T. REXを率いて70年代を駆け抜けたグラムロックのカリスマ、マーク・ボラン。その華々しい黄金時代を一望できる廃盤オフィシャル映像作が登場です。
【80年代に制作された幻のオフィシャル名作】そんな本作の正体は『MARC BOLAN ON VIDEO』。マークの死から7年を経た1984年に編纂・公式リリースされた映像作品です。80年代半ばはビデオ・デッキの普及とMTVのブレイクが重なり、ホームビデオが急速に発展。そんな華々しい時代性がグラムロックの記憶を呼び覚ましたのか。デヴィッド・ボウイやブライアン・フェリー、アリス・クーパーといった往年のスターが再ブレイクを果たしていました。残念ながらマークはその恩恵を受けることは出来なかったわけですが、彼のレガシーは再評価。映像作品も制作されたのです。その一方で、80年代の映像作品は宿命も背負っていた。まだまだソフトが高価な時代だったためにレコードほどライト層への普及が望めず、熱心なコア層向けに新作を量産。その側らでせっかく生まれ出た傑作達が次々に廃盤になっていったのです。もちろん、『MARC BOLAN ON VIDEO』も例に漏れなかった。映像の貴重さとクオリティの高さ、集大成的な構成で「T. REX時代の決定作」との評価を得ながらも一般に広まる前に市場から退場。その後、正式にDVD化されることもなく現在に至ってしまったのです。本作は、そんな時代の名作を最高峰クオリティで甦らせたもの。『MARC BOLAN ON VIDEO』は当時、VHS/ベータで世界各国からリリースされましたが、その中にあって最新メディアだった「レーザーディスク」でリリースしたのは、我らが日本。本作は、そんな日本盤レーザーディスクから精緻にデジタル化されたものなのです。そのクオリティは、まさに史上最高峰。レーザーディスクは規格自体がVHSより高解像度なわけですが、さらに構造的に走行ムラやヨレが発生しない。その保存力はテープの比ではなく、デジタル大全盛の現在の眼にも超美麗なマスター・クオリティを現代に伝えてくれるのです。
【T. REXの魅力を濃縮した動くグレイテスト・ヒッツ】そして、その映像美で描かれる内容こそがT. REXの粋。1968年デビューのマークのキャリアは10年に及ぶわけですが、黄金時代と言えばエレキ化して「T. REX」と改名してから、本作は、そんな1970年から亡くなる1977年までのヒット曲を映像で綴っていくのです。マークは1曲1曲で衣装もイメージもコロコロ変わっていくわけですが、その姿を描く本作の構成も非常にバラエティ豊か。現代の感覚で言えば代表映像を時系列で並べていくのが常道ですが、本作は違う。制作された80年代にセオリーは確立していなかったのか、曲の年代も演奏している時代もランダム。しかも、その内容はビデオ・クリップであったり、さまざまな音楽番組に出演した際のマイム・パフォーマンスであったり、貴重度満点のスタジオ・ライヴであったり。時代も種類も脈絡なく凄い振れ幅で飛び交うのです。言葉にすると今イチに思われるかも知れませんが、実際に観てみるとこれが想定外に良い。マーク本人のカメレオンぶりが拡大され、猛烈な変化が躁状態のテンションまで醸し出している。先ほど「MTV時代」と申しましたが、本作の「次は何だろ?」なワクワク感はまさにMTV。まるで本作自体が「マーク・ボラン・チャンネル」とでも言えるようなオモチャ箱なのです。とは言え、あまりにも乱雑だと豪華ぶりが伝わりづらい。ここではあえて収録曲を時系列で整理してみましょう。1970-1973年(13曲)・T・レックス:Jewel・電気の武者:Jeepster/Life’s A Gas/Get It On・ザ・スライダー:Metal Guru/Buick McKane/Telegram Sam・タンクス:Mad Donna
・その他シングル曲:Ride A White Swan/Children Of The Revolution/Thunderwing/20th Century Boy/The Groover 1976-1977年(6曲)・銀河系よりの使者:Dreamy Lady・地下世界のダンディ:Crimson Moon/The Soul Of My Suit・その他シングル曲:Laser Love/London Boys/
To Know You Is To Love You ……と、このようになっています。グラムロック流行に陰りが見え始めた1974年辺りからT. REXの勢いも急速に衰えていくわけですが、本作もその前の「1970-1973年」の大代表曲群がメイン。そこに最晩年の「1976-1977年」も混ぜ、キャリアのトータル感を醸しているわけです。ボウイやROXY MUSICと共にジャンルそのものを象徴する存在にまで登り詰めたマークボラン&T. REX。その一番オイシイ姿を集成した「目で観るグレイテスト・ヒッツ」です。日本盤レーザーディスクだからこそ保持し得た史上最高峰クオリティをDVDに移し替えた映像の名作。黄金時代の姿を集成した幻の名作『MARC BOLAN ON VIDEO』をDVD化。1984年にリリースされた日本盤レーザーディスクから精緻にデジタル化した史上最高峰盤です。その内容は、ビデオ・クリップや様々な番組に出演した際のマイム、貴重度満点のスタジオ・ライヴなど多種多様。構成も時系列ではなくランダムで、マーク本人音千変万化ぶりと相まって躁状態のテンションまで醸し出している。「目で観るグレイテスト・ヒッツ」であると同時に、本作自体が「マーク・ボランMTV」とでも言えるような音楽と映像のオモチャ箱です。
Taken from the original Japanese laser disc (SM058-0073)
1. Introduction Narration by Adam Ant 2. 20th Century Boy (Musikladen 21st February 1973) 3. Crimson Moon (Supersonic 12th March 1977) 4. Laser Love (Top Of The Pops 17th June 1976) 5. Jewel (Beat Club 27th February 1971) 6. Children Of The Revolution (PV 1972)
7. Jeepster(Beat Club 1st October 1971) 8. London Boys (Supersonic 21st February 1976) 9. Mad Donna (Cilla Black Show 27th January 1973) 10 Life’s A Gas Duet with Cilla Black (Cilla Black Show 27th January 1973) 11. Metal Guru (Top Of The Pops 21st November 1972)
12. Buick McKane (PV 1972) 13. Get It On (Top Of The Pops 26th December 1971) 14. The Groover (PV 1973) 15. Ride A White Swan (Supersonic 16th October 1976) 16. To Know You Is To Love You (Supersonic 12th February 1977) 17. Telegram Sam (Supersonic 21st February 1976)
18. Thunderwing (PV 1972) 19. Dreamy Lady (Supersonic 11th October 1975) 20. The Soul Of My Suit (Supersonic 2nd April 1977) PRO-SHOT COLOUR NTSC Approx.58min.