数日前、インターネット上に突如レッド・ツェッペリン1975年のレア映像が現れて世界中のマニアを驚かせています。それは1月31日のデトロイトはオリンピア・スタジアムでの彼らを捉えた8㎜オーディエンスショット映像。これまでにも発掘されてきた彼らの8㎜の例にもれずステージの完全収録からは程遠く、それどころか6分ちょっとの収録時間でした。ところがこの短い映像に中に75年アメリカ・ツアー初期の様子が見事に凝縮されているのです。撮影者は最初スタンド席から「Kashmir」を撮影していたものの、次の「No Quarter」の演奏中にアリーナへ侵入(そのせいでこの曲の場面はほんのわずかです)。次の「Trampled Underfoot」から本格的に撮影が再開していて、この曲のソロでジミーがチョーキングすると、それに合わせてのけぞるプラントというステージ・パフォーマンスが垣間見られて面白い。しかし何といっても特筆すべきは断片的ながらも75年版「How Many More Times」が演奏される場面を捉えてくれているということ。ツアー開始直前にジミーが指を怪我してしまったことで1月中は「Dazed And Confused」の代わりに急遽復活したレパートリー。短いながらも、こうして映像込みで見れば75年モードのルックスに包まれたメンバーが久々に「How Many More Times」を演奏するというだけでも身を乗り出してしまいそうになってしまいます。往年の演奏と違ってテンポ速めな点も面白く、さらに「Dazed And~」の代わりにこの曲の中間でジミーがお約束のボウイング・プレイと演出を披露していたのだということがよく解ります。一方プラントはまだシカゴでこじらせた風邪のリハビリ中といったところで、この曲を歌うのが辛そうではありますが、その姿が映像として見られるというのも画期的ですよね。もちろん各メンバーの表情をうかがい知るほどのクローズアップは望むべくもないオーディエンスショット映像ではありますが、それでも75年ツアー開始当初の彼らの姿やステージングを垣間見るには十分な映像クオリティ。そして何より同日のオーディエンス録音の音声が緻密にアフレコされており、ライブ映像としてなおさら楽しめる内容となっています。確かに短い映像ではありますが、その貴重さは十分すぎるくらい。 Live at Olympia Stadium, Detroit, MI, USA 31st January 1975 Synched with excellent-audio
1. Kashmir 2. No Quarter 3. MC 4. Trampled Underfoot 5. How Many More Times #1 6. Bow Solo 7. How Many More Times #2 8. Stairway To Heaven 9. Encore 10. Whole Lotta Love 11. Black Dog 12. Communication Breakdown COLOUR NTSC Approx.6min.