『SUMMONER'S TRAVELS』。1995年にVHSとレーザーディスクでリリースされ、現在まで廃盤になっているライヴビデオ作品。本作は、その日本盤からデジタル化された1本です。この作品は1カ所のコンサートではなく、1993年のプロショット3回分を組み合わせたもの。前半は「7月25日パッサリアノ公演(イタリア)」を軸に、「Fields Of Gold」のみ「7月2日エフェソス公演(トルコ)」の映像を挿入。後半の「Synchronicity II」以降8曲はすべて「8月28日オスロ公演(ノルウェイ)」で構成されている。つまり、“1993年のヨーロッパ”をライヴとオフ映像で周遊する作品なのです。そのクオリティは、公式品起こしだけに完全にオフィシャル級。アナログ時代の甘さはあるものの、カメラワークもミックスも鉄壁のオフィシャル仕事で“TEN SUMMONER'S TALES TOUR”を味わえます。その内容も名作『TEN SUMMONER'S TALES』を大フィーチュア。本編ライヴアルバムよりもグッとコンパクトな抜粋ではありますが、アルバムの全12曲中半分の6曲が披露され、その合間をTHE POLICEの名曲群や「Straight To My Heart」「Englishman In New York」「Fragile」を繋いでいく構成。やはり注目なのは新曲。やや内省的だった前作から一転、明るく開放的なメロディがステージで一層眩しく輝く。定番を多数生んだ名作だけに今でも馴染みの曲が多いものの、「St. Augustine In Hell」「Epilogue (Nothing 'Bout Me)」は当時ならではの美味しいレパートリーです。また、本作の見どころはそんなライヴだけではない。90年代の映像作品らしく曲の合間にはオフショットが差し込まれ、水上スキーや観光に勤しむスティングの姿も観られる。ここではコメントもあるわけですが、本作は日本盤をもとしているので日本語字幕でビビッドに理解できます。どのシーンも微笑ましいのですが、特に傑作なのは「King Of Pain」の前に登場するヨガ。ふんどし(?)1枚のスティングが奇抜なポージングに次々と挑戦していく。その磨き上げられた肉体美と真剣な表情、そしてポーズとのギャップ……なんか凄い。なんとも味わい深いシーンです。作品でもツアーでも世界を席巻していた90年代のスティング。その絶好調ライヴを廃盤オフィシャル映像で綴る73分間です。オフショットの観光シーンも含め、スティングと共に「1993年のヨーロッパ」を巡れる1本。極上ステレオサウンドボードの本編と併せ、世界を揺るがしていたスティングの姿をたっぷりとご堪能ください。Inonu Stadi, Istanbul, Turkey 4th July 1993 Villa Manin, Passariano, Italy 25th July 1993 Spektrum, Oslo, Norway 28th August 1993
1. If I Ever Lose My Faith In You (Passariano 1993) 2. Seven Days (Passariano 1993) 3. Fields Of Gold (Istanbul 1993) 4. St. Augustine In Hell (Passariano 1993) 5. Straight To My Heart (Passariano 1993) 6. Synchronicity II (Oslo 1993) 7. Every Little Thing She Does Is Magic (Oslo 1993)
8. Englishman In New York (Oslo 1993) 9. King Of Pain (Oslo 1993) 10. She's Too Good For Me (Oslo 1993) 11. Epilogue (Nothing 'Bout Me) (Oslo 1993) 12. Every Breath You Take (Oslo 1993) 13. Fragile (Oslo 1993) 14. Mad About You (Credit) PRO-SHOT COLOUR NTSC Approx.74min.