ギタリストファンに喜んでいただける映像セットをリリース致します!7年間に亘り3回行なわれた、エリック・クラプトンが設立した薬物、アルコール中毒患者救済施設である「クロスロード・センター」のためのベネフィット・コンサートイベント「クロスロード・ギター・フェスティヴァル」。その3回分の日本での衛星放送バージョンをそれぞれDVDに収めました。このイベントは、自ら薬物とアルコール中毒に苦しんだエリック・クラプトンが私財を投げ打ってアンティグア島に建設したクロスロード・センターの運営資金集めのため行なわれてきたものです。クラプトンと馴染みのあるブルース、カントリー畑の錚々たるギタリスト、ミュージシャンが彼の声掛け一つで結集し、普段は観ることのできない意外な共演・競演を繰り広げました。それを目撃するために世界中から集まった音楽ファンへのチケット売り上げはすべてクロスロード・センターに寄付されました。数週間前には今年のクロスロード・ギター・フェスティバルの音源と映像で盛り上がっていただきましたが、今週は過去のフェスでのハイライトを一挙に楽しんでいただける企画です。見所はそれぞれにレビューしていますのでご参考になさってください。
【錚々たるギタリストが集まった画期的イベントの第一回】
1999年にクラプトンが開催したニューヨーク、マジソン・スクエア・ガーデンでの「クロスロード・ベネフィット・コンサート」から5年。趣旨を変更して、ブルース系、カントリー系でクラプトンがリスペクトする多くのギタリストすべてに自ら出演依頼を送り、3日間に亘り各自のステージを披露してもらう形で行なわれたイベントの第一回の模様を収録したものです。オフィシャルでは2枚組DVDとして正規リリースされていますが、本盤は日本の衛星放送プログラムとして放送された、ハイライトシーンのみを凝縮したバージョンとなっています。各ギタリストが発する気の利いたMCも含めてすべて日本語字幕入りというのが嬉しいところ。この第一回の見所(この回に限らないのですが)は、有名ギタリスト達の意外な顔合わせステージが楽しめることです。クラプトンがリスペクトする黒人ブルースの大御所B.B.キング、ヒューバート・サムリン、バディ・ガイと盟友ジミーヴォーン、ロバート・クレイ、ロバート・ランドルフらとの一大競演が目を引きますが、この回のトピックは、メジャーな場に出ることを極端に嫌い、細々と故郷タルサで地道な音楽活動を続けてきた伝説のギタリスト、J.J.ケイルをクラプトンが引っ張り出してきたことでしょう。70年のファーストソロアルバム製作時から憧れてきた念願の人物との初共演がこの場で叶ったのでした。クラプトンは完全にサイドマンに徹してケイルをサポートしています。嬉しかったことでしょう。そして久しぶりのサンタナとの共演。バミューダパンツにシャツというリゾート気分満開のルックスでサンタナとのギターバトルを展開するクラプトンにも苦笑が漏れます。クラプトンの敬愛するロバート・ジョンソンの養子だったロバート・ロックウッド・ジュニアを始め、B.B.、ヒューバート、J.J.と、既に故人となったギタリストも含まれています。彼らの在りし日の姿を確認しながらブルース史、ロック史に思いを馳せるのも一興かと思います。他にもジョン・メイヤー、ジョー・ウォルシュ(イーグルス)、ZZトップ、ジェームズ・テイラー、といった新旧のテクニシャンも観ることができます。また、カントリーの大御所ヴィンス・ギルやジェリー・ダクラスという通好みのギタリストが出演したのもマニアには嬉しいところ。錚々たるメンバーで行なわれた第一回フェスのハイライトをお楽しみください。
【ラスト・ワルツとブラインド・フェイスの再現となった第二回】
本盤は、2004年の第一回フェスから3年ぶりに開催された第二回の「クロスロード・ギター・フェスティバル」のハイライトを収録した衛星放送映像です。第一回が大成功に終わったことから、エリック・クラプトンはリスペクトするマイナーなギタリストにももっと脚光を当てたいと考え、このイベントの定例化を図りました。前回同様、先輩黒人ブルースギタリストや同世代の白人ブルースギタリストにも声を掛けた他、今回は生涯の友人とも言うべき元ザ・バンドのロビー・ロバートソンとかつてブラインド・フェイスを結成していた盟友スティーヴ・ウィンウッドを誘いました(もちろん長い付き合いのジェフ・ベックも出演しました)。ロビーとの競演は76年の「ラスト・ワルツ」を彷彿させますし、スティーヴとの競演はまさにブラインド・フェイスを想起させます。クラプトン絡みでは、二人との共演が最大のトピックとなりました。他では、前年にクラプトンバンドに加入し、ワールドツアーを共に回った若手ナンバーワンのスライドギタリスト、デレク・トラックスがフィーチャーされています。見所の一つは彼とジョニー・ウィンターの新旧スライドギターの名手競演、そしてウィリー・ネルソンとヴィンス・ギル&アルバート・リーの新旧カントリーギタリスト競演です。音楽という共通言語が見事に世代の壁を取り払っています。こういうシーンの現出がこのフェスティバルならではの醍醐味でしょう。かつての恋人だったシェリル・クロウのバックでクラプトンがギターでサポートするシーンも微笑ましいものです。余談ながらビル・マーレーは本来アメリカの俳優ですが、ギターを弾いてステージに立ったのはこの時が初めてだったそうです。この回でもまだ健在だったB.B.キングやヒューバート・サムリンの貫禄たっぷりの姿を観ることができます。第一回に負けず劣らずの見所がたっぷりの本盤もどうぞお楽しみください。
【台頭する若手ギタリストを後押しした第三回】
