オアシス“駆け出しの時代”の1994年における最古のプロショット・ライブ映像。この映像は後に「DEFINITELY MAYBE」ドキュメンタリーに「Live Forever」が収録されるなど、オフィシャルで小出しにされているライブでもあります。その2月という収録時期からも解るように、まだデビューシングル「Supersonic」すらリリースされていない時期。しかも会場はリゾート地にあるホテルであり、おおよそ駆け出しのバンドには縁のない会場(「グレン」や「イーグルス」という名前ですが、もちろんかのイーグルスとは無関係です笑)で行われたライブ…というか、実際にはソニーの重役たちがこの高級ホテルに集まって会議を開いた際、デビューを新人アーティストの紹介を兼ねてお膳立てされたもの。その映像に映し出されるオーディエンスの後ろ姿はまったく演奏に乗っておらず、棒立ちでオアシスの演奏を眺める光景が捉えられていることからも、通常のギグとは違った環境であることを偲ばせてくれます。レコード会社のお偉方を前に演奏するというこの「お勤め」をオアシスが喜ぶはずもなく、ただでさえ「魅せる」要素と縁遠い初期のオアシス、ステージ上のリアム以外のメンバーは黙々と演奏。ある意味では「お行儀よく」演奏している風にも映り、結果的には吉と出たのかもしれません。それでいて宣伝素材として使うことを見込んで正規の映像収録が行われたのでしょう、リアムの顔などは非常にツルッとしており、レコード会社からお仕着せのメイクが少なからず施されたであろう容姿が伺えるのも面白い。そんな彼はもちろんですが、ノエルやボーンヘッドですらあどけなさを漂わせているというのも貴重かと。結果としてシュアーな演奏に徹する初期オアシスのライブ映像と仕上がった訳ですが、そんな特異な環境が功を奏し、大観衆を前にした後のグラストンベリー・フェスティバルなどと比べると丁寧に演奏している感が非常に新鮮。当時はやんちゃ全開だったリアムもかしこまりつつ丁寧に歌っており、「Live Forever」の裏声ラインも一人で全部歌い切っているのがまた初期ならではの貴重な光景。そんなデビュー直前の貴重なプロショット映像ということからトレーダー間にも以前から出回っていたライブ映像ですが、こちらもまたイギリスのオアシス研究家から画質と音声のベストなバージョン(当然ステレオ)を提供いただきました。YouTube上で見られる本映像の中ではVHSのダビング感、いわば映像のジェネ落ち感が偲ばれるバージョンが多いのですが、今回提供いただいたバージョンはそうした劣化の極めて少ない画質で貴重な1994年オアシスの最初期ステージを楽しめる、ハイグレードなアイテムとなっています。
Gleneagles Hotel, Perthshire, Scotland 6th February 1994 PRO-SHOT
1. Introduction 2. Shakermaker 3. Bring It On Down 4. Digsy's Dinner 5. Live Forever 6. Cigarettes & Alcohol 7. Supersonic
Liam Gallagher - lead vocals, tambourine Noel Gallagher - lead guitar, vocals Paul Arthurs - rhythm guitar Paul McGuigan - bass Tony McCarroll - drumsPRO-SHOT COLOUR NTSC Approx.27min.