本作に収められているのは2種のテレビ放送で、どちらも同じ“FRIDAY NIGHT with JONATHAN ROSS”。「2002年7月5日放送回(6月27日収録)」と、「2003年9月12日放送回」です。この番組はタイトル通りジョナサン・ロスを司会にしたトーク番組で、現在も“THE JONATHAN ROSS SHOW”として放送中。毎回、さまざまな著名人がゲストに迎えられ、ロック関係でもポール・マッカートニーやロン・ウッド、レニー・クラヴィッツ、オジー・オズボーン等々、多彩な顔ぶれが出演しています。本作は、そんな名物番組にボウイが登場した2回の出演コーナーを極上クオリティで収録したものです。目玉はもちろん、マルチカメラ・プロショットのスタジオライヴ。ロスとはソファに座ってトークしますが、そのすぐ隣にバンドが控えており、特設セットとソファを行ったり来たりしながら番組は進んでいくスタイル。2002年分では4曲「Fashion」「Slip Away」「Everyone Says "Hi”」「Ziggy Stardust」、2003年分では2曲「New Killer Star」「Modern Love」を演奏しています。いずれも局内セットでの収録ではありますが、マイムではなく生演奏。観客を前にした通常ステージとは違って曲のムードに浸りきって歌うボウイの姿がオフィシャル級プロショットで楽しめる。特に「Everyone Says "Hi”」は“A REALITY TOUR”でも演奏されなかった当時ならではのレパートリー。それがオフィシャル級クオリティで目撃できるのです。そして、そんなパフォーマンスの合間にトークも見どころ。軽妙なジョークを交わしながら、ジギーを創造していった時の想い出や、ポップヒットを重ねていた時代に「フィル・コリンズの観客に向かって歌ってるみたいだ」と思った事、スタイロフォン(子どものオモチャとして開発された電子楽器。「Everyone Says "Hi”」で実際に演奏にも使ってます)を使い始めたときの事などを語っていく。その語り口はあくまでジョーク。ボウイもノリノリで「なんで、なんでジギーを殺したんだぁ!」と嘆く演技を交えながら爆笑を誘うのです。極めつけは、コメディアン:ケニー・エヴァレットの番組に出演した際のエピソード。1979年の話なのですが、ケニーが露出狂に扮し、ボウイと屋根の上で喧嘩するというコントを演じたのです。本作では当時の映像も流される。ケニーは前はスーツ、後ろはブラジャーとタイツという出で立ちでボウイを挑発し、ボウイはそんなケニーに激昂してバイオリンをへし折る……。若干22歳だったボウイの無表情な寸劇はなかなかの見物です(ちなみに、この番組とは関係ありませんが、ケニー・エヴァレットはフレディ・マーキュリーの友人。フレディと組んでダイアナ妃をゲイバーに連れて行ったことでも話題になった人です)。「スタジオのボウイ」を実際に目撃できるプロショット作品です。ジョークにトボけた表情で困惑するボウイだけでも面白いのですが、さらにスタジオ・ライヴや貴重なコント映映像まで……それらすべてが約1時間のオフィシャル級の極上プロショットで味わえる。
BBC One Terrestrial Broadcast 5th July 2002 and 12th September 2003 PRO-SHOT (63:28)
5th July 2002 Broadcast 1. Introduction 2. Fashion 3. Interview 4. Cut Up 5. Slip Away 6. Stylophone 7. Kenny Everett 8. Everyone Says "Hi" 9. Ziggy Stardust 12th September 2003 Broadcast 10. Introduction 11. New Killer Star 12. Interview 13. Modern Love
PRO-SHOT COLOUR NTSC Approx.64min.