本作に収められているのは「1984年7月12日アレンタウン公演」。ユニバーサルシティ公演の11公演後にあたるショウを記録した8ミリ・フィルムです。この映像はHarvestedが発表したマスターで、ジョン・ウィトマーなる撮影者によるものです。そのクオリティは当時のオーディエンス映像としては最高レベル。8ミリだけに1つひとつの映像は短いのですが、画質自体はVHSを遙かに凌駕し、発色もビビッドならディテールも超鮮明。Harvestedによって映像のないパートは静止画で補填されているのですが、その止め画のプロ写真にも見劣りしないのです。そして、音声も超極上。このアレンタウン公演は、FM放送された事でも知られている。本作は、そのオフィシャル級サウンドボードをシンクロさせており、3曲「Money」「Run Like Hell」「Comfortably Numb」を楽しむ事ができる。最後の「Murder」はFM放送されなかったので、8ミリ本来のオリジナル・オーディオではありますが、合計4曲・約16分でツアーを間近に目撃できるのです。そのクオリティで描かれるステージは、貴重にして最高。間近席から見つめるギルモアの表情や指使いもばっちり。「Money」はアップのソロパートも美味しいですが、後半のミック・ラルフスとのツインソロは必見! 「Run Like Hell」ではステージ・ライト演出を楽しめますし、。ベースのミッキー・フィートとのツイン・ボーカルはズームだからこそ迫力満点。グレッグ・デシャートのショルダー・キーボードを引っ提げての80年代らしいアクションやソロも見所です。そして、Harvestedの入念な編集技に驚くのは「Comfortably Numb」。途中の大幅なカットがあるのですが、エディットが巧みで自然に流れる。冒頭のミッキーのボーカルは迫力のシーンですし、何と言っても後半のギルモアのロングソロ・パートが感動的なまでに見事な映像で捉えています。音のフィックスやシンクロ、それに合わせた映像処理は凄まじく高いレベルで、持てる技術とセンスを注ぎ込み、画面から「良いものを後世に残そう」という気迫が滲み出てくるようです。さらに、本作にはその意匠を分かりやすく伝えてくれるのがボーナス映像まで付いてくる。製作過程を三分割の映像で説明している映像が追加収録されており、いかにオリジナル映像からアップグレードしていったかが手に取る様に分かる。その作業風景だけでもエンターテインメントになり得る映像なのです。マニアがマニアのために創り上げた記録映像の傑作です。
Featuring excerpts from 1. Money 2. Run Like Hell 3. Comfortably Numb 4. Murder (with original audio) Audio: Original Westwood One Radio Network LP's (except track 4 "Murder")
COLOUR NTSC Approx. 16min. David Gilmour - Guitars, Vocals Mick Ralphs - Guitars, Vocals Mickey Feat - Bass, Vocals Raff Ravenscroft - Saxophones, Flute Gregg Dechart - Keyboards, Vocals Chris Slade - Drums Jodi Linscott - Percussion