2015年の“R40 LIVE TOUR”で40年に及ぶ歴史を自ら総括し、永遠の眠りに就いたロック界の英雄RUSH。そのラスト・ツアーの現場を実体験できる映像作品が復活です。そんな本作が撮影されたのは「2015年6月25日:フィラデルフィア公演」。その一部始終を伝える傑作オーディエンス・ショットです。英雄最後のツアーだけあって、当店では開始当初からさまざまなアイテムでリアル・タイムのレポートをしておりました。ニール・パートの死去に伴って再び注目が集まっている時期でもありますので、当時の日程でコレクションを整理しておきましょう。
・5月8日『TULSA 2015』・5月10日:リンカーン公演・5月12日『ST. PAUL 2015』・5月14日-6月8日(10公演)・6月10日『FIRST NIAGARA CENTER 2015』・6月12日+14日(2公演)・6月17日+18日:トロント公演 ←※公式映像・6月21日-7月23日(13公演)
・6月25日:フィラデルフィア公演 ←★本作★・6月27日:フェニックス公演・6月29日『MADISON SQUARE GARDEN 2015』・8月1日:イングルウッド公演 以上、全35公演。このツアーと言えば、公式作品『R40 LIVE』こそが象徴となっておりますが、あの作品は故郷トロントでのショウ。本作のフィラデルフィア公演は、その1週間後となるコンサートでした。そんなショウを記録した本作は、これまた当時人期を博した傑作映像。上記のように、それまでも初日映像『TULSA 2015』、3日目映像『ST. PAUL 2015』がリリースされ、それぞれにハイクオリティな映像美で有終の美となる“R40 LIVE TOUR”の現場体験を伝えてくれました。しかし、両作は画質・音質で文句なしではあったものの、アングルは近すぎたり、斜めすぎたり。特にこのツアーは、バンドの歴史を感じさせるスクリーン映像も大事な見所なのですが、それが画面に収まりきれなかったり、斜めで見づらかったり。それに比べ、本作は画質・音質のスーパークオリティはそのままに、ほど良く距離のアングルで非常に見やすい。真っ正面よりはやや右よりではありますが、スクリーン映像も歪まないで正視できる。第1部、第2部冒頭のアニメーションやアンコール待ちでバンドを紹介するコメディアン、さらには終演後に別れを告げる映像、各アルバム・ジャケットのキャラクターたちが動き回る姿が、克明に見られるのです。さらに、ステージ全景を把握した上での撮影ですので、「Headlong Flight」での洗濯機の設置など、見所も『TULSA 2015』『ST. PAUL 2015』以上に完璧に押さえきっています。ハイクオリティな上に見やすいアングルまでも両立した本作は、当時「ツアーNo.1」と絶賛されました。しかし、欠点がゼロなわけでもなく、ところどころ画面が止まる。それぞれ数秒から30秒ほどではありますが、全体で6箇所ほど静止画になる(音声は途切れず滑らか)。とは言え、フルショウでも合計で2分程度。全体で2時間46分に及ぶ大作ですから、90%以上のパートで極上体験ができ、あまりの映像美にこの欠点さえどうでも良くなるほど大充実しているのです。それほどのクオリティで繰り広げられる本作は、40年の歴史を凝縮した超豪華セットリスト。“R40 LIVE TOUR”では基本的に2種類のセットリストを用意しており、そこに若干のアレンジも加えて日によって曲目を変えていました。公式作品『R40 LIVE』とも異なりますので、比較しながら整理してみましょう。第一部(2012年→1982年)・CLOCKWORK ANGELS:The Anarchist/Clockwork Angels(★)/Headlong Flight・SNAKES & ARROWS:Far Cry/The Main Monkey Business・VAPOR TRAILS:One Little Victory(★)・COUNTERPARTS:Animate
・ROLL THE BONES:Roll The Bones・GRACE UNDER PRESSURE:Distant Early Warning(★)・SIGNALS:Subdivisions 第二部(1981年→197年)・MOVING PICTURES:Tom Sawyer/YYZ・PERMANENT WAVES:The Spirit of Radio/Natural Science/Jacob's Ladder
・HEMISPHERES:Hemispheres Prelude/Cygnus X-1・A FAREWELL TO KINGS:Closer To The Heart/Xanadu・2112:2112 アンコール(1975年→1974年)・CARESS OF STEEL:Lakeside Park・FLY BY NIGHT:Anthem・RUSH:What You're Doing/Working Man
※注;「★」印は『R40 LIVE』では観られない曲 ……と、このようになっています。ツアー3公演目の『ST. PAUL 2015』と同じであり、公式映像では演奏しなかった「Clockwork Angels」「One Little Victory」「Distant Early Warning」も楽しめます。繰り返しになりますが、本作のクオリティは、まさに完璧。画質はスクリーン上に燃え上がる炎の揺らめきまで超クリアなら、音声も「まるでサウンドボード」と絶賛された極上ぶり。そのクオリティでステージ全景、メンバー自身の演技や歴史的な小ネタ満載のアニメーションまで楽しめ、オフィシャル映像では望めない現場感覚までたっぷりなのです。このショウから4年半が経ち、私たちはニール・パートも失ってしまいました。当時の私たちは“R40 LIVE TOUR”を体験できない歯がゆさを晴らすために本作を見つめていましたが、今は埋められない喪失感を少しでも癒したい。そのために不可欠な1枚。
Live at Wells Fargo Center, Philadelphia, PA. USA 25th June 2015 AMAZING SHOT!!!
Disc 1(67:38) 1. Video Intro (The World is ... The World is) 2. The Anarchist 3. Clockwork Angels 4. Headlong Flight 5. Far Cry 6. The Main Monkey Business 7. One Little Victory 8. Animate 9. Roll The Bones 10. Distant Early Warning 11. Subdivisions
Disc 2(97:41) 1. Video Intro (No Country for Old Hens) 2. Tom Sawyer 3. YYZ 4. The Spirit of Radio 5. Natural Science 6. Jacob's Ladder 7. Hemispheres Prelude 8. Cygnus X-1 9. Closer To The Heart 10. Xanadu 11. 2112(Overture/The Temples of Syrinx/Presentation/Grand Finale)
Encore 12. Video Intro (Mel's Rock Pile starring Eugene Levy) 13. Lakeside Park 14. Anthem 15. What You're Doing 16. Working Man 17. Video: Exit Stage Left COLOUR NTSC Approx.166min.