本作は名作『GOING TO CALIFORNIA』を精緻にデジタル化したDVD。本編解説のスケジュールで言うところの「北米#2」10公演目にあたる「1990年5月26日サンタバーバラ公演」のマルチカメラプロショットです。この映像はVHS/レーザーディスクで世界リリースされたものの、当時の映像作の宿命で間もなく廃盤。その後も公式DVD化は実現していません。実のところ、2009年には『LIVE FROM SANTA BARBARA』なるハーフオフィシャル盤としてDVD/CDがリリースされもしましたが、ちららは5曲「Women Of Ireland」「Change」「Pale Shelter」「Mad World」「All You Need Is Love」がカットされた約68分の抜粋版でした(あくまで推測ですが、CD1に収めるためにカットされ、同じ編集の映像版がDVDでも売られていたようです)。もちろん、本作はそんな抜粋版のコピーではなく、オリジナルの『GOING TO CALIFORNIA』から復刻された完全版です。元が公式品ですから当然のことながら映像美は超極上で、サウンドも(2CDには一歩及ばないものの)完全オフィシャル級サウンドボード。その上で作品然とした作り込みも素晴らしい。主役の2人を中心にしつつも合計10人に及ぶ豪華ラインナップの見どころを逐一押さえ、その1カット1カットがグラビアに使えそうなほど画になっている。しかも、単に映しているのではなく映像演出もたっぷりで、モノクロやセピア、ブラウン管を模した走査線映像を施したり、曲によってはイメージカットまで挿入。もちろん1990年はすでにMTV時代も通過していますから、そうした処理が目障りになる事はなく、確かな美的センスに裏打ちされている。もはやフルショウをPV化したような完成度であり、まさに「映像作品」と呼ぶに相応しいアートな大傑作なのです。TEARS FOR FEARS最高の映像作品でもある『GOING TO CALIFORNIA』。未だDVD化が実現していない幻の公式映像を全曲版で復刻した1枚です。
Live at Santa Barbara Bowl, Santa Barbara, CA, USA 26th May 1990 PRO-SHOT
1. Women Of Ireland 2. I Believe 3. Head Over Heels/Broken 4. Change 5. Pale Shelter 6. Woman In Chains 7. Advice For The Young At Heart 8. Mad World 9. Famous Last Words/When The Saints Go Marching In 10. I've Got To Sing My Song 11. Badman's Song
12. Sowing The Seeds Of Love 13. All You Need Is Love 14. Everybody Wants to Rule The World 15. Year Of The Knife 16. Shout 17. End Credit PRO-SHOT COLOUR NTSC Approx.89min.