAYDREAM出演
・10月5日+12日:AUSTIN CITY LIMITS出演《10月18日『40 LIVE: CURAETION-25 + ANNIVERSARY』発売》 これが現在までに公表されている日程。ツアーは今年の予定はほぼ終了しており、残すは10月の“AUSTIN CITY LIMITS”出演だけとなっています。そんな中で本作のROCK EN SEINE公演は「欧州#2」の最終日にあたるコンサートでした。今年の“ROCK EN SEINE”は8月23日-25日の3日間で開催され、総勢62組のバンド/アーティストが参加。THE CUREは初日メイン・ステージのトリとして出演しました。さて、本題。そんなショウを記録した本作のクオリティは……ちょっとシャレになってない。前述した通り、先日ご紹介した『FLOW FESTIVAL 2019』も文句なく公式級だったのですが、本作はまったくの別次元。究めて美意識の高い映像なのです。まず画面サイズからして16:9よりも横長なシネスコですし、カメラワークも劇場映画風。手元や表情ドアップが大量にあるのは当然として、その上でロングも多用されてスケール感も気品もたっぷり。さらには1カット1カットも凝りっ凝りで、ちょっと斜め角度にしたカットや曲想に合わせたぼかし、わざとフリーハンド風にブレさせて躍動感を演出したり、幻想感を醸すための淡い色彩、街並み丸ごとの空撮等々など……その映像手法は明らかにロックのコンサート放送ではない。しかも、瞬間瞬間の話ではなく、そんなデザイン化されたカットが延々とフルショウを貫いている。詳しい情報は伝わっていませんが、恐らくは大作映画の制作スタッフが手掛けているのでしょう。そうとしか思えない気品と芸術の映像美なのです。もはや「ライヴ映像」ではなく「音楽映画」と呼ぶべきクオリティで描かれるショウは、先日の日本公演や『FLOW FESTIVAL 2019』に通じつつも似て非なるもの。ここでセットの内容を整理しておきましょう。
●SEVENTEEN SECONDS(2曲)・Play for Today、A Forest ●THE TOP(2曲)・Shake Dog Shake、The Caterpillar ●THE HEAD ON THE DOOR(4曲)・Push、In Between Days、A Night Like This、Close to Me ●KISS ME(2曲)・Just Like Heaven、Why Can't I Be You?
●DISINTEGRATION(7曲)・Plainsong、Fascination Street、Last Dance、Pictures of You、Lovesong、Disintegration、Lullaby ●WISH(3曲)・High、From the Edge of the Deep Green Sea、Friday I'm in Love
●その他(7曲)・Boys Don't Cry、Primary(FAITH)、Just One Kiss、The Walk、Never Enough(MIXED UP)、Burn(THE CROW SOUNDTRACK)、39(BLOODFLOWERS) ……と。このようになっています。「Boys Don't Cry」から「39」まで幅広く選ばれつつ、軸となっているのは大ヒット作『DISINTEGRATION』。今年30周年を迎えた事と関係あると思われますが、『FLOW FESTIVAL 2019』からさらに「Plainsong」「Disintegration」まで追加され、7曲もの大盤振る舞い(代わりに『PORNOGRAPHY』が落ちています)。もちろん、7年ぶりの復活となった「Just One Kiss」も披露してくれます。
何はともあれ、強烈な美意識を感じる映像美。そんじょそこらのプロショットとはワケが違う、見事な見事な映像作品です。あまりのクオリティに生々しい体験感はあまり感じられませんが、ここまで美しいコンサート映像はそうそうお目にかかれない。そんな次元で日本公演を彷彿とさせる最新ショウを目撃できる……。まさに2019年の至宝となる1枚。
Domaine national de Saint-Cloud, Saint-Cloud, France 23rd August 2019 PRO-SHOT (139:53)
1. Intro 2. Plainsong 3. Pictures of You 4. High 5. A Night Like This 6. Just One Kiss 7. Lovesong 8. Last Dance 9. Burn 10. Fascination Street 11. Never Enough 12. Push 13. In Between Days 14. Just Like Heaven 15. From the Edge of the Deep Green Sea
16. Play for Today 17. A Forest 18. Primary 19. Shake Dog Shake 20. 39 21. Disintegration Encore: 22. Lullaby 23. The Caterpillar 24. The Walk 25. Friday I'm In Love 26. Close to Me 27. Why Can't I Be You? 28. Boys Don't Cry
Robert Smith - lead vocals, guitars Simon Gallup - bass Roger O'Donnell - keyboards Jason Cooper - drums Reeves Gabrels - guitars
PRO-SHOT COLOUR NTSC Approx.140min.