ボウイの歴史でも独特な魅力を放っていた“OUTSIDE TOUR”。その現場を体験できる傑作映像が登場です。そんな本作が撮影されたのは「1995年11月15日ウェンブリー・アリーナ公演」。その一部始終を記録したオーディエンス・ショットです。“OUTSIDE TOUR”と言えばNINE INCH NAILSとのカップリングも話題になりましたが、その辺をご説明するためにも、まずはソロとして5年ぶりとなった本格ツアーの全体像からショウのポジションを確かめてみましょう。●1995年・9月14日-23日:北米#1(2公演)《9月25日『OUTSIDE』発売》・9月27日-10月31日:北米#2(21公演)
・11月14日-12月13日:英国(16公演)←★ココ★●1996年・1月17日-2月20日:欧州#1(23公演)・6月4日-13日:日本(7公演)・6月18日-7月21日::欧州#2/イスラエル(20公演) これが“OUTSIDE TOUR”の全景。NINE IN CH NAILSとのカップリングは「北米」レッグで、その後ボウイは前座をMORRISSEYに代えて母国イギリスをサーキット。1995年のウェンブリーというとFMサウンドボードも知られていますが、それは本作とは異なる“11月17日”。「英国」ツアーはウェンブリー4連続公演からスタートしており、FM放送が3公演目なのに対して本作は2公演目にあたります。前述の通り、ソロとしては5年ぶりとなる英国ショウを記録した本作は「絶景」と呼ぶに相応しいオーディエンス・ショット。何しろ、撮影ポジションが分からないほどボウイに特化している。ステージが明るくなった1曲目「The Motel」の冒頭ではボウイを探すかのように視点がブレたりもしますが、いざ見つけるとビシッと安定。曲が終わる頃には果敢にズームしていく。そこから先はボウイのドアップ天国。角度からしてステージ左側のスタンド席だとは分かりますが、最アップになるとボウイのバストアップが画面を占領するほどに迫り、他に視界に入ってくる物がほとんどない。その絶景ぶりから察するにかなりの遠方席のような気もするものの、当時の機材性能から考えるとアップが綺麗すぎる。そして、音声もその絶景に相応しい。サウンドボードと間違えるような密着感はないものの、空間を飛び越えてくる真は力強く、安定感もバツグン。ところどころでテープ劣化のヨレもあるので完全無欠とは言えませんが、ほぼ完璧に特等席からフルショウ体験させてくれる映像作品なのです。そして、そのショウがまた何とも素晴らしい。ここでセットも整理してみましょう。●70年代-80年代(10曲)・THE MAN WHO SOLD THE WORLD:The Man Who Sold the World・HUNKY DORY:Andy Warhol・ZIGGY STARDUST:Moonage Daydream・LOW:Breaking Glass
・LODGER:Look Back In Anger/Boys Keep Swinging・SCARY MONSTERS:Scary Monsters (and Super Creeps)/Teenage Wildlife・その他:My Death/Under Pressure
●90年代(9曲)・BLACK TIE WHITE NOISE:Nite Flights・1. OUTSIDE:The Motel/The Heart's Filthy Lesson/The Voyeur Of Utter Destruction (As Beauty)/I Have Not Been To Oxford Town/Outside/A Small Plot Of Land/Strangers When We Meet/Hallo Spaceboy/We Prick You
……と、このようになっています。70年代/80年代と90年代を折半するバランスで、このツアーだけの「Nite Flights」「I Have Not Been To Oxford Town」「A Small Plot Of Land」「We Prick You」辺りは美味しい。そして、それ以上に注目したいのが意外なクラシックス。『LODGER』の「Boys Keep Swinging」や『SCARY MONSTERS (AND SUPER CREEPS)』の「Teenage Wildlife」も“OUTSIDE TOUR”だからこそのナンバーですし、70年代の「My Death」は22年ぶり、「Andy Warhol」は23年ぶりの復活。もちろん、そうしたナンバーもリーブス・ガブレルスのトリッキーなギターで染め変えられ、90年代でも輝きを失わない新たなバージョンで演奏されるのです。ダークでシャープな『1. OUTSIDE』と共にロードに戻り、過去のレパートリーも染め変えてみせた1995年のボウイ。その怪奇趣味なステージを特等席からフル体験できる絶景ショットです。この時代からこその醍醐味をじっくりと味わえる傑作映像。
Live at Wembley Arena, London, UK 15th November 1995 AMAZING SHOT!!(107:03)
1. Intro 2. The Motel 3. Look Back In Anger 4. The Heart’s Filthy Lesson 5. Scary Monsters 6. The Voyeur Of Utter Destruction (As Beauty) 7. I Have Not Been To Oxford Town 8. Outside 9. Andy Warhol 10. The Man Who Sold The World 11. A Small Plot Of Land 12. Band Introductions
13. Boys Keep Swinging 14. Strangers When We Meet 15. Hallo Spaceboy 16. Breaking Glass 17. We Prick You 18. Nite Flights 19. My Death 20. DJ 21. Teenage Wildlife 22. Under Pressure 23. Moonage Daydream
David Bowie - vocals Reeves Gabrels - guitar Carlos Alomar - guitar, vocals Gail Ann Dorsey - bass guitar, vocals Zack Alford - drums Mike Garson - piano Peter Schwartz - synthesizer George Simms - backing vocals, keyboards COLOUR NTSC Approx.107min.