24年ぶりのスタジオ新作『ENDLESS WIRE』に沸いた“TOUR 2006–2007”。その中でも史上最悪と言われた悪天候と史上最高のクオリティが両立した極上映像が登場です。そんな本作が撮影されたのは「2007年6月24日ピルトン公演」。英国が誇る伝統の音楽祭“グラストンベリー・フェスティバル”に出演した際のマルチカメラ・プロショットです。“グラストンベリー”と言えば、1970年に始まったロックフェスですが、2007年には6月22日から24日の3日間で開催され、700を超えるライヴが80を超えるステージで実施。18万人を動員する世界最大級のスケールでした。THE WHOは、その最終日メイン・ステージの大トリとして出演。本作は、その一部始終をマルチカメラ・プロショットで楽しめる映像作品なのです。また、このステージをTHE WHO側から見ると“TOUR 2006–2007”の一環。その歩みの中でポジションを確かめておきましょう。2006年・6月7日-7月29日:欧州#1(24公演)・9月12日-10月11日:北米#1(18公演)
・10月29日:ラウンドハウス公演《10月30日『ENDLESS WIRE』発売》・11月4日-12月11日:北米#2(22公演)2007年・2月8日:ロンドン公演・2月23日-3月26日:北米#3(14公演)・3月31日:ロンドン公演・5月16日-7月9日:欧州#2(29公演)←★ココ★・10月6日:ハノーファー公演
・12月1日:南アフリカ公演 これが2006年/2007年のTHE WHO。ワールド・ツアーは『ENDLESS WIRE』発売前の欧州から始まったわけですが、本作の“グラストンベリー・フェスティバル”は翌年の2周目。「欧州#2」の21公演目にあたるコンサートでした。そんなショウは、超有名フェスだけあって当時からプロショットで放送。“TOUR 2006–2007”の大定番として君臨してきました。本作もその亭版プロショットなわけですが、その最高峰マスターからダイレクトにDVD化された極上の銘品なのです。実際、そのクオリティは完全無欠。ひと口に「プロショット」「オフィシャル級」と言っても実際にはピンキリだったりもするのですが、本作はあらゆる意味でピン。画質・音質は言うに及ばず、音声ミックスもカメラワークもケチの付けようがなく、このまま公式リリース可能……と言うより「あれ? オフィシャルで商品化されてなかったっけ?」と思うほどにパーフェクト。四の五の言っても仕方なく、「もう見ちゃってください」としか言いようがありません。そんな鉄壁・無敵の映像美で描かれるのは、“TOUR 2006–2007”を象徴するような熱演。あまりにも有名なショウでもありますが、良い機会でもありますのでセットの内容も整理しておきましょう。60年代/70年代(14曲)・MY GENERATION:My Generation/The Kids Are Alright
・TOMMY:Pinball Wizard/Amazing Journey/Sparks/See Me, Feel Me・WHO'S NEXT:Behind Blue Eyes/Baba O'Riley/Won't Get Fooled Again・WHO ARE YOU:Who Are You・シングル曲:I Can't Explain/The Seeker/Anyway Anyhow Anywhere/Relay 80年代以降(3曲)
・FACE DANCES:You Better You Bet・ENDLESS WIRE:Fragments/Tea & Theatre ……と、このようになっています。60年代・70年代の鉄壁クラシックスをズラリと並べ、そこに『ENDLESS WIRE』の新曲もまぶされた当時ならではのショウ。特に「Fragments」は2009年までしか演奏されておらず、現在では望めないレパートリーです。そして、そんなセットを綴るパフォーマンスこそが熱い。冒頭でも述べたように、この日は生憎の雨。開演前から遠景アングルのレンズには雨粒の跡が付き、ステージを照らすライトには激しく振る雨筋がハッキリと浮かび上がる。さすがにステージ上のロジャーやピートが雨に濡れることはありませんが、観客はずぶ濡れでTHE WHOと対面しているようです。そして、そんな雨がテンションを下げるどころか、一層熱くしている模様。濡れて重いはずの各国の国旗たちも激しく振られ、THE WHOも目の目に広がる数万人の大観衆を前にしてテンションがバカ高いのです。クオリティ面でも、ライヴ内容の面でも“TOUR 2006–2007”を象徴するマルチカメラ・プロショットの名作。その最高峰版です。『ENDLESS WIRE』にはリヨン公演のDVD付き2枚組もありましたが、内容的には本作の方こそ公式作品に相応しい。まさに「見ていないのは許されない」レベルの鉄板。
Glastonbury Festival, Worthy Farm, Pilton, UK 24th June 2007 PRO-SHOT(UPGRADE)
1. Introduction 2. I Can't Explain 3. The Seeker 4. Anyway Anyhow Anywhere 5. Fragments 6. Who Are You 7. Behind Blue Eyes 8. Baba O'Riley 9. Relay 10. You Better You Bet 11. My Generation 12. Won't Get Fooled Again 13. The Kids Are Alright 14. Pinball Wizard 15. Amazing Journey
16. Sparks 17. See Me Feel Me 18. Tea And Theatre Roger Daltrey - Vocals, Guitar, Harmonica Pete Townshend - Guitar, Vocals John Bundrick - Piano, Keyboards Pino Palladino - Bass Zak Starkey - Drums Simon Townshend - Guitar, Backing Vocal PRO-SHOT COLOUR NTSC Approx. 83min.