大ヒット作『EMPIRE』とキャリア最大のツアー“BUILDING EMPIRES Tour”を成功させ、絶頂の刹那にいた1992年のQUEENSRYCHE。一般層にまで広がった人気を象徴する大定番プロショットがリリース決定です。そんな本作が撮影されたのは「1992年4月27日サンタモニカ」。ワールド・ツアーの一幕……ではなく、大ブームを巻き起こそうとしていた人気番組“MTVアンプラグド”に出演した際のマルチカメラ・プロショットです。当時の“MTVアンプラグド”は、エリック・クラプトン回が話題になりつつもアルバム発売には至っていないタイミング。QUEENSRYCHEが出演したのは、そんな大ブレイク寸前の刹那でした。一方、QUEENSRYCHE史から見ると1992年は“BUILDING EMPIRES Tour”を完遂した年。ここでその全景からショウのポジションも確かめておきましょう。1990年《8月20日『EMPIRE』発売》・10月29日-12月6日:欧州#1(27公演)1991年・1月23日:ROCK IN RIO II出演・1月29日-2月5日:日本(5公演)
・4月15日-7月31日:北米#1(69公演)←※公式LIVECRIME・8月10日-9月21日:欧州#2(18公演)・10月12日-12月31日:北米#2a(46公演)1992年・1月1日+3日:北米#2b(2公演)・4月27日:MTV UNPLUGGED出演 ←★本作★・6月6日:ジョージ公演 これが1990年ー1992年のQUEENSRYCHE。“BUILDING EMPIRES Tour”は1992年始の「北米#2a」で終了し、その後はイベント参加。ラストのジョージア公演はチャリティ・イベントながらエレクトリックのフルショウだったのに対し、本作はアコースティックの番組用パフォーマンスでした。そんなステージは公式『BUILDING EMPIRES』に2曲が採用され、後年になって未放送分も含めた流出版も登場。さまざまなバージョンが存在する定番となりました。その中で本作は、もっともベーシックな放送版。それも、1992年当時にMTV JAPANで流れた日本放送バージョンなのです。そのクオリティは、懐かしさも滲むビビッド・マスター。当店ではコアな記録マニアによる極上マスターで音楽番組の数々をアーカイヴしておりますが、本作もそのひとつ。時代柄アナログ画質ではあるのですが、ダビングを経ていない録画マスターから直接デジタル化しているだけにノイズやヨレ、色滲みなどのない画面なのです。そして、その映像美で描かれるのは、ロングヘアのジェフ・テイトやクリス・デ・ガーモが並ぶ黄金時代のQUEENSRYCHE。前述のように、この映像はさまざまなバージョンがありますが、本作はもっとも基本の5曲版。その内容は……・クイーンズライチ:The Lady Wore Black(★)・炎の伝説:I Will Remember/The Killing Words(★)・エンパイア:Della Brown/Silent Lucidity(★)※注:「★」印は公式ビデオ『BUILDING EMPIRES』では観られない曲 ……と、このようになっています。オープニングから全世界初演にしてクリス時代唯一となる「I Will Remember」が激レアですし、その後もプログレッシヴ・サイドの名曲がアコースティックに染め変えられていくのです。それにしても巧い。プログレッシヴ・メタルの開祖に対して当たり前すぎる話ではありますが、誤魔化しの利かないアコースティックだからこそ、緻密で完璧な演奏力に改めて溜息が漏れる。単に「黄金時代の懐かしい5人」ではなく、個々人の技量も相性もズバ抜けた「奇跡の5人」だったことを思い知らされる映像でもあるのです。新たなる音楽ジャンルまで生み出すほど才気走っていた黄金時代のQUEENSRYCHE。その真価を炙り出すアコースティック・ライヴのマルチカメラ・プロショットです。約25分ながらも30年前の彼らに出逢える1枚。MTV/VH1 Studios, Santa Monica, CA, USA 27th April 1992 PRO-SHOT
1. I Will Remember 2. The Killing Words 3. Della Brown 4. Silent Lucidity 5. The Lady Wore Black Geoff Tate - Lead Vocals Chris Degarmo - Lead Guitar, Vocals Scott Rickenfield - Guitars Michael Wilton - Bass Eddie Jackson - Drums PRO-SHOT COLOUR NTSC Approx.25min.