『BLUE MOVES』を7作連続の全米No.1に送り込み、ポップスターとして全盛期にいた1976年のエルトン・ジョン。その大定番プロショットの最新・超極上版が登場です。そんな本作が撮影されたのは「1976年9月17日エディンバラ公演」。そのマルチカメラ・プロショットです。1976年と言えば、盟友バーニー・トーピンとの共作に一区切りを付けた大作『蒼い肖像』の他に、ライヴアルバム『HERE AND THERE』もヒット。活動休止に入る前の節目の時期でもあって、本作のエディンバラ公演は特別なコンサートでもありました。その事情をご説明するためにも、まずは当時のスケジュールを振り返ってショウのポジションを確かめてみましょう。《4月30日『HERE AND THERE』発売》・4月29日-6月4日:英国(30公演)・6月29日-8月17日:北米(31公演)・9月17日:FESTIVAL OF POPULAR MUSIC出演 ←★本作★《10月22日『BLUE MOVES』発売》 これが1976年のエルトン・ジョン。『BLUE MOVES』のリリース年として記憶に残っていますが、ツアーはあくまで前作『ROCK OF THE WESTIES』に伴う“LOUDER THAN CONCORDE TOUR”のみ。翌1977年も散発的なショウだけで、大規模なツアーは行われませんでした。そんな中で本作のエディンバラ公演は『BLUE MOVES』のリリース直前であり、“LOUDER THAN CONCORDE TOUR”の終了後に行われた“FESTIVAL OF POPULAR MUSIC”への参加。このショウは通常バンドは連れず、エルトンが独りピアノを弾き語るリサイタル形式でした。そんな特別コンサートは放送もされ、長らくFMサウンドボードやプロショットが愛されてきた。1980年にはオフィシャルの映像作品『IN CONCERT AT EDINBURGH』としてリリースもされました。本作はそんな大定番プロショットの最新版にして、最長・最高峰を更新するものです。実は、本作を公開したのはエルトンの公式。現在、彼は“CLASSIC CONCERT SERIES”と題してキャリアでも記念碑となる映像のアーカイヴ事業を立ち上げ。エディンバラ公演は、その第一弾として配信されたものなのです(販売はないようです)。公式による最新配信、それもきっちりと計画された事業だけあってクオリティは究極。大元マスターなのは言うに及ばず、恐らくはデジタル・マスタリングでブラッシュアップしているであろう音質・画質はまさに究極。完全無欠のオフィシャル級であり、このまま公式リリースできる……と言いますか、これほどの仕上がりでも配信限定とは信じられない。現代のアーカイヴ能力と、それでも作品化しない2020年という時代に驚愕するクオリティなのです。そんな映像美で描かれるのは、『BLUE MOVES』の新曲を交えつつも全盛期を総括するようなフルショウ。前述のように公式にリリースもされているわけですが、当時のレーザーディスクは10曲の不完全版。それに対し、本作は2倍以上の21曲がたっぷりと楽しめます。その増量ぶりも含め、ここでセットを整理しておきましょう。・エルトン・ジョンの肖像:Skyline Pigeon(★)
・僕の歌は君の歌:I Need You To Turn To/Sixty Years On/Border Song/The Greatest Discovery(★)/Your Song・エルトン・ジョン3:Love Song(★)・ホンキー・シャトー:Rocket Man/I Think I'm Going To Kill Myself(★)・ピアニストを撃つな!:Daniel(★)
・黄昏のレンガ路:Candle In The Wind/Bennie And The Jets/Sweet Painted Lady(★)/Saturday Night's Alright For Fighting・カリブ:Don't Let The Sun Go Down On Me・キャプテン・ファンタスティック:Better Off Dead(★)/Someone Saved My Life Tonight
・蒼い肖像:Tonight(★)/Sorry Seems To Be The Hardest Word(★)・その他:Island Girl/The Bitch Is Back(★)/Don't Go Breaking My Heart(★)※注:「★」印は公式VHS/LD『IN CONCERT AT EDINBURGH』では観られなかった曲。……と、このようになっています。弾き語りを前提としたセレクションなのでしょうが、全盛期のエルトンがいかに良い曲大量に書き、ヒットさせてきたかを思い知らされる。バンド形態のライヴアルバム『HERE AND THERE』や『GREATEST HITS』シリーズとはまた違ったスタイルながら、黄金期を濃縮した映像作品なのです。歴史的な大定番プロショットをオフィシャル側が磨き上げ、アーカイヴした究極クオリティの1枚です。いかに時代とは言え、これほどの映像美が作品化されないのは間違っている。そんな絶対不可避にして極めつけの音楽作品。
Live at Playhouse Theatre, Edinburgh, Scotland 17th September 1976 PRO-SHOT
1. Introduction 2. Skyline Pigeon 3. I Need You To Turn To 4. Sixty Years On 5. Border Song 6. Daniel 7. Love Song 8. The Greatest Discovery 9. Candle In The Wind 10. Bennie And The Jets 11. Rocket Man 12. Tonight 13. I Think I'm Going To Kill Myself 14. Don't Let The Sun Go Down On Me
15. Better Off Dead 16. Sorry Seems To Be The Hardest Word 17. Someone Saved My Life Tonight 18. Sweet Painted Lady 19. Your Song 20. Island Girl / The Bitch Is Back 21. Don't Go Breaking My Heart 22. Saturday Night's Alright (For Fighting) PRO-SHOT COLOUR NTSC Approx.120min.