第二回からまた3年後に開催された第三回の「クロスロード・ギター・フェスティバル」の衛星放送されたハイライトを収録したのが本盤です。回を重ねるごとにシーンでブレイクした若手ギタリストが台頭してきた感のある第三回です。ドイル・ブラムホール二世、ゲイリー・クラーク・ジュニア、ケブ・モー、ジョニー・ラングらが自らのセットの傍ら、先輩ギタリストのステージに参加しています。ジョン・メイヤーもデレク・トラックスも前回に続き出演しています(トラックスのステージには、奥さんのスーザン・テデスキも登場)。ジョン・メイヤーは、ベースに超一流のセッションマン、ピノ・パラディーノ、ドラムにキース・リチャーズとの共演歴、クラプトンバンドの在籍歴もある一流ドラマー、スティーヴ・ジョーダンを従えたトリオでの出演です。最少編成による研ぎ澄まされたパフォーマンスが捉えられています。こうしてみると、大先輩から若手の後輩まで、広く慕われているクラプトンの立ち位置が分かるような気がします。そのクラプトンのステージには、前回に続きスティーヴ・ウィンウッドが参加し、再び共演しています。この年にはウィンウッドがキャリア初期にオルガンで参加したジミ・ヘンのVoodoo Chileを、ジミ・ヘンと親友だったクラプトンと共に披露しています。こうした感慨深いステージもあれば、バリバリの若手の活きのいいステージも観ることができるのがこのフェスティバルの特長です。ソニー・ランドレスは、クラプトンの表現を借りれば、「世界で最も無名な、世界最高のスライドギタリスト」で、彼のような人が埋もれていることに心を痛めたクラプトンが当フェスへの出演を要請したとのことです。そして当フェスでもきっちりクラプトンがサポートしてあげています。その甲斐あって、ランドレスはこのフェス以降世界的に評価が高まり、知られるようになりました。主催者のクラプトンとすれば、自身の事業への資金調達という目的以外にもブルース、カントリー界の新旧交流、活性化を視野に入れていたのでしょう。クラプトン自身もいろいろなギタリストと共演することを楽しんでいるのが伝わってきます。エルヴィス・プレスリーの専属ギタリストだったジェームズ・バートンやストーンズのロニー・ウッドの顔もちらりと見られるのも嬉しいところです。第三回にはこの回だけの見所が詰まっています。どうぞ本盤もお楽しみください。この「クロスロード・ギター・フェスティバル」はその後も2013年、2019年に開催され、その都度、過去と同様に大勢のギタリストの参加を得、数々のトピックと感動を与え、成功裏に終了してきました。2004年から数えて15年、この間、B.B.キング、ヒューバート・サムリン、J.J.ケイル、ジョニー・ウィンター、ピノ・ダニエルら多くの同志を失いました。しかし主催者であるクラプトンの意志は、人生という限られた時間の中で新旧のギタリストの交流をサポートして、双方に音楽を共に奏でる歓びを共有してもらい、来場者や公式作品を鑑賞してくれるヴューアーとリスナーには「人は死しても名を残す」さらには「人は死しても音を残す」ということを実感してもらい、偉大なる先達を永遠に記憶に留めてもらおうというものであったような気がします。近年公開されたクラプトンの伝記映画「12小節のブルース」のラストを締めくくる当フェスでのB.B.キングのクラプトンへの賛辞がそれを物語っています。クラプトンのスピリットをどうぞ本盤でご確認ください。
Cotton Bowl, Dallas, Texas, USA 4th, 5th & 6th June 2004 PRO-SHOT Toyota Park, Bridgeview, Illinois, USA 28th July 2007 PRO-SHOT Toyota Park, Bridgeview, Illinois, USA 26th June 2010 PRO-SHOT
Disc 1(107:33) Crossroads Guitar Festival 2004 Cotton Bowl, Dallas, Texas, USA 4th, 5th & 6th June 2004
1. Introduction feat. Interviews 2. Layla (Eric Clapton) 3. Love In Vain Blues (Robert Lockwood Jr.) 4. Killing Floor (Eric Clapton, Robert Cray, Hubert Sumlin & Jimmie Vaughan) 5. Sweet Home Chicago (Eric Clapton, Robert Cray, Buddy Guy, Hubert Sumlin & Jimmie Vaughan)
6. Six Strings Down (Eric Clapton, Robert Cray, Robert Randolph & Jimmie Vaughan) 7. I Am A Man Of Constant Sorrow (Dan Tyminski With Ron Block) 8. Steamroller (James Taylor With Joe Walsh) 9. Oklahoma Borderline (Vince Gill With Jerry Douglas)
10. After Midnight (J.J. Cale With Eric Clapton) 11. City Love (John Mayer) 12. Rock Me Baby (Eric Clapton, Buddy Guy, B.B. King & Jimmie Vaughan) 13. Funk 49 (Joe Walsh) 14. The March (Robert Randolph & The Family Band) 15. Jingo (Carlos Santana with Eric Clapton)
