2019年のHEART復活の前に行われていたアン・ウィルソンのソロ・ツアー。その極上プロショットが登場です。そんな本作に収められているのは「2018年4月11日セント・チャールズ公演」。彼の地の観光名所でもある“アルカダ劇場”で撮影されたマルチカメラ・プロショットです。2年前のショウですが、この映像が登場したのはごく最近のこと。実のところ、アンは2020年8月18日にもアルカダ劇場でソロ公演を予定していたのですが、新型コロナ・パンデミックの影響で中止。そこで、楽しみにしていたファンのため、同会場で撮影していたプロショットを代わりに公開したのです。そんなアルカダ劇場公演は、どんなポジションなのか。ソロの活動規模を知る意味でも、当時のスケジュールから振り返ってみましょう。・1月12日+13日/2月9日:北米#1(3公演)・3月15日+16日:北米#2(2公演)・4月5日-14日:北米#3(5公演)←★ココ★・7月7日-8月26日:北米#4(29公演)《9月14日『IMMORTAL』発売》
・9月19日-22日:北米#5(3公演)・12月28日+29日:北米#6(2公演) これが2018年のアン・ウィルソン。活発な活動のようですが、よく見るとショウは細切れ。毎日のようにステージと移動を繰り返す、いわゆる“ツアー”と言えるのは「北米#4」だけでした。実のところ、この映像は詳しい日程が公表されていないのですが、アルカダ劇場となると「北米#3」で2公演実施。セット内容から“4月11日”と言われています(ちなみに、もう1公演は“4月8日”でした)。さて、そんなショウで記録された本作は、もともと公開予定がなかっただけに、クオリティもそれなり……ではない!ズバリ、完全オフィシャル級。鮮やかな照明も巨大なスクリーンも完璧なら1アングルずつが画になり、無数のカメラを駆使したスイッチングも駆使。精緻にミックスされたサウンドは公式ライヴアルバムとしても十二分に通用する。未公開だったのが信じられない……と言いますか、販売もしないのにナゼここまで作り込んだのか不思議なほど完璧な映像作品です。そして、その謎が更に深まるのが見事すぎるショウ。HEARTのレパートリーも歌うものの、大半はソロならではのカバー。ここでセットも整理しておきましょう。HEARTレパートリー・オリジナル:A Million Miles/Crazy On You・カバー:Alone(I-TEN)
ソロ・レパートリー・オリジナル:Fool No More・カバー:For What It's Worth(BUFFALO SPRINGFIELD)/Your Move(YES)/She Talks To Angels(THE BLACK CROWES)/Back To Black(エイミー・ワインハウス)/I Put A Spell On You(スクリーミン・ジェイ・ホーキンス)/
Won't Get Fooled Again(THE WHO)……と、このようになっています。とにかくカバーの幅広さに驚く。HERATではド定番のLED ZEPPELINはなく、THE WHOやスクリーミン・ジェイ・ホーキンス、BUFFALO SPRINGFIELD、更には後輩のTHE BLACK CROWESや故エイミー・ワインハウスまで。中でも特筆なのが「Your Move」でしょうか。当時も女声ならではのパワフルなハイノートがジョン・アンダーソン以上にハマっていると話題になり、本人も気に入ったのか2019年の復活HEARTでもセット入りしたYESの名曲。あの素晴らしいバージョンを完全オフィシャル級ステレオ・サウンドボード&プロショットで体験できるのです。あの力強い歌声でロックの名曲群を見事に歌い上げるアンのソロ・ステージ。HEARTとはひと味もふた味も違いながら、さらに多彩で素晴らしいショウを超極上マルチカメラ・プロショットで楽しめてしまうのです。それこそアルバム『IMMORTAL』と同等……いえ、それどころではない。公式/非公式の垣根を越えた、アンのソロ最高傑作。人知れず忘れられてしまうには眩しすぎる1枚。
Arcada Theatre, St. Charles, IL, USA 11th April 2018 PRO-SHOT (51:34)
1. For What It's Worth 2. Your Move 3. She Talks To Angels 4. Fool No More 5. Back To Black 6. I Put A Spell On You 7. A Million Miles 8. Alone 9. Crazy On You 10. Won't Get Fooled Again PRO-SHOT COLOUR NTSC Approx.52min