ニール・ヤングが1971年に出演したイギリスBBC「IN CONCERT」は彼の1970年代における最定番映像の一つ。当時製作が開始されていた歴史的名盤「ハーヴェスト」からの曲がリリース前にも関わらず弾き語りで披露されたという内容の濃さも定番としての地位を揺るぎないものとしています。その内容の充実ぶりだけでなく音質も優れていたことから、古くはTMOQレーベルの「BBC BROADCAST」などで音盤化もされており、CDでもいくつかのアイテムが生み出されています。実際MASTERPORTレーベルのCD-R「SOLO TOUR 1971」にもこの音源が含まれていましたそれほどの名映像だった訳ですが、21世紀に入ってからはヨーロッパで再放送されたバージョンが広くDVD化されました。それは画面の端に番組の赤いロゴが入っていた点が玉に瑕だったのですが、それでも画質が秀でていたことから暫定的にベストバージョンとされたものです。その後2008年には本家BBCが再放送したバージョンがトレーダー間に出回り、こちらは例の番組ロゴなどもない状態だったにもかかわらず、何故かアイテムとしてリリースされることはありませんでした。ところが2010年代に入ると今度はBBCがデジタル放送に移行した2013年に改めて再放送。これが従来のバージョンを一蹴してしまうほどの素晴らしい画質だったのです。さすがはデジタル時代を迎えてからのバージョンですので、画質のシャープな度合いやクリアネスは格別。何しろニール・ヤングの鼻の毛穴を始めとした皮膚の感触まで(笑)見てとれるほどの解像度。もうこのままオフィシャルにリリースしたとしても何ら遜色のないクオリティ。現在YouTube上にはこの2013年版の放送を元にしたアップロードが複数存在します。ところがHDモードでのアップロードではあったものの、それでもYouTubeに上がった段階で画質が落ちてしまっています。その点、今回は2013年の放送を録画したバージョンからダイレクトに収録していますので、YouTube上のそれとはまるで比較にならないハイクオリティな画質。これほどのクオリティを誇りながら、今までアイテムがリリースされたことがないというのも不思議。そんなベスト・バージョンを贅沢にもリリース。しかもアルバム「ハーヴェスト」と同じくオープニングが「Out On The Weekend」というのが嬉しい偶然。番組が収録された2月の時点はもとより、放送された4月の時点ですら「ハーヴェスト」は楽曲のレコーディングが進行している段階でアルバムの全体像は浮かんでいなかった。なおさらこの予言するかのようなオープニングは奇跡的なのです。それどころか「A Man Needs A Maid」に至ってはこのイギリス滞在中にレコーディングが行われたという。そして何といっても「Heart Of Gold」や「Old Man」といった「ハーヴェスト」収録の不朽の名曲たちを産まれたての姿でシンプルに演奏するニールを捉えた映像の価値は計り知れない。リリース前の曲をふんだんにテレビで披露してしまうところが何ともニールらしいのですが、おかげで後世に残る名ライブ映像となったのは事実。そんな歴史的ライブ映像の超鮮明バージョン。
BBC TV Studios, London, UK 23rd February 1971 PRO-SHOT (UPGRADE) 01. Out on the Weekend 02. Old Man 03. Journey Through the Past 04. Heart of Gold 05. Don't Let It Bring You Down 06. A Man Needs a Maid 07. Love in Mind 08. Dance Dance Dance
PRO-SHOT COLOUR NTSC Approx.29min.