本作が撮影されたのは「1996年7月18日フェニックス・フェスティバル公演」。そのマルチカメラ・プロショットです。この映像は日本放送された事でも有名で数々の既発が残されていますが、本作はそれとは異なるもの。本国イギリス最大・最古の民放局“ITV”で放送されたバージョンで、現在のところベスト・マスターとして知られているものです。そのクオリティは、まさに絶品。時代柄アナログ録画のエアチェック・マスターだと思われますが、目の前の映像はそれが信じられない。鮮やかな発色はビビッドを極め、マスターの鮮度も圧倒的。色滲みはおろか走行ノイズも見られず、「レーザーディスクで公式リリースされてたっけ?」と思うほど。当時基準では完全オフィシャル級……と言いますか、現代基準でも言い切ってしまいたい極上品なのです。ただし、この“ITV”バージョンはやや短いのが欠点。日本放送も約30分ほどでしたが、“ITV”版はさらに1曲少なく、実質5曲だけなのです。そこで、本作では日本放送から「Moonage Daydream」をボーナス収録。これのみ画質がやや落ちるものの、現存する6曲をすべて楽しめる仕様にいたしました。そんな本作で描かれるのは、ボウイ史でも独特な輝きを放っていた“OUTSIDE TOUR”の光景。ツアー序盤より洗練されたとは言え、怪奇・猟奇趣味で知られる時代のボウイは他のどの時代とも違う。リーヴス・ガブレルスの奇っ怪な退廃ギターに乗りながら黄色い髪を短く刈ったボウイが力強く吠え、気だるく歌う。その姿は妖しくも恐ろしいまでにかっこいいのです。本来は5部作という長大作も予定されていた『1.OUTSIDE』の世界。その世界は未完に終わりましたが、その妖しい世界観は、やはり映像でこそ真価を発揮する。約30分のプロショットではありますが、“OUTSIDE TOUR”の最高峰ライヴアルバムを数段引き上げてくれる極上の映像作。
Live at the Phoenix Festival, Long Marston Airfield, Stratford-upon-Avon, UK 18th July 1996 PRO-SHOT(UPGRADE)
ITV Broadcast 1. Scary Monsters (And Super Creeps) 2. The Hearts filthy Lesson 3. "Heroes" 4. Hallo Spaceboy 5. White Light, White Heat 6. End Credit ("Heroes") 7.Moonage Daydream
PRO-SHOT COLOUR NTSC Approx.30min.