40年に及ぶMOTORHEAD史の半分を占めていた最終トリオ。最高潮に達した不動のトライアングルを目撃できるプロショット・コレクションが登場です。そんな本作に収められているのは、3種のマルチカメラ・プロショット。「1997年8月15日ブダペスト公演」をメインに、「1998年5月24日ケルン公演」と「1998年6月30日ブダペスト公演」を追加収録したTV放送のコンピレーションDVDです。当時はトリオに回帰した『OVERNIGHT SENSATION』『SNAKE BITE LOVE』であり、最高傑作とも言われるライヴアルバム『EVERYTHING LOUDER THAN EVERYONE ELSE』も制作された時代。その辺の事情をイメージするためにも、まずは当時のスケジュールから紐解いてみましょう。1997年・1月12日ー3月21日:欧州#1(47公演)・5月28日ー6月1日:日本(4公演)・6月8日ー7月10日:北米#1(17公演)・8月9日ー11月1日:欧州#2(14公演)←★ココ★3公演目 1998年・2月26日+3月1日:北米#2(2公演)
《3月10日『SNAKE BITE LOVE』発売》・4月3日:ユニバーサルシティ公演・4月30日ー6月30日:欧州#3(26公演)←★ココ★19公演目/26公演目/公式17公演目・7月3日ー8月2日:北米#3(20公演)・8月12日ー23日:欧州#4(4公演)・10月4日ー11月29日:欧州#5(32公演)これが1997年/1998年のMOTORHEAD。“OVERNIGHT SENSATION Tour”は1996年の秋から始まっており、本作メインの1997年ブダペスト公演はそのツアー最終盤。「欧州#2」の3公演目に当たるコンサートでした。そして、他2公演は『SNAKE BITE LOVE』発売後となる「欧州#3」の19公演目・26公演目。公式ライヴ盤『EVERYTHING LOUDER THAN EVERYONE ELSE』も同じ「欧州#3」で制作されており、あの大名盤の映像版としても楽しめるのです。そんなショウを伝える本作は、秘宝マスターによるTVプロショット。時代柄VHS録画ではあるのですが、その鮮度が素晴らしい。そもそも、本作収録の3映像はこれまで知られておらず、コレクター間でもほとんど流通してこなかった。それだけにダビング痕の極少なロウジェネ・マスターであり、発色も滲みなくビビッドなら細部も鮮明。ちょっとだけゴワ付いた感触を「オフィシャル級!」と喧伝はできないものの、90年代の貴重ステージをこれだけのクオリティで目撃できるのはお宝以外の何物でもありません。そう、90年代のHR/HM系は貴重なのです。映像コレクターの方なら共感していただけると思いますが、70年代/80年代はマスター発掘やデジタル再放送も盛んで、さまざまな定番プロショットが大幅アップグレードしてきました。逆に、21世紀映像は最初からデジタルなので現代の眼にも美しい。現在、アーカイヴが難航しているのは「その間」。90年代の映像なのです。しかも、特にHR/HM系は厳しい。当時はロブ・ハルフォードをして「メタルは死んだ」と言われた時代であり、英米のツアー規模は縮小し、テレビ放送も激減。盛んだったのはメディア後進国の南米/東欧で、数はあってもクオリティでは及ばない……。そんな不遇の時代なのです。ところが、この時代にMOTORHEADは「第二の黄金時代」とも言うべきライヴを繰り広げていた。21世紀になると最終トリオのライヴ作も増えますが、一番脂が乗っていたのは90年代。タイトで勢いも強烈ですし、何よりHR/HM暗黒時代にツバを吐く自棄っぱちパワーがとんでもないのです。一部のマニアから「EVERYTHING LOUDERはハマースミスを超えた」とさえ言われていますが、本作は、そんな最終トリオの真価を映像で目撃できるわけです。では、本作ではどんな曲が楽しめるのか。最後に3つの映像をまとめて整理しておきましょう。黄金トリオ時代(8曲・10テイク)
・オーヴァーキル:Metropolis(2テイク)/No Class/Overkill/Stay Clean(2テイク)・エース・オブ・スペーズ:The Chase Is Better Than The Catch/(We Are) The Road Crew/Ace Of Spades・アイアン・フィストIron Fist それ以降(10曲・11テイク)・ノー・リモース:Killed By Death
・オーガズマトロン:Nothing Up My Sleeve・1916:I'm So Bad (Baby I Don't Care)(2テイク)/Going To Brazil/The One To Sing The Blues(★)・バスターズ:Burner・サクリファイス:Sacrifice/Over Your Shoulder・オーヴァーナイト・センセーション:Overnight Sensation/Civil War
※注:「★」印は公式ライヴ盤『EVERYTHING LOUDER THAN EVERYONE ELSE』で聴けない曲。メインとなる1997年ブダペスト公演では、激レアな「ヒゲなしレミー」もプロショットで観られるお宝映像集です。80年代の「黄金トリオ」と「最終トリオ」のどちらを最強とするかは人それぞれですが、後者のバンド・ポテンシャルが最高潮となったのは間違いなく90年代でした。最終トリオのライヴ作が大量にリリースされているのに、なぜ『EVERYTHING LOUDER THAN EVERYONE ELSE』を超える物がないのか。その理由を目で観て納得できるプロショット集。「1997年8月15日ブダペスト公演」をメインに、「1998年5月24日ケルン公演」「1998年6月30日ブダペスト公演」を追加収録したTVプロショット集。ダビング痕の極少なロウジェネ・マスターは発色も滲みなくビビッドなら細部も鮮明。ちょっとだけゴワ付いた感触ではありますが、HR/HM暗黒時代で南米以外の記録が少ない90年代をこれだけのクオリティで目撃できるのはお宝です。最高傑作とも言われるオフィシャル大名盤『EVERYTHING LOUDER THAN EVERYONE ELSE』の映像版とも言うべきマルチカメラ・プロショット集です。Sziget Festival, Budapest, Hungary 15th August 1997 PRO-SHOT E-Werk, Cologne, Germany 24th May 1998 PRO-SHO
T Petofi Csarnok, Budapest, Hungary 30th June 1998 PRO-SHOT (72:08)
Sziget Festival, Budapest, Hungary 15th August 1997 1. Metropolis 2. I'm So Bad (Baby I Don't Care) 3. The Chase Is Better (Than The Catch) 4. Burner 5. No Class 6. Overnight Sensation 7. Sacrifice 8. (We Are) The Road Crew 9. Going To Brazil 10. Killed By Death 11. Ace Of Spades
12. Overkill E-Werk, Cologne, Germany 24th May 1998 13. Iron Fist 14. Stay Clean 15. The One To Sing The Blues 16. Over Your Shoulder 17. Civil War 18. Metropolis 19. Nothing Up My Sleeve 20. I'm So Bad (Baby I Don't Care) Petofi Csarnok, Budapest, Hungary 30th June 1998
21. Stay Clean Lemmy - vocals, bass Phil Campbell - guitar Mikkey Dee - drums PRO-SHOT COLOUR NTSC Approx.72min.