16. Going Down Slow (David "Honeyboy" Edwards) 17. If I Had Possession Over Judgement Day (Eric Clapton) 18. La Grange (ZZ Top) 19. Tush (ZZ Top) 20. Cocaine (Eric Clapton) PRO-SHOT COLOUR NTSC Approx.108min.
Disc 2(114:45) Crossroads Guitar Festival 2007 Toyota Park, Bridgeview, Illinois, USA 28th July 2007
1. Introduction feat. Interviews 2. Gloria (Bill Murray) 3. Uberesso (Sonny Landreth) 4. Poor Johnny (The Robert Cray Band) 5. Sitting On The Top Of The World (Hubert Sumlin With The Robert Cray Band & Jimmie Vaughan)
6. Paying The Cost To Be The Boss (B.B. King With The Robert Cray Band With Jimmie Vaughan & Hubert Sumlin) 7. Anyday (The Derek Trucks Band) 8. Highway 61 Revisited (Johnny Winter with The Derek Trucks Band) 9. Sweet Thing (Vince Gill)
10. Country Boy (Albert Lee With Vince Gill) 11. Tulsa Time (Sheryl Crow With Eric Clapton, Vince Gill & Albert Lee) 12. Blue Eyes Crying In The Rain (Willie Nelson With Vince Gill & Albert Lee) 13. Gravity (John Mayer) 14. Mas Y Mas (Los Lobos) 15. Cause We've Ended As Lovers (Jeff Beck)
16. Big Block (Jeff Beck) 17. Tell The Truth (Eric Clapton) 18. Who Do You Love (Robbie Robertson with Eric Clapton) 19. Presence Of The Lord (Steve Winwood & Eric Clapton) 20. Dear Mr. Fantasy (Steve Winwood) 21. Had To Cry Today (Steve Winwood & Eric Clapton)
22. Sweet Home Chicago (Buddy Guy with Eric Clapton, Robert Cray, John Mayer, Hubert Sumlin, Jimmie Vaughan, Johnny Winter) PRO-SHOT COLOUR NTSC Approx.115min.
Disc 3(96:46) Crossroads Guitar Festival 2010 Toyota Park, Bridgeview, Illinois, USA 26th June 2010
1. Promise Land (Sonny Landreth with Eric Clapton) 2. Waiting For The Bus (ZZ Top) 3. In My Time Of Dying (Doyle Bramhall II) 4. Don't Owe You A Thang (Gary Clark Jr.) 5. Our Love Is Fading (Sheryl Crow with Eric Clapton, Doyle Bramhall II & Gary Clark Jr.)
6. Lay Down Sally (Vince Gill with Sheryl Crow, Keb' Mo', Albert Lee, James Burton & Earl Klugh) 7. Who Did You Think I Was (John Mayer Trio) 8. Midnight Harlem (Derek Trucks & Susan Tedeschi Band with Warren Haynes, David Hidalgo, Cesar Rosas & Chris Stainton)
9. Space Captain (Derek Trucks & Susan Tedeschi Band with Warren Haynes, David Hidalgo, Cesar Rosas & Chris Stainton) 10. Five Long Years (Buddy Guy With Jonny Lang & Ronnie Wood) 11. Hammerhead (Jeff Beck) 12. I Shot The Sheriff (Eric Clapton)
13. Had To Cry Today (Steve Winwood & Eric Clapton) 14. Voodoo Chile (Eric Clapton & Steve Winwood) 15. Ending PRO-SHOT COLOUR NTSC Approx.97min. PRO-SHOT COLOUR NTSC Approx.320min.(TOTAL)