自らの名を掲げたバンドを率い、ヘヴィメタルの世界に降臨した2001年のロブ・ハルフォード。そのフルショウを目撃できるプロショット作品が登場です。そんな本作が撮影されたのは「2001年1月15日サンティアゴ公演」。そのマルチカメラ・プロショットです。鋼鉄神復活を宣言した“RESURRECTION World Tour”と言えば、映像作『LIVE AT ROCK IN RIO III』やライヴアルバム『LIVE IN LONDON』などの公式作品も残されています。その辺の事情を整理する意味でも、まずは当時のスケジュールから振り返ってみましょう。2000年・6月12日:ロンドン公演《8月8日『RESURRECTION』発売》
・8月1日ー9月20日:北米#1(36公演)・10月10日ー25日:北米#2(12公演)・10月29日ー12月9日:欧州(29公演)←※LIVE IN LONDON・12月14日ー21日:日本(6公演)2001年・1月9日ー19日:中南米(4公演)←★ココ★《4月17日『LIVE INSURRECTION』発売》
・9月12日:サンディエゴ公演 これが2000年/2001年のロブ・ハルフォード。夏にアルバムを発売して以来、約5ヶ月間をかけてみっちりとサーキット。その終着地は南米。公式リリースもされた『LIVE AT ROCK IN RIO III』は最終日だったわけですが、本作のサンティアゴ公演はその1つ前のショウでした。
【最高峰を更新する1stジェネのS-VHSマスター】そんなショウは以前からプロショットが残された事でも知られ、当時から大定番として君臨してきました。本作も従来と同じプロショットではあるのですが、その最高峰を(幾重にも)更新する最高峰盤なのです。まず何よりも映像美。当時から定番だけに様々なジェネが出回りましたが、本作は放送エアチェックではなく、流出プロショットの1stジェネS-VHSカセットからダイレクトにデジタル化。ホンの一瞬だけ白線ノイズが入るため「1本もない!!」と喧伝するわけにはいかないものの、それは「皆無ではない」というだけ。艶やかで細部まで鮮やかな発色にはダビング痕が見られず、デジタル加工していないからこそのナチュラルな質感も瑞々しいのです。そして、サウンド。「Resurrection」を起こすのはこれまで通り(放送事故?)ながら、それ以外は同じライヴとは思えないほどアップグレード。しかも、それは単に音質だけの話ではなく、従来マスターのほとんどはモノラルだったのに対し、本作は完璧なステレオ・サウンドボードなのです。アンサンブルも綺麗にセパレートし、大観衆のどよめきも右へ左へと蠢きまくる。先述のように1強目でいきなり音声が途切れる(映像はシームレスです)シーンがあるためにライヴアルバム化は難しいものの、サウンド・クオリティ的◯なのです。と言うわけで、画質・音質的には「(当時基準の)公式級!」と言いたくなる新マスターなのですが、絶対にオフィシャルではあり得ないのがカメラワーク。唐突な急速ズーム(いわゆるガチョーンです)も素人感丸出しですが、それ以前にスイッチング自体が奇妙。特に序盤なのですが、ロブがほとんど映らない(笑)。徹底的に弦楽器隊3人を追っており、ほとんど「パット・ラックマルムスティーン」かのようです。「このスタッフは主役が誰なのか知らないのか?」とも思いましたが、それにしても徹底的にロブを排除しており、ちょっと映った際には作業用のテロップが入ってくるところを見ると「ヴォーカル以外を押さえるサブ・アングル」なのかも知れません。
【強烈無比だったラックマンの勇姿と鋼鉄神の復活宣言】ただし、その風変わりなスイッチングは1曲1曲でイメージが変わっていく。正体不明のテロップは1曲目「Resurrection」だけで、2曲目「Made In Hell」ではチラチラとロブの姿も映りだしますし、3曲目「Locked And Loaded」ではドアップも頻繁に挿入。FIGHTの「Into The Pit」辺りから、ロブが堂々の主役に君臨するのです。ここで「序盤がつまらない映像」と思われるかも知れませんが、そうではありません。先ほども述べましたが、アングルの主役はパットリック・ラックマン。初来日をご体験の方ならピンと来ると思いますが、ムキムキな身体やコキコキとクビを回すヘドバン、それに「Metal Gods」のロボット・ウォークなどなど存在感が強烈。当時「甲殻類」「赤ベコ」と話題になったインパクト絶大なアクションが超ドアップでたっぷり楽しめるのです。しかも、パットは2ndツアーには参加せず、次なるDAMAGEPLANではシンガーに転向してしまった。後にも先にも“RESURRECTION World Tour”でしかお目にかかれない勇姿を「コレでもか!」と見せてくれる唯一無二の映像作でもあるのです。すっかり長くなってしまいましたが、そんな極上&超個性クオリティで描かれるのは、鋼鉄神復活!を満天下に示すフルショウ。ざっくばらんに言ってセットは『LIVE AT ROCK IN RIO III』と同一だったりもしますが、良い機会でもあるので整理しておきましょう。クラシックス(8曲)・ジューダス・プリースト:Stained Class/Jawbreaker/The Hellion(テープではなく生演奏)/Electric Eye/Metal Gods/Breaking The Law・ファイト:Into The Pit/Nailed To The Gun
レザレクション(6曲)・Resurrection/Made In Hell/Locked And Loaded(★)/Silent Screams/Cyberworld/Nighfall(★)※注:「★」印は公式ライヴアルバム『LIVE INSURRECTION』でも聴けない曲。 思い返せば、「ロブこそが鋼鉄神」となったのが“RESURRECTION World Tour”でした。法的にも「METAL GOD」を個人の登録商標として取得していましたが、それ以上に金切り声で「復っかぁぁぁぁつ!(Resurrectioooooon!!!)」と叫んで戻ってきた姿は、現人神そのものだった。数年後にはJUDAS PRIEST復帰も果たすわけですが、この復活宣言のカタルシスは“RESURRECTION World Tour”だけのものでした。そんな現場を無加工・超リアルなまま楽しめるマルチカメラ・プロショット。その最高峰クオリティ更新盤。「2001年1月15日サンティアゴ公演」のマルチカメラ・プロショット。放送ではなく、流出プロショットの1stジェネS-VHSカセットからデジタル化された銘品で、艶やかで細部まで鮮やかな発色にはダビング痕が見られず、デジタル加工していないからこそのナチュラルな質感も過去最高。従来マスターのほとんどはモノラルだったのに対し、本作は完璧なステレオ・サウンドボードです。後にシンガーに転向してしまうパット・ラックマンの勇姿も、「復っかぁぁぁぁつ!(Resurrectioooooon!!!)」と宣言する現人神ロブも、超リアルに楽しめる映像傑作です。Pista Atlética, Estadio Nacional, Santiago, Chile 15th January 2001 PRO-SHOT(UPGRADE) with STEREO SBD(ステレオは初。画質も大幅にアップグレード)(59:07)
1. Intro 2. Resurrection 3. Made In Hell 4. Locked And Loaded 5. Into The Pit 6. Nailed To The Gun 7. Stained Class 8. Jawbreaker 9. Silent Screams 10. Cyberworld 11. Nightfall 12. The Hellion 13. Electric Eye 14. Metal Gods 15. Oh Yeah! 16. Breaking The Law
Rob Halford – vocals Patrick Lachman – guitar Mike Chlasciak – guitar Ray Riendeau – bass Bobby Jarzombek – drums PRO-SHOT COLOUR NTSC Approx.59min.