CD「CHICAGO 1998」は最高の音質と内容で非常に楽しめる音源なのですが、マニアからするとライブ終盤における二曲のカットがいかんともしがたい。それに曲間がことごとくカットされている。そんなマニアの留飲を下げるべく同日のオーディエンス・ショットの映像DVD。当然ラジオ放送でカットされた二曲の演奏シーンが見られるのはもちろん、放送からはうかがい知れない当日の盛り上がりが伝わってくるという点でも貴重かと。 実はこの日の会場、リアム・ギャラガーのドタキャンによってノエル・ショーとして決行された大好評タイトル「CHICAGO 1996 DAT MASTER」と同じローズモント・ホライズン。つまり96年のリベンジを兼ねて行われたコンサートだったのですが、今度はリアムを伴ってステージに現れたコンプリ・オアシスを前にシカゴのオーディエンスが大熱狂していた様子を捉えてくれています。それにビデオ・カメラの音声もなかなか聞きやすい。YouTube上では現在、この映像にラジオ放送の音声を被せたバージョンがマニアによって公開されていますが、音声がビミョーにずれてしまっており、せっかく手の込んだ編集が台無しになっていました。そこで今回はYouTubeバージョンではなく、トレーダー間に「VHS-1st gen.」として出回っていたバージョンからギフト化。ビデオテープの経年によって「Live Forever」辺りから音声にノイズが生じてしまう点は玉に瑕ですが、YouTubeバージョンよりシャープな画質でライブ当日をドキュメントしてくれる貴重映像なのです。この映像はローズモント・ホライズンのスタンド席から撮影されたものですが、アングルが意外なほど優れており、ギャラガー兄弟をはじめとしたステージ上におけるメンバーの表情も十分に見てとれるレベル。例えば「Stand By Me」のイントロを弾き終えて手持ち無沙汰になったノエル・ギャラガーが観客に微笑みかけ、なおかつ自身のマイクを確かめた姿まで捉えてくれるから面白い。この日の目玉であるノエルの「To Be Someone」が始まると周りが慌ただしくなって(周囲にこの曲を知らない人が多かったかと思われ)アングルが乱れてしまう点は惜しまれますが、幸いにも演奏の前半で元通りに。それでもなお会場全体の盛り上がりは凄まじく、リアムを欠いた96年ですらあれだけ盛り上がっていたのだから、シカゴでいかにオアシスが大人気であったかを再認識させてくれます。おまけに放送ではカットされた「Champagne Supernova」は演奏のテンションが高く、しかも歌い終えたリアムがあぐらをかいている横でノエルが弾きまくるという構図がワンカメながら見事に収められているのがエライ。その後もリアムがアラン・ホワイトのドラム台に腰を下ろして楽しそうにしている姿まで捉えてくれている。そしてコンサートの締めくくりはリアムが客席に降り立って退場という大サービス。この日の彼らがいかにコンサートに満足していたかという現れでしょう。こうしてラジオ放送からは伝わらない部分を見事に補完してくれる見どころ満載な貴重オーディエンス・ショット映像です。
Rosemont Horizon, Chicago, IL, USA. 17th January 1998
1. Be Here Now 2. Stand By Me 3. Supersonic 4. Roll With It 5. D'You Know What I Mean? 6. Cigarettes & Alcohol 7. Don't Go Away (acoustic) 8. Talk Tonight (acoustic) 9. To Be Someone (acoustic) 10. Slide Away (acoustic) 11. Don't Look Back In Anger 12. Wonderwall
13. Live Forever 14. It's Gettin' Better (Man!!) 15. Champagne Supernova 16. Acquiesce Liam Gallagher - lead vocals, tambourine Noel Gallagher - lead guitar, vocals Paul Arthurs - rhythm guitar Paul McGuigan - bass Alan White - drums, percussion COLOUR NTSC Approx.96min.